最初に「このケースに入る分だけ」と決めてしまう
ひとつひとつのモノには、それなりの思い出がつきまとうので、捨てないで済むなら捨てたくない・・・という強い願望との都度戦いになってしまう。
そんな時には発想の転換。
× 不要なものを捨てる
○ この箱に入る分だけ残す
不要だから捨てるのではなく、旅行の時の荷づくりと一緒で、「この箱に入る分だけを残す」と考える。
旅行の行き先は、温泉だったり海外だったりするけど、今回の旅の行き先は、自分の今後の人生だ。そこに持っていくことができるものは有限。
例えば上の写真なら、収納ケース3つ分の荷物があるんだけど、
それを1箱もしくは2箱にする。
そこに入りきらないものは処分。
「不要かどうか」ではなく「必要なものは何なのか」だ。
そうやって考えながら作業すると、
半減はそんな難しくなく、かなり荷物を絞り込める。
ふと思い出すのは、高村薫の「神の火」だ。
そうして数え始めると、残された人生の伴侶にする本を数冊選ぶという行為が、いかに無謀で困難な行為であるかにあらためて気づかされ、愕然となった。いや、数冊の本を選びとるという行為は、残りのすべての本を捨てていくことが困難なのではなく、選び取ったほんの数冊に人生を託すという意味で、残り時間が限られたものであることを意識することが困難なのだった。それをしなければならないときが来たよと、江口は暗に島田に言ったのだ。(高村薫「神の火」(上)より)
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