卵が孵化して、ちっちゃな黄金色の雛が二羽!
2012年7月12日
その日は朝から雨で風も強かった。
ビデオカメラ濡らしちゃいけないのでビニール越し撮影。
抱卵当番は父鳩。
身体を少しこわばらせながら卵を温め続けていた。
ところが雨がやみ、強い日差しが差し込んできてしばらく経った時のこと。
ベランダの様子をUstream越しに映し出している液晶モニターの中で異変が起きた。
父鳩が、肩をゆすり首の周りの羽を膨らませて、頭をしきりに上下に動かしている。
「何が起きた?」
慌ててUstreamを録画モードに切り替え、画面を見守った。
▼録画映像(2012年7月12日)
げぼげぼ何かを吐き出しているような動作を繰り返している父鳩の様子が冒頭から見えるだろう。その後50秒時点あたりで、ポトスの葉っぱの間から、肌色の小刻みに動く物体がちらちら見えるはず。
雛だ!孵化したんだ!!!
↑ここのポトスの葉っぱの間。
↑拡大してみたの図。
とにかく小さい。
うずらの卵サイズに収まっていたのだから当然だけど、明るい肌色でベーコンの切れ端がくちゃっと丸まったような感じ(うちでよくインコが孵化していたので雛は見慣れている)。でもピチピチと体を動かして、親から与えられたミルクを飲んでいる。
じーん、感動・・・!
その後、母鳩が帰ってきた。
卵がいきなり雛になっていたら驚くかな?とも思ったけどそんなこともなく、手際よく夫と交代すると同様にミルクを吐き出して雛に与え始めた。
よく考えたら鳩は生後数か月で繁殖をはじめ、寿命は10年以上。
このカップルも、子育て初めて夫婦ではなく、むしろ肝っ玉母ちゃんなのかもしれない。
▼Ustream動画・ベランダ鳩20120712(孵化直後/交代シーン) (2012年7月12日)
動画を大画面で見る
こちらの映像は、母鳩交代直後。
生まれたての雛の様子がよくわかる。途中で、母鳩の胸の下から顔をだしてすやすや眠っていたりも。
確信はないが、この時点では恐らくまだ、孵化した雛は一羽だけだったと思う。卵を寄せるようなしぐさもしていたので。
そして翌13日。
巣を覗きこむと、雛は二羽になっていた。
初めて見た鳩の雛は、黄色いというか黄金色の産毛に包まれていてきれいだった。まだ目は開いていないようで、宇宙人のような顔をしている。
卵の殻もまだ巣の中。
邪魔じゃないのかなあ、刺さって痛くないのかしらん・・・といろいろ心配にもなってしまうが、一切の手出しは不要。見守るのみだ。
そして親鳩は頻繁に首を膨らませて全身をゆすりながら吐き出し、雛にミルクを与えていた。
今回初めて知ったのだが、鳩は孵化後数日間、「ピジョンミルク」という特別なミルクを脾臓から出して雛に与えるのだという。
ミルクで子供を育てる鳥がいたとは知らなかった。
一年中繁殖期な理由もここにあるという。
▼録画映像(2012年7月13日)
孵化直後の育児疲れなのか、かなり眠たそうな母鳩。
ピジョンミルクを雛に与える数日前から、食事も断つんだとか(エサがミルクに混じらないよう)。
20分50秒時点あたりまでスライダーを進めると、卵の殻の影から雛の姿がちょろっと一瞬見える。
▼録画映像(2012年7月13日)
より雛の姿がはっきり見えるのはこちらだ。
12分25秒あたりから、胸の下で雛がうごめいているのが見える。
そして16分時点で、母鳩が立ち上がり、一時的に巣から離脱する。父鳩が近くに来て交代の合図を送ってきたためだ。
親鶏がいなくなった巣には、黄金色の雛が二羽。
お互いに嘴でつつきあいながらくたっと巣の上に横たわっている。何とも愛らしい。
しかし、こんなかわいい瞬間は・・・
実に一瞬だった。
岩手県の津波被災地・陸前高田市での漁業支援ボランティアに参加するため、6月13日(金)夜から16日(月・祝)の夜にかけ留守にした。
戻ってきた翌朝巣を見たのは、既に孵化5日目が経過した時。