青ヶ島2泊3日ひとり旅ダイジェスト版

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海に浮かぶ二重カルデラの島、青ヶ島。
東京の南358キロメートルに浮かぶ人口約160人の小さな離島だ。

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そんな青ヶ島に今回、「tokyo reporter 島旅&山旅」というプロジェクトの取材レポーターとして、二泊三日で旅してきた(2015年10月18~20日)。

島の風景に魅了され写真撮りまくったため、旅行記は全10記事と少々長くなってしまった。さっくり島の風景見たいという人もいると思うので、ダイジェスト版を用意することに。

ちなみに肝心の青ヶ島へのアクセスだが、直行便はない。竹芝桟橋から船もしくは羽田空港から飛行機で八丈島へ行き、そこで船もしくはヘリコプターに乗り換えて行く必要がある。ただ八丈島─青ヶ島間の船の就航率は50~60%と低く、ヘリコプターも1日1便で定員9名なので、少々行きにくい島でもある。

●簡単には行けない島!?青ヶ島へのアクセス(船&ヘリコプター&飛行機)

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ヘリコプターの飛行時間はわずか20分ほど。
テレビや雑誌でもよく紹介される断崖絶壁の島・青ヶ島の全容が見えてきた。

海沿いに平地はなく、島民が住んでいるのは北側の高台。
なんとも独特の地形だ。

●火山が作り上げた独特な地形~立体模型でまずは予習!

到着した日の午前中は、民宿拠点に集落を散策することにした。

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まるでテロが日常化した国の米国大使館のような建物は駐在所。
遮るものもない高台集落ゆえ、強風による建物被害が多く、その対策らしい。

「青ヶ島では駐在さんが刑務所に住んでいるんだよ」なんて冗談話も。

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島で唯一のスーパー「十一屋酒店」。
ここでは食料品・生活用品の他、ひんぎゃの塩や「還住Tシャツ」、青酎などのお土産が売られている。

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居酒屋は2つ。
夜になると島民や、島で働いている業者さんなどで大賑わいとなる。

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集落のある高台は海に向かって傾斜しているが、海まで通じる道はなく草原の先は切り立った絶壁だ。村の共同牧場もあり、牛がのどかに草を食んでいた。

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玉石垣が残る名主屋敷跡。
周囲は木がうっそうと茂り、さながらジャングルの中の遺跡のよう。

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児童公園の一角には、還住の記念碑が設置されている。
「還住」とは、1785年の天明の大噴火で生き残った島民が八丈島へ全員避難し、それから50年を経て再び青ヶ島へと帰還を果たした史実を差す言葉。

●全島民160人が暮らす高台集落をのんびり散策

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集落散策から戻り昼食を食べた後、民宿オーナーの佐々木さんに「大杉」に連れて行ってもらった。どこの熱帯ジャングルだ?という風景だが、これは南側のカルデラ外輪山の中。岩場も多くある道をしばらく歩いていった先に大杉スポットがある。

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岩や他の大きな樹木に着生するオオタニワタリ。
群生地もあり観光スポットのひとつとなっている。

養分は葉の間にたまった落ち葉などから吸収するのだという。

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そして大杉に到着!
苔がびっしり生えた幹は大人三人で手をつないでぐるっと囲めるほどの太さだ。

●ひとりで行くと遭難リスクも!樹齢230年超の大杉

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外輪山の内側「池之沢地区」には青ヶ島村ふれあいサウナもある。
青ヶ島は活動度ランクCの活火山で、外輪山の内側はまさに火口。中央の丸山の斜面などいくつもの噴気孔があり、そこから熱い水蒸気が噴き出していて、地面も熱を帯びている。

その地熱を利用した施設が「青ヶ島村ふれあいサウナ」だ。

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サウナ入口には洗ったさつまいが山積みになっていた。
サウナの受付男性が「蒸して食べろ」と言うので、遠慮なくいただくことにした。

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どこで蒸すかというと、サウナ手前にある地熱釜。誰でも自由に使うことができ、卵なら15分ほど、さつまいもなら一時間。サウナに入り、周辺散策して戻ってきたらちょうどいい時間になっていた。

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中までほっくほく!
甘みもあって美味しい!!!

