<小型バイクでツーリング>九州一周沿岸ツーリング記

<小型バイクでツーリング>九州一周沿岸ツーリング記

<小型バイクでツーリング>九州一周沿岸ツーリング記

バイク歴2年半の初心者ライダー(♀46歳)が、赤いクロスカブ(110㏄)に乗って九州へ!総距離3,000キロ以上。2016年4月の大震災&豪雨で被害を受けた熊本・南阿蘇へも足を伸ばし、海岸線を時計回りにぐるり一周してきました。
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本土最南端・佐多岬へ

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いよいよ本土最南端・佐多岬へ!
今日走るルートの地図をつなげて並べながら、まだひとつ悩んでいることがあった。

大隅半島の東岸は、肝付町から先は集落がなく山岳地帯に入る。地図上の道のくねくね度合いでもそれがよくわかる。さらに

「狭路が続き想像以上に時間がかかる」
「断崖上を走る 足下は海」
「すばらしいロケーションだが通行不能の時多し」

というコメントが、内之浦佐多線道こと県道74号には書き込まれていた。

宿の人に聞くと「あそこは通れない」「地元の人でも通らないのでやめたほうがいいだろう」と。仮に通行できたとしても、ものすごい時間がかかりそうな上、うっかり事故を起こしても誰も通ってくれない可能性がある。それでネットで調べたら、水力発電の工事とかなんとかで通行止めとなっていた。

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そんなわけでスッキリ。

海沿いルートは諦め、地図上の赤いラインにあっている国道448号で西に進み鹿児島湾の少し手前で左折して佐多岬を目指すことになった。

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そもそも交通量が少ないエリアで、海沿いの道に出ても車は全くおらず。こんな機会もそうそうないので路肩に停め、海をバックに記念撮影。

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沿岸ツーリングにふさわしい一枚が撮れた♪

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それでも未練あって分岐点で停まるとやはり通行止めとの看板。
これで完全に諦めがついた。

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山が海岸線まで迫る険しい地形。
あの緑の中に細くて険しい道があるんだろう。いつか機会あれば挑戦してみたい。

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九州東岸の海とはこれでお別れなので、最後に自撮り2枚。


無料開放された最南端「佐多岬」

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大隅半島の中央を横断する国道は、よく整備されたきれいな道で走りやすい。

途中、麦わら帽子や野球帽かぶった、年配男性の原付バイクと相次いですれ違った(つまりノーヘル)。まるで治外法権の離島のようだよ大隅半島。

その後、佐多岬に向かって南西方向に延びる県道68号線に入ったのだが、それが予想以上に長い道で集落も全くなく、またしても「ガソリンやばいかも」状態に。二度あることは三度あるというか、二度もやっておいて懲りていない間抜けな自分というか。

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そんな心の焦りと、猛暑の中連日走った疲れがたまっていたのかもしれない。「涅槃城」に向かう途中の登坂でUターンしようとして、バランスを崩し転倒してしまった。

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アップダウンある場所を走っていたのでそれほど傾斜がないと思い込んでしまったのだが、Uターン始めた後そうではないことに気付き、動揺して谷側の足をつこうとしてパタンと。

スピードも出ておらず怪我は全くないが、今回初めての失敗は精神的に痛い。車体に挟んだ左足が抜けず、高温のアスファルトの上でもがいていたら・・・

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坂の上から軽トラが降りてきておじさんが手を貸してくれた。なぜこんな何もない場所で?と驚いたことだろう。ガソリンスタンドは近隣にはないとのことだったので、鹿児島湾沿いの街まで行くことにして道も教えてもらった。

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ちなみに転倒した場所はここ。
自分でもなぜここで倒れたのか納得がいかず、岬の帰りにもう一度見に来たほど。

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ガソリン入れてる最中、何気なく手を後ろに回して大事なことに気付いた。

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お気に入りのバイク用パンツ。

その左側のお尻部分が5センチ以上にわたって破けていた。
写真ではポケットだけだが、その反対側は本体が同じくやぶけ、下着がばっちり顔を覗かせてしまっている状態。

いやー、気付いてよかった。この後スーパー隣接のコインランドリーを見つけ、その中でもう一枚寝巻用にもってきた薄手パンツを重ね履きした。

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そんなハプニングもありつつ、無事佐多岬。
ここはまだ先端ではなく、北緯31度線のモニュメント。しかも出来立てホヤホヤ(実は9月に入ってからこの除幕式が開催されたそう)。

実はこの北緯31度線をめぐってはこんなエピソードも。

●[速+]【社会】本土最南端、佐多岬の北緯31度線モニュメント...実は200メートルずれていました[04/20] | | ゴリラ速報まとめ

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31度線モニュメントの少し先に広い駐車場があり、その一角にある歩行者専用トンネルをくぐっていった先に佐多岬の展望台がある。

焼けるような暑さだが、トンネル内だけは涼しく、中で立ち止まっている高齢者グループも。

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その先に御崎神社。

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ソテツ的な樹もあり、緑うっそうとしているため、なにやら熱帯ジャングルの中の鳥居のよう。

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険しい海岸線で、海まで降りてゆく道は見当たらない。

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そしてやっとたどりついた佐多岬展望台。
本土最南端だ。

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もともと、佐多岬一帯は私有地だったそうで、2012年まではここに来るためには入園料が必要だったそう。それを南大隅町が購入し、観光地として整備をしている真っ最中なんだとか。

