<13日目>厚岸→釧路~絶壁上の絶景キャンプ場「キトウシ野営場」に宿泊
夜、厚岸の市街地で飛び出してきたシカに驚かされたが、翌日宿をでてバイクで走り始めてすぐ理解した。この町って、シカだらけなんだ!!!
交差点にもシカ。
民家の軒先にもシカ。
かなり近づくまで逃げる気配もない。うっかり街中に下りてきてしまったシカではなく、ここで生活している「町シカ」なのだろう。
▼北海道一周ツーリング<13日目>厚岸→釧路 (5分20秒)
市街地を抜け、知人ご推薦の愛冠岬へ。
なんでも「できそうもない困難を乗り越え愛の栄冠を得る」という思いでアイヌ語の地名にこの漢字があてられたらしい。
愛の鐘ベルアーチ。
いかにも、カップル二人が一緒に鳴らすだろう想定の構造。
ひとりものには関係なさすぎかなと思ったけど・・・
せっかくなので鳴らしてきました。
振り向いてくれたのはシカだけ。
つか、シカ多過ぎ。
岬の先端。
木の柵ができているけど、なぜかその先にも道がある。
どうなってるんだろう?と思って試しに柵乗り越えてみたものの・・・
足滑らせたら確実に命はなさそう。
ぶるぶる。
北海道じゃらんで「道の駅満足度ランキング飲食部門」No.1を5連続でとったという、道の駅厚岸グルメパークへ。
ここは高台にあり、津波などから避難する防災施設も兼ねているらしい。
レストランもいくつも入っていて、牡蠣など網焼きで楽しめるところも。
私が食べたのは牡蠣エキスが入ったモカアイス。
これがちょっとびっくりする美味しさ。
牡蠣の味はまったくわからなかったけど、多分牛乳が違うんだろうなあ。甘ったるさは一切なく、濃厚な牛乳のうまみ。モカの味もきいていて大人のアイスだ。
ちなみに添えられている最中は牡蠣の殻を模している。
そこから厚岸漁協直売の土産物ショップへ。
生の魚や干物だけかと思ったら、瓶詰やレトルトなど種類かなり豊富。入口に発泡スチロールのケースがたくさん置かれているので、好きなだけ詰めて、クロネコヤマトのクール宅急便で送ることができる。
特産の牡蠣も。
厚岸のブランド牡蠣「マルえもん」はLLサイズでも180円。
奥のテーブル席では、漁協の人が牡蠣の開け方を指導してくれ
壁際におかれた電子レンジを使って、その場で蒸しガキを作って食べたり持ち帰ったりすることもできる。
これはなかなか工夫されているなあ。
牛さんたちとクロスカブ。
車体の赤が緑の牧草地に映える。
キツネさんも。
この日は天気も良好。
これは非常にうれしいことだった。
なぜなら、泊まりたいキャンプ場があったからだ。
それはキトウシ野営場。
ガイドブックには、初心者はひとりで泊まらないこと、とあった。
一体なぜ?
国道からダート道をしばらく走らないとつけないから?それとも絶壁の上らしいから風が強すぎるのか?
自分もキャンパーとしてもライダーとしても初心者だけど、泊った人のブログ記事見るとかなり魅力的な場所らしいので、とりあえず見てみることにした。
広い場所ではないので、いっぱいかもしれないけど、まあそれだったら、釧路のビジネスホテルに泊まればいいだけだ。
国道からキャンプ場までのダート道は、アップダウンもなく平らできれいにならされているので全く問題なし。
そしてキャンプ場到着。
絶景だ!
切り立った崖の上の高台。
見下ろせば海。
波の音もほとんど聞こえない。
とても静かな場所、人の話し声すらない。
というのも、キャンプ場は予想外なことにたった3組しかいなかったからだ。
うち2組は夕方までに撤収し、あらたに来た2台の車は車中泊だったので、その夜テントを張って宿泊したのは、自分ともうひとりだけ。
キャンプ場は細長い敷地で、一番奥のエリアが最も低く、中段、そして上段となんとなく3エリアになっていた。
一番奥に設営している人に「女性ならトイレも近い中段がいいんじゃないかな」と言われ、中段の屋根付きテーブル&ベンチがあるすぐ横にテントを張った。
バイクのすぐ隣というのも嬉しいし、目の前が海というのも素敵だ。
テントを設営し終わったころ、一番奥でテントの他にタープも張って、かなり本格的な料理をしていた男性キャンパーがやってきた。
「もしまだお昼食べてなかったら、パスタ食べるの手伝ってくれない?」
もちろん喜んで!
