【16日目】明石焼きを食べ淡路島へ~島南東の沿岸ルートの日没に感動!
神戸で迎える朝!
どこか近未来的でもある神戸ハーバーランドからの景色。
ネットで調べ、この一角で朝食時限定のメニューが用意されているレストランがあると知りやってきた。
それがこの「Egg'n Things」。
港を見渡せる商業施設の二階で、ウッドデッキのテラス席もある。
これがアーリーバードとかいう名前だったと思うが、朝食限定メニュー。ちょっとわかりにくいが、卵焼きと分厚いベーコンの下にパンケーキが3枚入っており、奥に並べられているボトルにはメープルシロップ、コンデンスミルク、後もうひとつは何かのフルーツソースだったかな、自由にかけて食べるシステム。
このツーリング中、実は朝食は時折生野菜サラダを食べる程度だったのだが、ここだけは高カロリー摂取だ。
もう一度、手押しでクロスカブを移動させて記念撮影。
その後、どうやら海上埋め立てで作られた神戸空港は、クロスカブで行けるらしいことに気付き、長い橋を渡って向かった。
セントレアそして関空と、有料道路に阻まれ125cc以下のクロスカブは橋の袂から指をくわえて眺めるしかない事態が二度続いた。
遂に行ける!
長い橋のもっとも高い場所からは、湾内や埋立地も見渡すことができ本当に気持ちよかった。
神戸空港。
まあ、だから何って感じではあるんだけど。
帰りは神戸市内とその奥の六甲山が目の前に展開し、こちらもなかなかエキサイティング。
異人館通りなどを軽くバイクで通過して・・・
そこからは国道2号を走り西へ。
このあたりは山と海が接しているため、狭いエリアに鉄道と幹線道路が並行して走っている。そしてすぐ脇は海だ。
ちなみにこの国道2号。
大阪と北九州を結ぶ国道ということなので、次回の瀬戸内海沿岸ツーリングではきっと主として走る道になるのだろう。
そして明石大橋。
クロスカブでは渡ることができない橋だ。
あああ、あの橋を渡りたいなあ。
きっと気持ちいいだろうなあ~の図。
ここでTwitterを覗くと、淡路島在住友人からのコメントで、橋のたもとにある舞子公園というところが明石大橋の撮影スポットだという情報が寄せられた。
実は通り過ぎてしまった場所だが、それは行かねば!
再びの、明石大橋とクロスカブ。
あああ、あの橋を渡りたいなあの図その2。
明石と言えば明石焼き。
人気店らしい「本家きむらや」に行った。
淡路島にわたるフェリー「淡路ジェノバライン」乗り場からもすぐの場所だ。
元祖・本家などを掲げた人気店は、何かと従業員の客あしらいが酷かったりするものだが、ここは全く違った。店員さんみな笑顔で本当に丁寧。
遠慮がちに一人なことを伝えると、逆に申し訳なさそうな顔で「20個入りの1枚からになってしまうのですかいいですか?」と。
まあ食べきれなければ持ち帰ればいいので1枚を注文。
一個一個が小さいのでひとりでも食べられなくはない。まわりの2人で来ているお客さんたちは、最初店員さんのアドバイスで2人で1枚を注文していたが、結局あとからもう一枚を追加注文していた。
ふんわりした卵焼きにより近い明石焼き。
20年以上前、関西系都市銀行に入行した際の新人研修で一か月大阪滞在となった時、同期の中に明石出身の美人で性格もいい女性がいて、彼女の案内で休みの日、何人かで明石まで遊びに来たことがある。
それ以来だ。
その時に食べたものは、分厚いまな板のようなものに並べられた、もっと大きくて高級感もある明石焼きだったが、こちらはもっと庶民的。
お吸い物のようなものが入ったお椀が先に出されており、それに浸していただく。だし汁も美味しい。
他にソースと塩もテーブルの上にあり、そちらでも食べてみたがまた違った味わいで楽しめる。
「食べきれない場合、持ち帰ることも可能ですか?」と聞くと、すぐ笑顔でお持ち帰りセットを用意してくれた。
ちゃんとお出汁が入った容器まで。
ホテルで夜のつまみにしよう。
フェリー乗り場に向かうとあと2分で出港とのこと。流石に無理して乗り込むのもどうかと思い次の便にし、近くの明石天文科学館へ。
ここに何があるかというと、東経135度。
日本標準時の子午線だ。
床部分にラインがあるが、これが東経135度のライン。
この延長線上に最寄り駅もあり、そこの屋根にもやはり東経135度の線が記されていると、訪れたことある友人が教えてくれた。
漏刻という時計も作られている。
そして淡路ジェノバライン。
明石と、淡路島北部の岩屋港を13分で結ぶ。
便数も多いが、125cc以下のバイクを積み込めるのは「まりんあわじ」だけで1時間に1~2本。
実は明石大橋ができてそれまでの定期航路がなくなり、2015年9月に「まりんあわじ」に積み込みができるようになるまで、淡路島に125㏄以下のバイクで渡る方法はなくなっていたのだ。
●本日から淡路島へ125cc以下のバイクが船で渡れるよ|お出かけブログ 兵庫日帰り日記
ただ今でも、淡路島から四国側へは125㏄以下バイクではいけないので(大鳴門橋が越えられない)、今回も島を一周したら再びこの淡路ジェノバラインで戻ってこないといけない。
料金は人が500円、125㏄以下の原付バイクが450円だ。
バイクの固定にはこのオレンジ色の装置を使う。
実は初体験だ。
そんなわけで前が二輪のトリシティは乗船不可だ。
船内の席。
デッキの席。
奥で写真撮影しているのは欧米系の旅行者で、日本語表記しかない券売機の前で戸惑っていた時に「この500円のが一人分の片道切符だ」と教えてあげると、「ボートのチケットか?」と聞いてきた。
自分の中で「ボート」というと手漕ぎの小さな船のイメージだったので一瞬きょとんとしてしまい、「シップ トゥ アワジシマ」と繰り返し説明したが、きっとボートもシップも一緒だったんだろうな。
あっという間に淡路島。
これが初上陸だ。
神戸からもすぐの島なのに、外周道路には南国感も漂う。
そしていくつかある都市部には、家電量販店も大きなショッピングセンターも大病院もあり、かなりの都会だ。
淡路島在住の友人が東京にやってきた時、玉ねぎスープをもらって初めて知ったのだが、淡路島は玉ねぎで有名な島。
時間をかけて育てた大粒で濃厚な味の玉ねぎは、熟成期間も長く、味が全く違うそう。それに絡んだお土産物もいろいろ。
対岸が明石だが、こちらでもタコがとれるようだ。
もう営業終わってしまっていたが、近くに「吹き戻しの里」という、こうしたグッズばかり置いてある施設もあるとのこと。
これは一体?
