【5日目】小田原城に絶景の伊豆半島東岸、そして巨大混浴「千人風呂」の金谷旅館
スタッフも非常に感じがいい片瀬江ノ島のゲストハウス(といってもシングルルーム)。
お気をつけてと見送られて出てきたが、今日もやはり雨。昼頃からの降水確率は下がっていたが、びしょぬれのバイクに荷物を詰め込む。
ところがとってもうれしい事態に。
海岸の道を走り始めてまもなく、空が急速に真っ青に変化していったのだ。
そして急激に訪れる夏景色。
ちなみに写真の斜め前にいるのはスクーター男性なのだが、右側にサーフィンのボードを取り付けているのがわかるだろうか。このあたりは夕方以降の渋滞もひどいため、すり抜けて走れるスクーターがサーファーにとって大事な足のようだ。
途中、藤沢・茅ヶ崎・平塚と通ったがどこも停まらず海沿いバイパスルートを。
大磯のちょっと手前。
まだ台風15号の影響があるのか、波はかなり高く風も強かったが、この海の色のきれいさたるや!!!
この後もこの道を走る気満々だったのだが・・・
直後から有料道路(西湘バイパス)になるということで泣く泣く降りた。もっと走っていたかったなあここ。
小型バイクの悲しいサダメ。
案の定混み合っている下道。
ただ嬉しいこともあった。実はこの道、旧東海道なのだ。
2009年に東京から京都まで500キロほどを通しで歩いた時、ここも小さなデイパック背負って写真撮りつつてくてく歩いた。
右側にちょっとした堤が作られていて松並木があるが、これも東海道の名残。
江戸時代の松並木は大半が第二次世界大戦の時までに焼失しているが、残っているところもちょいちょいあるようだ。
(松自体は新たに植えたものも多いと思うが)
そして小田原城の駐車場に到着!!!
ここでやっとレインスーツを脱げた!
気温もぐんぐん上昇し、特に渋滞道に入ってからはサウナ状態で大変だった・・・
小田原城の正門近くの駐車場は、大型バス専用のところと自家用車用のところ二か所あるのだが、バイクは大型バス専用駐車場の一角にあり、200円で一日停められる。
「どのくらいまわります?」
「きっと1時間くらい・・・あればまわれますよね」
「ゆっくり行ってきてください、駐車場は夕方閉まるまでずっと停められますから」
ボランティアガイドの方が、とても親切に対応してくれた。
そんなわけで小田原城。
東海道53次ウォークの時など過去3回ほど来ているが、実は夕方だったり早朝だったり、時間がなかったりで、天守閣に登ったことはいまだない。
せっかく晴れたし!
廃城で一度は取り壊されたけど、その後再建された小田原城。
青空に白い壁が美しく映える。
これを壊さなくてはいけなくなった時、地元の人たちはどれだけ悲しかったろう。
入ってビックリ。
中の展示も非常に凝っており、ちょっとした博物館以上。
島原城って高さ全国第三位だったのか。知らなかった。
そして一番上まであがり、外の風景を眺める。
風景写真だけの連続でもつまらないかなと、おばさんだけど頑張って今回は自撮りも積極的に行うことにしたんだが、なかなか難しいものだ・・・
小田原城を出た後、そのまま歩いてもうひとつのお城に。
東海道を歩いていて初めてここを見た時、「え、こっちにもお城???」と驚いたものだ。
ういろうの薬売りで有名なういろうの本店。
600年の老舗だ。
店内ではういろうはじめ季節の生菓子が売られており、入って左手奥には現代薬の販売コーナーも。
右手には和菓子がいただけるカフェが併設されており、小腹も空いたので入ることに。
女性スタッフが生菓子についてひとつひとつ説明してくれる。
どれも魅力的だったが、左下の「千草の花」にしてみた。
崩すのがもったいないような美しい芸術和菓子。
そして甘いものは疲れた体にたまらない。お茶とセットで600円。
再び小田原城の駐車場に戻ってくると、先ほどとか違うガイドの方がいて話しかけてくれた。
4月からボランティアガイドとして活動を始めたばかりという明るくて気さくなとても感じのいい女性。熊本城で同じくガイドとして頑張っている友人を思い出して懐かしくなった。
撮ってもらった写真がこれ。
その後Facebookでもつながらせてもらい交流している。こういうご縁って本当にいいなあと。
何より、一日バイクに乗って誰とも話さず走り続けているので、地元の方とちょっとでも話ができると一日のすごく大きな思い出になる。
小田原を出て熱海に向かう途中で立ち寄った鈴廣かまぼこ。
市内や箱根方面にもいくつかお店がある、お土産屋さんとしても有名なところ。
プチプラで買えるものもたくさんあるのが嬉しい。
夜のおつまみにと一個だけ購入したら、わざわざ保冷剤まで入れてくれた。
そこからの道が本当に気持ちがよかった!!!
