海に浮かぶ巨大カルデラ~外輪山大凸部&丸山ウォーク

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「火山って言っても山はほとんど吹き飛んじゃったの!?」

この島の形を見てそう思う方もいると思うが、実は青ヶ島、海底火山の頂上部分だけが海面に突き出しているのであり、周囲の海中にはさらにいくつもの火口やカルデラが点在する、巨大な海底火山群になっているらしい。

青ヶ島は典型的な二重式カルデラ火山で、島の南部に直径1.5キロメートルのカルデラ(池之沢火口)があり、その中に「丸山(別名オフジサマ)」という中央火口丘があるが、島自体はより大きな海中カルデラ全体の高まりのひとつにすぎず、第1東青ヶ島海丘・第2東青ヶ島海丘・第3東青ヶ島海丘などとともに島の北東にある海中カルデラの外輪山となっている。なお、第2青ケ島海丘と第3青ケ島海丘の間にも、更にカルデラがあると考えられている(つまり、青ヶ島と周辺海域には火口・カルデラ地形が幾つも重なっている)。

●青ヶ島 – Wikipedia

その外輪山の中で最も高いのが標高423mの大凸部(おおとんぶ)。
集落に近い外輪山北西の一角にあり、集落からも歩いていける遊歩道がある。

前日サウナで知り合った人に付き合ってもらい、一緒に登ることになった。

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大凸部へ至る登山口は郵便局とNTTの少し先。

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前日に集落の居酒屋で聞いた話によると、道はきれいに整備されており20分ほど。とにかく絶景とのこと。ふむふむ。

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そしてここが遊歩道入口。

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炭焼きの窯がここにも。

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前日見たのよりも小さい。

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両脇にびっしり竹が生え、途中からトンネル状態になっている。着いてからずっと感心しまくりなんだけど、それほど観光客の数が多いわけでもなく、島自体の人口も非常に少ないのに、こうした遊歩道もしっかり整備されきちんと管理されている。

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岩で階段状態にした道も。
前日の大杉ウォークはちょっと難儀したけど、ここはまさにハイキングコース。ビーチサンダルでは疲れてしまうが、普通の靴で問題なく、軽い散策気分で歩ける。

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そして登ること10分ちょっとで・・・

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いきなりやってまいりました、外輪山の尾根!
木に遮られてちょっとわかりにくいかもしれないが、この向こうにはあの「プリン」のような丸山、そして反対側の外輪山が見える。

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ここからはほとんど平らな尾根ウォークだ。

「竹が生えているからいいけど、そうでなかったら両側崖でちょっと怖がる人いるかも」と同行者。確かに竹藪なかったら、左右どちらも崖の斜面。風も強いし私でもちょっと怖くなると思う。

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でもそんな竹藪やすすき越しに見えるカルデラの眺めは見事!!!集落からわずか20分ほどでこの風景が見えるのだから、絶対に来なきゃ損!

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道端にはあしたば。
青ヶ島で育った牛たちは毎日これを食べているんだそう。

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振り返ると、集落もはるか下に見えてきた。
断崖絶壁の上に広がる緑の台地、他ではなかなか見ることのできない風景だ。

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そしてゴール地点の大凸部展望台に着いたのは歩き始めて16分後。

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これはスゴイ!!!
自分の足元から両脇に延びる外輪山の尾根がぐるっと一周して中央の丸山を取り囲む。

その奥には広大な海原がキラキラと。
風は強く、ちょっと油断しているとよろめきそうだが、それも含め、ダイナミックな大自然を200%体感できる。

動画も撮影したので、見てほしい。

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山肌が茶色く見えている部分の中央付近奥には、初日に訪れた地熱サウナと製塩工場が見える。大杉ウォークした場所は丸山の影になっているあたりだ。

草むらに囲まれた集落とは異なり、カルデラ内は杉はじめとする木がびっしり。冬でも暖かいそうなので、成長も早いのかもしれない。

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記念写真を撮ってもらった。
八丈島で船しばらく欠航で、青ヶ島渡ったらいつ戻ってこれるかわからなくなると言われ悩んだが、やはり思いきって来島してよかったなと心から思った。

それにしてもなぜシャツのボタン一個とれてるんだよ自分・・・(恥)

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何度見ても見飽きることない風景。
中国語には「百看不厭」(百回見ても飽きることがない)という言葉があるが、まさにそれだ。

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せっかくなので、もうひとつ外輪山尾根にある「尾山展望公園」に行くことにした。登り口は少し離れていて、こちらは取水施設の脇から。