乗船したのが15時のフェリーで、日没までにそれほど時間がなかったこともあり、島の東岸を走り、最南端の南あわじ市まで行くことにした。
割と大きなリゾートホテルの部屋を「20時以降のレイトインチェックイン」条件でリーズナブルに予約もした。
びっくりしたことにアミューズメント施設まであった。
ピサの斜塔、コロッセオといった世界各国の有名建築物のミニサイズのレプリカがあるそう。
温泉もある。
・・・ということは知っていたが、まさかこんな本格的な温泉地があるとは思っていなかった。
東岸の真ん中あたりにある洲本は、市街地を抜けてちょっと南下したところが、巨大温泉リゾートホテルひしめきあう温泉地になっている。
関東でいうと箱根や湯河原のようなところだ。
そこも抜けると、車通りもがらり減る。
洲本から南あわじへへは、島内陸部に幹線道路が走っていて、地元の人も観光客も基本その道を使うからだ。
そんなわけで、車通りもほとんどない島南東部の道。
いきなり現れたのが
「ナゾのパラダイス」
という手書き看板。
このあたりは海岸線ぎりぎりまで山が張り出しており、道もくねくね。
そこにまた登場する「ナゾのパラダイス」看板。
何度見たかわからず、どんどん気になっていく。
一体なんなんだ。
そしてようやくその答えがわかるところまで来たのだが・・・
テレビ探偵ナイトスクープでも紹介されたという「ナゾのパラダイス」は・・・
「本日は終了しました」
・・・。
なんだったんだ。
そこから先の道はさらに山の中。
鹿もぴょんぴょん飛び出してくる。
そしてくねくね。
やっと海沿いに出てきた頃には、夕刻となっていた。
まずいなあ、この街灯もない道で真っ暗闇になると、バイクのヘッドライトだけで走るのはちょっと怖いぞ。
しかも波が半端ない。
路面の状態でお分かりだろうか。
波がかなりの確率で、脇のコンクリ柵を乗り越えて道に覆いかぶさるのだ。
大きな波じゃない場合も、常時波しぶきが道路の上に舞い散り、吹いても吹いてもヘルメットのシールドは水滴だらけとなってしまう。
こんなにもダイナミックな沿岸ルートは初めてかも。
バイクも自分も海水浴びまくった。
波もすごい。
今考えると、ちょうど満潮の時間帯でもあったようだ。
休館日だったが、モンキーセンターも。
なぜだか唐突に現れるクレーン設備。
気付けば山の向こうの空が神秘的な薄紫色のグラデーションになっていた。バイクを停めてこんな写真を撮っている場合ではなく、暗くなる前に一分でも早く市街地に入るべきとわかりつつ、撮らざるを得なくなる自分。
ああ、美しすぎる。
もし島の西側のサンセットロードにいたら、もっとすごい夕焼けを見れたのだろうか。
いや、島のシルエットがあるからいいのかもしれない。
今回のツーリングで最高の夕焼けだ。
そして最後、Googleマップの誘導ミスもあり、路面もかなり悪い山道をがたごと走って南淡路ロイヤルホテルへ。
チェックインの20時より1時間も早くついてしまったが、フロントに荷物だけ預かってもらえるかと聞くと、部屋に入っていいですよと。ラッキー。
特別価格の5,800円なのだが、部屋は広い。
ベッドが2つにエクストラベッドもあり、さらに靴を脱いであがれるところには2人分の布団も敷けるようになっている。
家族4~5人で泊れる部屋だ。
プールも。
かなり高台にあり、オーシャンビューの部屋だが、残念ながら真っ暗なので遠くにぼんやり灯りが見える程度。
地下一階には大浴場があり、
露天風呂もあった。
ツーリング中の身として嬉しいのがコインランドリー。
しかも洗濯・乾燥それぞれ100円とリーズナブル。
行程は残り少なくなっているが、ジャケットにデニムまで全部洗った。
利用はしなかったが、お食事処も何か所かあった。
淡路島玉ねぎを使ったおつまみに惹かれる。
観光案内所でもらったパンフレットには「たまねぎ小屋」の写真と解説もあった。6~8カ月かけて育てた玉ねぎを、この専用の小屋につるし自然の風でゆっくり乾燥熟成させるのだという。
どこかで見れるだろうか。