<小型バイクでツーリング>九州一周沿岸ツーリング記

<小型バイクでツーリング>九州一周沿岸ツーリング記

<小型バイクでツーリング>九州一周沿岸ツーリング記

バイク歴2年半の初心者ライダー(♀46歳)が、赤いクロスカブ(110㏄)に乗って九州へ!総距離3,000キロ以上。2016年4月の大震災&豪雨で被害を受けた熊本・南阿蘇へも足を伸ばし、海岸線を時計回りにぐるり一周してきました。
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日南海岸を走る~鵜戸神宮・魚うどん・都井岬

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昨夜、宮崎駅前の居酒屋で大学時代のサークル同期と飲んだ際にいろいろルートアドバイスをもらった。そのコースでまずは堀切峠。

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ここから、開けた海岸ライン「日南フェニックスロード」が始まる。
波の荒さにびっくり。サーファーもたくさんいて、あと車のスピードの出し方がハンパない。快走ルートではあるけれどスピード出すのに慣れていない自分は緊張もする道だ。

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早くも二回もガス欠危機に陥って焦りまくったので、その反省で今回は少し早めに。北海道ツーリングの時と違い、ガソリンスタンドのことはあまり心配していなかったのだが、海沿いの道は幹線から外れてるところが多く、ガソリンスタンド探しに苦戦する場所も。どこかで携行缶を買う必要がある。


海沿いの崖の洞窟に本殿がある「鵜戸神宮」

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この日のハイライトは、宮崎を代表する観光スポット「鵜戸神宮(うどじんぐう)」。

太平洋に突き出した鵜戸崎岬の突端にある洞窟の中に、朱塗りの色鮮やかな御本殿がご鎮座する珍しいものです。岬のまわりには奇岩、怪礁が連なり太平洋の荒波が打ち寄せて、美しい景勝地となっています。

●鵜戸神宮 - 観光にちなんの旅 宮崎県日南市

海沿いの市道が崖崩れで封鎖しれていたため、かなり手前の駐車場から歩く羽目になった。気温も高かったため、年配の方や子供達が階段の途中で死にそうな顔になっていた。やはり真夏は厳しい・・・

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しかしそんな暑い思いしても、ここは来るべき価値ありだ。
鮮やかな朱塗りの柵は、険しい海沿いの崖の間に吸い込まれるように伸びており、下では波が岩にぶつかり砕け、真っ白い渦を作っている。いまだかつて見たことのない景色だ。

そもそも、神社に行くのに階段を下ってゆくということ自体が初めてで新鮮。

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海辺の洞窟の中に構えた本殿が神秘的。

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その背後には「お乳岩」。
ここから滴り落ちる「お乳水」で作った飴も売られている。

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お参りのあとは運だめし。
まずは5個100円の「運玉」を受け取り・・・

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男性は左手で、女性は右手で投げる。

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縄で囲われた窪みに見事ハマればいいらしい。かなり近いところまでいくが、岩自体がこんもり盛り上がっているので、弾んで窪みに落ちることはなく、周辺に当たれば必ず外側に跳ねて海へ。そんなわけで五投五敗。

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ちなみに昔はお金を投げ入れていたそう。

かつては貨幣を投げ入れる風習であったが、1952(昭和27)年頃、落ちたお金を求め崖を降り磯に出る子がいて問題になった。このため、賽銭に替わるものをと鵜戸小学校、鵜戸神官ともに試行錯誤した結果、1954年(昭和29年)から鵜戸小学校の児童らによって作られる、粘土を丸め運の文字を押した素焼きの「運玉」が使われることとなった。

●鵜戸神宮 - Wikipedia


小麦粉を使っていない「魚うどん」が衝撃

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それにしても美しいエメラルドグリーンの海。

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ふたたび国道220号、日南フェニックスロードへ。

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車も少なく、青い海と白い波を左手に見ながらほぼノンストップで走り続ける。

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九州はなかなかスピード出せない道が多いという話も事前に聞いていたが、ここまでは全くそんなことなく、細い山道を除けば、北海道並みの快走路が多かった。

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洗濯岩と呼ばれる、ぎざぎざ岩地形のところも多い。

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目井津港の近くにある港の駅めいつは、月曜日で定休。
本当はここでかつおめしを食べようと思っていたのだが、仕方ないのでそのすぐ裏手にある食堂へ。