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地熱サウナの奥には、製塩工場がある。
青ヶ島特産品のひとつで、塩専門ショップなどでも見かける「ひんぎゃの塩」はここで作られる。残念ながら現在は見学は受け付けておらず外から見るだけ。

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ちなみに「ひんぎゃ」とは地熱蒸気噴気孔のこと。
サウナ・製塩工場の周辺の至る所から水蒸気が噴き出している。

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地熱釜とサウナから道を挟んで反対側の崖の途中からも白い蒸気が噴き出している。よく池之沢噴気孔群として紹介されているのはこの風景だ。

●地熱で蒸しイモ&ゆで卵~地熱釜・青ヶ島ふれあいサウナ

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島で現在唯一稼働している三宝港は、島の南側にある。八丈島から船で来るとこの港に着くのだが、私が滞在していた時ははるか南方にあった台風の影響もあり、一週間欠航になってしまっていた。

ここの名物は、「空飛ぶ船」。
その全容を見るためには、今はもう使われていない急坂の道をあがってゆく必要がある。

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とにかくすごい坂道なので注意必要。
上の展望スポットまであがって下を覗くと・・・

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眼下にはまるで要塞のような船揚場があった。
入江もなく桟橋も短い三宝港では、クレーンを使って船を高台まで毎回引き揚げているのだ。

●船が空を飛ぶ!?まるで要塞みたいな青ヶ島の三宝港の船揚場

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青ヶ島のこの独特な風景全容を見たいなら、外輪山で最も高い場所「大凸部」だ。集落から徒歩20分くらい。坂ではあるが遊歩道はしっかり整備されているので普通の靴で十分歩ける。

尾根まであがり、しばらく歩くと展望台に出る。

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ここから見る風景は圧巻だ。
足元から両脇に延びる外輪山の尾根がぐるっと一周して中央の丸山を取り囲む。

その奥には広大な海原がキラキラと。
風は強く、ちょっと油断しているとよろめきそうだが、それも含め、ダイナミックな大自然を200%体感できる。

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尾山展望公園からもまた違う角度で丸山や外輪山を眺めることができる。

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遊歩道の入り口には、斜面をコンクリで固めた珍しい取水場がある。雨水をこの取水場で受け、下にある建物で浄水し集落に配水している。

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青ヶ島で尾根ウォークできる場所がもう一か所。
それは中央にある丸山だ。

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丸山遊歩道の一角にはお富士様と呼ばれる神社もある。

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外輪山の尾根ウォークのような眺望はないが、階段もしっかり整備されており、植物観察などしながら軽い運動ができるルート。遊歩道の入り口は青ヶ島村ふれあいサウナのすぐそばなので、歩いた後の汗をサウナでさっぱり流すこともできる。

●海に浮かぶ巨大カルデラ~外輪山大凸部&丸山ウォーク

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青ヶ島と言えば「青酎」。
杜氏の数だけ味も変わると言われ、島外ではなかなか入手しにくいものもあり、ファンも多い島の焼酎だ。

その工場が集落の一角にあり、観光客は試飲もできるという。
私は日中に行きそびれたので残念ながら試飲させてもらえなかったが、設備を見せてもらった。

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巨大な蒸留器。

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これは材料のサツマイモを蒸す機械。
サツマイモの収穫が終わる11月以降に仕込みが始まるのだそう。

●青ヶ島と言えばこれ!杜氏変われば味も変わる「青酎」

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その青酎の材料となるサツマイモ畑がこれ。
実は泊まっていた民宿マツミ荘のオーナーさんも杜氏のひとりで、2日目の午後、畑仕事にくっついていって草取り作業をお手伝いさせてもらった。

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他にも、ししとうやハバネロ、パッションフルーツなどを栽培している。
カルデラの中は地熱影響もあり冬でも暖かい。外輪山に守られているためか、風の影響もそれほどなかった。

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草取りの後は、地熱釜で茹で卵を食べながら一服。

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夜は二日とも集落の居酒屋で過ごした。

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島民の方、仕事で島に滞在している業者さんなど、居酒屋は毎晩大賑わい。そして青酎もいろいろ。

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いつしかカラオケ大会のようになり盛り上がる。

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居酒屋からの帰りは星空を見に。
人口少なく集落の明かりもほとんどない絶海の孤島。

真っ暗闇で見る夜空は、細かい星までびっしり広がり、それはもう言葉にならないほどの迫力だ。

●お茶目な元村長が営む民宿・マツミ荘、居酒屋でカラオケ三昧の夜!

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たった2泊3日なんだけど、一週間近く滞在した気分にもなるほど充実した時間を過ごせた。
幸いヘリコプターのキャンセルチケットを入手でき島を去ることになった。船は一週間は来ないだろうと言われ長期滞在も覚悟していたのでほっとしたが、同時に名残惜しさにも襲われる。

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ヘリコプターの窓から後ろを振り返ると、赤茶色の岩肌にウグイス色のコーティングをかけたかのような青ヶ島の姿が見えた。

●ヘリコプターのキャンセルチケット入手して島を離れる

ずっと来てみたかった青ヶ島。
簡単には来れない青ヶ島。

見事に魅了されてしまった。
いつかまた来たいと思う。

当記事はもともとWADA-blogに掲載していたものです/「tokyo reporter 島旅&山旅」というプロジェクトの取材レポーターとして、「青ヶ島」を二泊三日で旅し、記事を書いています。