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ちなみにこれが取水施設。
広い斜面をコンクリで固め樹脂コーティングし、雨水を溝に集め、下にある浄水施設で飲める水にし、集落に配水している。

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こんな浄水方法は初めて見た。
川がないため水確保には苦労してきたそうで、この施設ができるまでは各家庭で雨水を貯めて使っていたとも。

ちなみに同じ離島でも御蔵島はミネラルウォーター販売するほど水資源には恵まれている。
海水を淡水化している島や、他の島から送水してもらっているところもある。

●神津にいくばぁ(神津島)「水配り伝説」

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尾山展望公園への道は大凸部以上に歩きやすい道で、夜、星空観測に展望公園に向かう人のため太陽光発電の照明も設置されていた(ただこれがあるおかげで星空は少し見づらくなるのだとか)。

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途中からは階段と坂。

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そして展望公園に到着!

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この円形のモザイクはどうやら、青ヶ島を中心とした世界地図のようだ。肝心の青ヶ島の位置に何もマークがないのが謙虚とも言える。

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東西南北の方向に金属製のモニュメントを立てた広場も。

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さらにここから尾根沿いに歩くと東台所神社がある。一度下がってまた上がった先、恐らく写真の三角形に盛り上がった場所が神社のあるところだ。

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せっかくの機会なので神社にも行くことに。

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途中、またまた絶景スポットが現れた。
高さは大凸部よりやや低くなるが、中央の丸山のプリン的な溝はこの角度からのほうがよく見える。

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やや細い道を歩くこと数分、

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神社らしき一角に辿り着いた。
鳥居も社殿もかなり荒廃していた。

この神社で祀っているのは、相思相愛の女性との中を引き裂かれ、さらに女性に自殺をされてしまい、逆上して島民7人を殺傷し入水自殺をした浅の助という男。いわゆる祟り神を祀っている神社だそう。

●東台所神社と浅之助・おつなの悲恋 TTS Aogashima & Hachijojima 青ヶ島・八丈島

この記事に紹介されているが、図書館に行けば島の歴史などについて書かれた文献をあたることもできるようだ。もし船欠航などで閉じ込められてしまったら、図書館に立ち寄ってみるというのもよさそげ。

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この神社のすぐ前からは丸い石を階段状に並べた急な坂道もあった。大凸部の登山口に鳥居があり、そこから東台所神社への参道が伸びていたので、きっとそこへ通じる道だろう。登るのはなんとかなりそうだが、苔蒸した玉石の道を降りるのは少々危険そうだ。

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青ヶ島で尾根ウォークできる場所がもう一か所。
それは中央にある丸山だ。

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スタート地点は、青ヶ島ふれあいサウナから坂を上がった場所にある農業用水のタンク裏。

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遊歩道を登っていくと海抜196mの展望広場にでる。

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眼下にサウナや製塩工場が見え、西側の外輪山が目の前に横たわる。

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南側は、大杉ウォークの時に入り込んだジャングルのような場所。

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丸山遊歩道の一角にはお富士様と呼ばれる神社もある。

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外輪山の尾根ウォークのような眺望はないが、階段もしっかり整備されており、植物観察などしながら軽い運動ができるルート。軽く汗をかいた後、サウナですっきり流してくるのもいいだろう。

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遊歩道のガードの杭に着生していた細長い葉っぱ。
写真照合だとおそらく「ノキシノブ」かなと。

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ロープにまで着生して芽を出していてかわいい。

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かわいいと言えば、斜面の岩によく貼りついていた丸い葉っぱの「マメヅタ」。
胞子か何かがついた葉だけが細長く伸びていて面白い。

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これは外輪山東側、流し坂から見た日没。
太陽が沈んでいるのはちょうど大凸部のあたりだろうか。

見る角度によって、外輪山も丸山もいろいろな表情を見せてくれる。
観光スポットだけ回るなら1日半もあれば十分だが、島の独特の風景をいろいろな角度から眺めようと思ったら時間は結構かかる。

自分は幸い、民宿オーナーの佐々木さんや、出張で来ていた方に車に乗せてもらいあちこち連れて行ってもらうことができたが、やはり足は必要なので、レンタカーを借りてまわるのがいいだろう。

ちなみにレンタル自転車や原チャリレンタルは、自分が訪れた時点ではなかった。あれば、原チャリ借りて島内観光したかったのになあ。

当記事はもともとWADA-blogに掲載していたものです/「tokyo reporter 島旅&山旅」というプロジェクトの取材レポーターとして、「青ヶ島」を二泊三日で旅し、記事を書いています。