<小型バイクでツーリング>北海道一周沿岸ツーリング記

<小型バイクでツーリング>北海道一周沿岸ツーリング記

<小型バイクでツーリング>北海道一周沿岸ツーリング記

赤いクロスカブ(110㏄)に乗って残暑の関東を脱出し真夏の北海道へ!バイク歴1年半の初心者ライダー(♀45歳)が、北海道沿岸ルート約3,000キロを2週間かけてのんびり走ってきました。
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<7日目・後編>稚内→礼文島~ダート道で転倒し大苦戦するも絶景ロード、そして伝説のユース・桃岩荘へ

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稚内から2時間もかからず礼文島に到着。
天気は今ひとつで、隣島の利尻富士も見えないが、雨が降っていないだけよしとしよう。

▼北海道一周ツーリング<7日目・後半>礼文島(4分29秒)

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ガソリンスタンドで給油し、その後知人に強力におススメされた伝説のユースことユースホステル桃岩荘に電話を入れると、なんと空きがあった!普通の宿とはちょっと違う・・・ということで、電話で「ミーティング」なるものの説明や消灯時間といったルールを説明され、承諾して予約だん。

その後、ガイドブックに載っていた漁協直営のレストラン「かふか」へ。

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頼んだのは一番人気のホッケちゃんちゃん焼きセット、活ウニ付き。

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ホッケと言えば一夜干ししか食べたことなかったので、生ホッケは初。ふっくら柔らかく、みそとネギを乗せて食べると甘さ感じるほど脂ものっていた。

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活ウニは、ぱっくり割れているにもかかわらず、いつまでもその棘が動き続け、皿の上でも移動していた。身はそれほど多くなかったが、海水の塩分なのかちょっとしょっぱくて甘いそのねっとりした味は忘れられない。

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美味しいランチに満足した後、島の北端に向けて走り始めた。

高い木は生えないのだろうか。
丈の低い草に覆われた山は、その形も露わ。

島内のウォーキングコースを歩くと、たくさんの花を楽しめるそう。特に初夏が種類も多くおススメとのこと。

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最北端の岬へはこんな開放感たっぷりの道。

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岬に立つと不思議な看板。
民家?

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覗き込むと本当にあった!
民宿になっているそう。

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礼文島最北端のスコトン岬。
ここはもともと最北端とされてきたが、測量制度があがった結果、宗谷岬のほうがわずかに北に位置することがわかり、最北端の地位を奪われてしまった悲しい場所だ。

で、落ち着いたのが「最北限」という、ちょっとよくわからない冠。

「最北限ってなんだよw」と観光客に突っ込まれ、やっぱりちょっとかわいそう。

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スコトン岬の近くには「FIELD INN 星観荘」というペンションがある。
ガイドブックでも紹介されていたが、居間から日本海に沈む夕日を見ることができ、まわりに何も明かりがないのでその名の通り星空観測にも絶好のロケーションらしい。

いつか停まってみたい。

さて。
事件はこの後起こった。

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スコトン岬から日本海側を南下すると、道が二手に分かれていた。
右側には「澄海岬」とある。

確かガイドブックに載っていたよな、公募で名前を決めた青い海が美しい岬だったはず。食堂もあるって書いていなかったっけ。そっち行ってみよう。

そう思ったのが運の尽き。

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入ってすぐのあたりからダート道になったが、土でかなり固められた走りやすそうな道なので、このくらいなら問題ないかなと思ってしまった。割と坂がきつめなのと右側がすぐ崖になっているのはちょっと不安だったが、道幅もあるのでゆっくり走れば別に大丈夫だろうと。

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問題個所はここ。
右は左にカーブしていて、その先が見えなかった。

スピードをさらに落として走っていったところ・・・

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カーブ曲がったところがびっくりするような急坂。
しかも左側の斜面が崩れたらしく、地面は堆積した土。

ダートといっても砂利道くらいしか走ったことない初心者の自分がこの急坂・崩れ土の道で耐えられるはずもなく、滑るように右側に流れていってしまった。さらにバランス崩してアクセルまわしてしまい

「やばい、崖に突っ込む!」

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とハンドルを左に切ろうとしたところで、バランス完全失墜。

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そのまま倒れ、土の斜面をバイクごと滑り落ちてしまった。

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いやー、まじ怖かった!!!