●佐多岬 - Wikipedia

新しい展望台ができるのは平成30年3月予定。

今はてくてく歩いて行った先にちょっとした広場があり、看板が立っているだけだけど、数年後にはもっと立派な建物などもできるのだろう。個人的にはむしろ、あまり大々的な観光地になっていない今行ったほうがいいと思う。

ちなみに本土最北端の宗谷岬と最東端の納沙布岬は昨年の北海道ツーリングで到達したので、これで北・東・南はクリア。残るは最西端だけだ。


時海で盛りだくさんの海鮮丼

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さあ、佐多岬の次は桜島だ!!!と、この写真をFacebookに投稿したが、どうもシルエットがきれいすぎて違うなあと思ったらやはり勘違いで、この富士山のようなきれいな山は、薩摩半島の南端にある開高岳だった(恥)。

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なぜか唐突に登場する、宗谷岬を指し示す看板。
距離は2,700キロとある。

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転倒でゆるんでしまった左バックミラー。

持っていた工具ではサイズが微妙に合わずきっちり絞められなかったのと、もうひとつ押さえるものがないとダメそうなので、鹿児島市内でホームセンター探すことに。

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・・・なんて作業を汗だくになりながらしてたら、ふと上から視線が。
見上げると猿が何匹もいた。びっくり。

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そこからツーリングマップにも載っており地元のグルメ紹介リーフレットにも写真がでていた「時海(ときみ)」へ。

14時少し前だったため、一度は「今日は・・・すみませんねえ」と断られてしまったにもかかわらず、残念そうな笑みを浮かべながら店をでてきてバイクの横まで歩いて行ったところ、奥さんが勝手口から追いかけてきて「やっぱりなんとかするそうです」とのこと。ありがたい。

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そして出してくれた「時海丼」。
しかもランチタイム最後のお客さんだからなのか、魚ちょっと多めに乗せてくれたとのこと。そもそも多すぎてどれがサービス部分なのかわからないがうれしい。

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帰りにはツーリングの話などもちょっとして、お礼を言って店をでようとしたら、「今年の新芋なのでよかったらおやつがわりに」ともらってしまった。本当にいい店すぎる。自分の前にお会計していた家族連れも「年に一度ここにくるのが楽しみで」と話していたが、店主ご夫婦のお人柄ゆえなんだろうなあ。私もまた来たい。

●時海 - 南大隅町その他/魚介料理・海鮮料理 [食べログ]


鹿児島湾沿いの道を北上

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ここからは鹿児島湾を左に眺めながらのツーリング。

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薩英戦争の砲台跡。
戦争の舞台は鹿児島湾で、薩摩藩は当時世界最強だったイギリス海軍に善戦し、上陸を許さなかった。

●薩英戦争 - Wikipedia

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海岸にくっついている島のような場所に建つ荒平神社。
このあたりは映画撮影の舞台にもなったようで、その場所を紹介するボードも駐車場に掲示されていた。

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垂水市内では手芸用品店を探し、アイロン接着の当て布を購入。

針と糸も買おうかなと思っていたら、お店の方が「よかったらつかってください」と必要な分だけの糸を厚紙に巻き付けてくれ、さらに「新品じゃないですから」と針までつけてくれた。坂道Uターン転倒は少々痛かったけど、その後出会う人たちが皆本当に親切で感動だ。


迫力満点の活火山・桜島へ

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そしてこれが本当の桜島。

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桜島少し手前のトンネルを抜けた後の長い下り道が非常に爽快だった。

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桜島の付け根。
噴火で陸続きになったその場所だ。

左折して国道224号に入る。

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正面には、上部丸裸状態の桜島火山がそびえたつ。
それぞれ「北岳」「中岳」などの名前がついていて、それらを総称して「御岳」と呼ぶそう。

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桜島の南半分をぐるり回り込み、鹿児島市も見える最西端の港近くにあるユースホステルに到着。今晩の宿泊場所だ。火山がよく見える、どこか小学校の校舎を思わせる建物だった。

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夏休みで混んでいるかと思いきや、最後まで自分以外の宿泊客に会うことはなかった。

夕食をコンビニで買ってくるといったら、管理人の女性の方が「車で送るわ。バイクなんて危ない」と乗せて連れていってくれた。

「火山いつ噴火するかわからなくて怖いでしょとよく言われる」
「でも桜島はいつも噴火していてそれが普通」
「ここのところ噴火がないので、逆に不安」

だそう。

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部屋はこんな感じ。
ユースホステルで本来は相部屋なんだろうけど、この日は自分以外はおそらくほとんどお客さんいなかったんだろうと思う。ひとりでこの部屋を貸切利用できた。

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けっこう広い温泉もある。
濁った湯で、身体もぽかぽか暖まり、バイク転倒ショックで少しこわばっていた身体もほぐれた。

建物自体は古いものの、いい宿だ。
人がいなすぎてもったいないほど。

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夜は花火も。
いろいろあった一日だけど、無事ここまでこれたことに感謝。

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ぽっかり穴をあけてしまったけど、このくらいで済んでよかったと思おう。そして常に平常心キープで。

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九州東岸を走り終え、ここからはいよいよ西岸だ!!!