わざわざひとり分をお皿に盛ってアルミホイルかぶせたものを持ってきてくれたんだけど、せっかくなので一緒に食べさせてもらうことにした。
海鮮たっぷりのパスタ。
珍しい貝もあったので、それも入れたとのこと。
北見在住の方で、よくひとりで車でキャンプしているとのこと。以前は単にキャンプして釣りするだけだったんだけど、ここ数年は料理に凝り始め、毎回いろいろなものを作っているそう。
キャンプ道具もかなり揃っていて本格的。
ワゴン車もキャンプ道具を積み込むための仕様になっていた。
ちなみにキャンプ場の全景。
これが一番奥のちょっと低くなっているエリア。
屋根があるところは炊事場で、その横に1~2張、崖側に2~3張くらいか。
ここは水道は通っておらず、地下水を使っている。
時期によっては水がないこともあるらしく、この時も「水道設備使用できません」の張り紙があったが、数日前に大雨が降ったこともあり、実際には水はでた。
そんな不安定さもあって人が少なく、またガイドブックにも初心者はひとりでいかないよう書いてあったのかもしれない。
かまども。
一番奥から撮った写真。
屋根付きテーブルスペースがあるのが中段エリアで自分がテントを張った場所。
反対側にトイレがある。
ここは狭いので、1~2張くらいかな。
道の部分は車が通れるよう開けておかないといけないので。
さらに上のワゴン車が停まっている上段エリアが一番広いが、いくつか利用した人のブログを見ると、下段もしくは中段がおススメらしい。
管理人などはおらず、利用する人はここに置かれたノートに名前を書くだけ。もちろん利用料は無料だ。
テントを張って、海鮮パスタをごちそうになった後、バイクで釧路市街地へ向かった。目的は和商市場。
かなり広い市場だった。
聞いたことのない名前の魚もいろいろ。
観光客にとっては、「勝手丼」が食べられる市場として有名だ。市場内にご飯のどんぶりを販売している店があるので、それに好きな魚の刺身を一枚単位で買って乗せてもらう。
そして自分だけの海鮮丼を作れるというわけだ。
ただ実は意外にいいお値段する。
既にお昼は食べていたので、ご飯は買わずに刺身だけいくつか注文して食べたが、わずか5切ほどで600円以上になってしまった。
コンビニでビールと朝食を買って、再びキャンプ場に。
ここはちょうど真南側に海があるので、日の出も日の入りも地平線。
夕方の心地よい風が吹く中、テント横のテーブルで缶ビールを飲みながら水平線を見つめていた。
こんな時間の過ごし方って贅沢だよなあ。
キャンプ場にはキツネも。
これまで出会ったキツネは、毛並みも悪く何かやせ細って病的だったけど、この子はふっくらして、キツネらしかった。
「カレー作ったんだけど・・・」
そうまたお誘いいただき、図々しく夜もごちそうになることに。
カレーにアスパラベーコン、ショートパスタのサラダまで作っていた。凄すぎる。
実は自分の地元・香取にも、高速道路建設で来て住んでいたことがあったりして、共通ネタがいろいろあった。
アマチュア無線もやっている方だった。
ランタンの灯りのもと、話は尽きず、
出会ったばかりの人とは思えないほどいろいろな話に。
人がいなさすぎて着いたときはちょっと不安もあったけど、結果としては最も楽しい思い出のキャンプ場になった。
ちなみにこの後、自分のテントに戻ろうとしたら真っ暗闇。
ヘッドライトをうっかりテントに置いてきてしまい、テント位置どころか、どこから崖なのかすらわからない状況。
結局、ランタンと一緒にテントまで送ってもらうことになった。初心者がひとりで野営するのは危険というのは、水問題より照明がないからかもしれない。
翌朝、爆音で目覚めた。
「もしやこれが!?」
と思い、慌ててカメラ持参でテント飛び出すと、崖下の海を、何十隻もの漁船が、まるで競艇場かのような爆走をしていた。
コンブ漁だそう。
出港時間が決まっており、一番いい漁場争奪戦でこうなるのだという。
いやー、すごい迫力だった。
このキャンプ場の正面にはマスの網が縦に張られていて、崖沿いは岩礁地帯。
その間がすごく細くなっているんだけど、そこも一切スピード落とさずまるでレースのよう。この早朝の風景を見るだけでも、ここに泊まる価値はある。
二食ごちそうになったもうひとりのキャンパー男性と最後に記念撮影。特に連絡先交換もしなかったのでもう会うことはないと思うけど、本当に楽しかった。
出会いに感謝。
▼北海道一周ツーリング<13日目>厚岸→釧路 (5分20秒)