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でも結果としてはそれでよかった。
ここで「魚うどん」を食べることができたからだ。

「ぎょうどん」と読み、原材料は魚のすり身。食感は蒲鉾などにも近いが、小麦粉使わずここまでうどん再現できることに感動。

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あっさりスープもソーキそば思わせる味で、美味しかった。これは炭水化物減らしたい人にいい!関東でもお取り寄せしたい。


野生馬が闊歩する都井岬

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ひとつ残念なこと。
それは、ツーリングマップルでは魅力的なツーリングルートとしてマーキングされていた、道の駅なんごうの先で二か所の崖崩れがあり、都井岬に行くために大幅な迂回が必要になったこと(都井岬はアロエで隠れている部分)。

しかも残念続きなことに・・

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分岐点で間違え、アップダウンもカーブも厳しいこんな道を延々進んだ後に、実は行き止まりの道だったことに気づいたのだ。

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ショック極まりない。
道の先には航空自衛隊のレーダー施設。道がきつかったのでgoogleマップの音声ナビだけを頼りにしてしまったのだが、おそらく車だと施設手前まで行かないとUターンできないのだろう。ずっと行き止まり地点を指し示されて気付かなかった。バイクモードがあればいいのになあ。

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そんなこんなで40分くらいロスして辿り着いた都井岬の灯台。

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他の人が皆、青い海に見とれる中、

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自分は1時間ほど前に迷走した、航空自衛隊施設周辺の山を眺めて感慨にふけるなど。

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都井岬には野生馬がたくさんおり、道路も普通にのんびり歩いている。

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傾斜厳しいところもなんなく歩き、草を食む風景はのどかだ。


鹿児島入りし肝付町の湯の谷温泉へ

都井岬の後は、志布志湾をぐるっと回り込み、鹿児島県入り。

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入場時間を過ぎてしまったので建物外から見るだけだったが、鹿児島宇宙センター内之浦宇宙空間観測所も。小惑星探査機はやぶさの故郷だそう。

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気付けば、少し前まで走っていた道とは雰囲気も大きく変わっていた。
これが宮崎と鹿児島の違いなのかもしれない。山深くなってきた。

そしてもうひとつ。
太陽がかなり傾いてきた。急がねば!

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肝付街に入り、岸良海岸が見えてきた。
予定していた宿は、ここから内陸に入っていったところ。実はまだ予約をしていなかったので、ここで電話をかける。幸い部屋が空いていた。

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日没前に!!!
ちょっと焦りながら小さな町の中を走る。

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そして無事到着した、湯治場の郷湯の谷温泉。
温泉施設で、数は少ないが宿泊できる部屋もある。

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想像していたのと違い、新しくきれいな施設だった。

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部屋も広くはないが落ち着く。
外はぐるり山に囲まれた、渓谷の温泉というような立地。

そしてお宿は夕方電話して予約した、肝付町の湯の谷温泉。基本は温泉施設だが、宿泊用の部屋がいくつかある。

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温泉で疲れをとる。
まっすぐな海沿いの道、そして自衛隊施設に向かう険しい山道など、いろいろな道を走った一日。サドルに座っているだけにも関わらず、やはり身体も神経も結構疲れる。温泉がその緊張をときほぐしてくれる。

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そしてうれしいこともあった。

予約が直前すぎ、電話では「食事の提供は無理」と言われていたのだが、途中、スーパーもコンビニもなかった。仕方なくフロント横の売店コーナーでお饅頭でも買おうかと眺めていたら「7時半すぎなら定食用意しますよ」とフロントの男性が言ってくれた。

そして作ってくれたのがチキン南蛮定食。甘酢かけ。衣はパリッと、鶏肉は柔らかく甘く、昨夜宮崎市内の居酒屋で食べて美味しかったタルタルソースのチキン南蛮と同じくらい気に入った。

さらに!

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サービスで刺身まで。
事前に予約していた宿泊客用のお料理の余ったのをだしてくれたようだ。

この宿、嬉しすぎる!

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8月4日に走り始めて5日目。気付けばあっという間にこんな場所で、明日は九州、いや本土最南端だ。

でも海岸線が本当に複雑になるのはここからなんです。まだまだ先は長い!