でも大変なのはこの後。
写真だとあまり伝わらないんだけど、実はかなりの急坂。

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バイクを起こそうとすると、前ブレーキ握っていてもずるずる滑って前に進んでしまう。足場も安定しない。荷物も重たいのだが、この時はそれを取り出すという発想はないまま、無理な姿勢で必死に引っ張りあげながら起こした。

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サイドスタンドもかけてやっと安定。
いやー、しんどかった。

しかしここからが問題だ。
戻りたいのだが、さっき滑った曲がり角部分は土が崩れていて、また同じことになってしまいそう。そもそもこの急坂で方向転換できる自信がない。

地図を見てもよくわからないし、携帯電波もつながらない。

ただ海沿いには小さな集落がある。車も停まっている。
きっとこの道を下りていけば、あの集落にでて、車が走れる普通の舗装道路でどこかに出ることができるだろう。

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そう思って再びバイクに乗り走り出したのだが・・・

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二度目の転倒。
やっぱり初心者にはちょっと難易度高かったぽい。

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今回も起こすのに一苦労。

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何より、短時間で二度も転倒した精神的ショックが大きかった。

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そんなわけで、ここからは大人しくバイクを押して下っていくことに。

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真ん中だけえぐれたように深くなっている砂地。
歩く場所が少し高いので、かがみながら押してゆくのもかなり疲れる。

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そのうち道がどんどん細くなっていき・・・

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遂には道なき道に。
澄海岬って標識、あれはなんだったんだwww

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そして降りきったところで衝撃の事実を目の当たりにする。

「まさか行き止まりとは・・・!!!」

集落の道はすぐ下に見えるんだけど、その間には道はない。
人間だけなら伝い歩きか飛び降りて越えられなくはないけど、クロスカブと一緒は絶対に無理だった。

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まぢか・・・戻るしかないのか・・・

足場悪い中でのUターンで再び倒してしまい、さすがに今度はもう力もなく、箱の中の荷物をいったんすべて出して起こすことになった。

そしてエンジンかけて上っていった。
ココロもちょっと折れて、この間はGoPRO写真撮影もなし。

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最後の難関・急坂はどうやっても倒さずに上ることができず、結局荷物をすべて降ろし、バイクだけを押して上がった後、戻って自力で荷物を運びあげた。

カーブの先がこんな道になっていたとは。
見えなかったら一度停まって降りて歩いて確認すべきだった。

それが一番の反省点だ。

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なにはともあれ、無事に元いた場所まで戻ってこれたのでよしとする。
全身筋肉痛だけど。

あらためて標識を見ると、斜めに「車の通り抜けはできません」と書かれていた。

通り抜けできないどころの話じゃないだろう・・・

さらに左側の標識にも「澄海岬」の文字があったことに、この時初めて気づいた。

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こっちだよ、こっちの道だよ来たかったのは。

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30分以上ダートで苦闘した後なだけに、舗装された高台の道の美しさと走りやすさが身に染みた。

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記念撮影。

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ちなみにここが「江戸屋山道」。
ガードレールも電柱もない丘の上の道は「国内屈指の絶景ロード」とガイドブックにも書かれていた。

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市街地に戻ると、この日はちょうど地元のふるさと祭り。
メインストリートの中央に長テーブルがつながり、両脇に出店が並んでいた。

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巨大な帆立は300円。

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びっくりするような厚みで、中は生!

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ウニ焼きも、こんなたっぷり乗って500円。

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涙出そうなほど美味しい。
生きててよかった。

バイクさえなければ、ビールに日本酒買って海の幸食べまくりたいところなんだけど、そうもいかず。

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市街地から西に向かい、トンネルを越えて対岸のユースホステル桃岩荘に。

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桃岩荘は日本海側の、他に集落も何もないところにぽつんと建っている。
背後には高い山。

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番屋を改装した建物なのだとか。

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写真左端に写っているのが多分桃岩だと思う。

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前は海。
残念ながら雲が厚く、今回も夕陽はココロの目でしか拝めなかったが、バイク転倒以来ちょっと過剰分泌されていたアドレナリンが静まってゆく、そんな穏やかな風景だ。

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入ってすぐの広い共有スペースには囲炉裏も。

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部屋は男女別の相部屋。
お盆直前でかなり混み合っていた。

そして名物のヘルパーの超ハイテンション館内案内。

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夜はこちらも名物のミーティング。

昭和のユース全盛期のころと全く同じスタイルで続いているそうで、何十年も前に来た事ある人にとってはタイムスリップしたような気持にさせてくれるとのこと。

とにかく一度生で体験すべき場所。
私もそうしたが、事前情報は仕入れず、先入観も持たずに行ったほうがいい。

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なので私も詳細は書かない。
まああれだ、ぜひ行って直接体験してみてほしい。

▼北海道一周ツーリング<7日目・後半>礼文島(4分29秒)