熱海に到着。
左のちょっと先はお宮の松があるところ。小説「金色夜叉」の舞台だ。
海沿いの公演では熱海アロハフェスティバルが開催されていた。
県内各地からエントリーしたフラダンスのチームが次々踊りを披露。男性メインのチームもあった。
ランチ替わりのタコス。
ツーリング中はついつい途中で買い食いして太ってしまうので注意が必要だ。
これは城ケ崎。
高校生の時のひとり旅行以来30年ぶりだ。
あの時は伊豆急からバスで来たのだと思うが、まさか中年になってバイク免許を取得しツーリングで来ることになるとは、当時の夢見る女子高生には想像もつかなったこと。
でも考えてみたら、当時からひとり旅行派だったんだな。
やっていることは意外に変わっていないのかも。
ここが凄いのは、岩場も柵などなく、自己責任でぎりぎりまで崖沿いにいけること。
みな、完全に腰引けた状態で下を覗き込んでいる。
断崖絶壁に体当たりする波。
この時の純白と青色が、ずっと見ていても飽きないほどに美しい。
吊り橋。
小田原城ではうまくいかなかった自撮り。
よく考えたら自撮り棒を持っていたのでそれを使ってみたらまあまあいい感じ。
再び海沿いの見晴らしもいい道を走り・・・
この日は最後の最後まで絶景続きだった。
確か下に広がっているのは下田港。
そこに向かう下り坂の道は、右側に広い海が広がり、地上に吸い込まれていくかのような気持ちよさがある。
坂&カーブということで停まって写真撮れなかったのが本当に残念だ。
展望台を作ろうにもその場所もないので仕方がないが。
今晩のお宿は、仙人風呂で有名な金谷旅館。
ツーリングで最初の和風旅館だ。
部屋は専用階段であがるちょっと離れ風なところ。
千人風呂は40畳というものすごく広い浴室だ。
男性風呂だが、混浴対応しているということで、女性は脱衣所からタオル巻でそこに入っていくことができる。
実は夕方、ちょっと覗いてみようと入っていったのだが、たまたまその時間帯、女性風呂も中国人(台湾からの観光客かも)だらけで、千人風呂からも楽しそげな中国語が響いていた。泳いでもOKな珍しい風呂なのだ。
ところがタオル巻で木戸を開けて入って言った瞬間、そこから女性が出てくると想定していなかったのか、そもそも混浴を認識していなかったのか、単純に混浴に慣れていなかったのか、十人以上いた男性がみなびっくりした表情でこちらに注視。それまでの会話も停まってシーンとしてしまった。
いたたまれず、木戸から再び女性風呂に戻った私。
もともとちょっと覗くつもりでバスタオルを濡らしたくなかったのでそれでよかったのだが、なんとなくの敗北感。
夜少し遅い時間にもう一度チャレンジしてみたら、今度は奥のほうに男性ふたりがいただけで、何も問題なくゆっくり湯に浸かって千人風呂を堪能できた。
広くて、建物も風情あり、非常に心地良い。
日中なら日帰りでも利用できるので、伊豆半島に来ることがあったらまた寄りたい。