<8日目>礼文島→利尻島→稚内~利尻でウニ堪能&ライダーハウス「漁師の店」がすごい!
伝説のユースことユースホステル桃岩荘で、ヘルパーと滞在ゲストの豪快な見送りを受けて出発。利尻島行きのフェリーまではまだ時間もあったので、前日時間切れで行けなかった礼文島南部をツーリング。
▼北海道一周ツーリング<8日目>利尻島(3分19秒)
海沿いの集落突き当りの地蔵岩や・・・
掘削途中のトンネルなど。
南端には「北のカナリア」撮影舞台となった学校も残されていたのだが、バイクで直接行くことはできなそうだったので今回は見送り。
市街地に戻ってくると、稚内行き一便が出航するところだった。
ここでも、ヘルパーと長期滞在者中心にしたゲストが、歌と踊りで盛大なお見送り。
これ自体が観光名所になっているようで、ユースに宿泊していない観光客もまわり取り囲んでビデオや写真を撮っている。スタッフだけじゃなく宿泊者までが月光仮面の唄に合わせて踊る風景を見て、いったいどんな宿を想像するのだろうか。
時間もあったのですぐ近くにある郷土資料館へ。
ここの展示物なかなか面白かったので、礼文島にいって時間余った人はぜひ行くべし。縄文人の衣装を着て記念撮影することもできる。
というか、そんな時代にこの極寒の島に人が暮らしていたんだ!!!その事実にびっくり。氷点下の冬季を一体どうやって生き延びたのだろう。それとも今より気温高かったのかなあ。
そして「隣島」こと利尻島行きのフェリーに乗船。
いやー、また絶対に帰ってこなくちゃって気持ちにさせられます。
「なんだかすごいですね」
と、他の宿に宿泊した観光客。
どのくらい滞在したのですかと聞かれ、一泊だけですと答えたら驚かれた。なぜたった一泊で船の上でもみなで踊って歌って「帰ってくるよー」と声を揃えて叫ぶほどに"洗脳"されてしまうのかと。
確かに(笑)
礼文島に一泊してしまったので、利尻島は日帰り。
ぐるっと一周すると50キロくらいになる。
島の中央部は利尻富士がそびえ山岳地帯になっているので、島の見どころも主に海岸沿いだ。
礼文島より島の規模は大きく、集落もいくつもある。
建物は海風にさらされてなかなか年季入った外観のものも多かったが、"北の離島"に対して自分が抱いていたイメージとは異なり、とても明るい印象を受ける島だった。
島南部の海沿いから裾野美しい利尻富士全景をぱしゃり。
・・・といきたいところだが、雲にすっぽり隠されて影も形も見えず。
道道106号線を走っている時もまったく見えなかったので、せめてここでは一目拝みたかったのだが。
お土産屋さんに入ると、入口に一羽のカモメ。
「なんか覗いていますよ」
「オットセイがいない間のマスコットとして活躍してくれてる子なんですよ」
オットセイ?
見ると、店の一角に「オットセイのエサ 100円」なんて張り紙があった。
カモメも食べるとのことだったので購入すると・・・
魚2尾をぶつ切りにしたものが入ったお椀が渡された。
よく遊覧船なんかで売ってるスナック菓子的なものを勝手に想像していたのでちょっとびっくり。
目つきあまりよろしくないカモメは、丸飲みしてくれた。
ここでは、海中に漂う昆布を間近で見ることができる。
島の東側では南浜湿原や
オタトマリ沼、
そして北海道土産といえばこれ!な「白い恋人」のパッケージに描かれている風景が見える場所、「白い恋人の丘」。ここでプロポーズされたカップルにはプロポーズ証明証が進呈されるんだとか。
しかしあれだ。
どのスポットも、肝心の「利尻富士」がすっぽり隠れた状態では価値半減。
やはり利尻島ももう一度リベンジで来ないとだなあ。
島の東側には青空が広がっているんだけどね。
姫沼を経て、島の北東にある市街地へ。
フェリー乗り場もここにある。
実はこの日、地元のお祭り「ウニウニフェスティバル」が開催されていた。
前日は礼文島で「ふるさとまつり」があったが、お盆で多くの人が帰島しているタイミングだからなのだろう。
たまたま友人の娘さんが大学夏休みを利用して利尻島でボランティアをしており、このフェスティバルにも参加するということで知った。
タコ、でかっ!!!
そして網の上で焼かれているのは馬糞ウニ。
漢字で書くとあまりにあまりなネーミングだ。
まずは「ミニうに丼」をいただき・・・
次に活ウニ。
一個たったの300円。
注文すると、その場で水中から一個すくいあげ、まな板の上で割ってくれる。
そんな鮮度なので、食べる時も棘が動いているどころか皿の上で移動してしまうという・・・
中身たっぷり!
海水の塩分が加わってねっとりとろり濃厚な味。
地元の人たちは真ん中の塊だけ食べてどんどん殻を捨てていたが、こんなウニ滅多に食べられない余所者の自分は、隅っこに残ったかけらまで真剣にかき集めて食べきった。
でも本当においしかったのはこっち、馬糞ウニの網焼きだ。
かなり大きく、身も厚い。
ほくほく甘い。
食べた後に殻を見ると、緑色のものがかなりたっぷり。
ちょっとつまんで食べてみたがきっと昆布なのだろう。
この後もう一個活ウニをいただき、会場を後に。
そうそう、ボランティア活動中の友人娘さんとも対面できた。
北の離島で仲間と一緒に過ごした夏は、一生の思い出になることだろう。
フェリー乗り場の近くにはこんな丘もあり、登ることができるようになっている。
前日礼文島のダート道バイク転倒事件で筋肉疲労を起こしていたので登りはしなかったが、なかなか展望よさそうだ。
そして稚内行きの夕方便に。
「利尻島から稚内に向かう夕方のフェリーに乗って、日没時に船上から利尻島を振り返ると、利尻富士のシルエットが夕焼けの中に浮かび上がりそれはもう見事」
とのことだったけど、それもココロの目で。
このフェリーでは貴重な出会いがあった。
ベテランのカブ乗りライダーだ。
今回北海道ツーリングで逢えたらなと思っていたのが「カブライダー」。
北海道ではカブに荷物積み込んでロングツーリングしている人がたくさんいると聞いていた。実際、稚内にくる途中何度か見かけたことはあるが、話をするようなシチュエーションはなかった。
利尻島フェリー乗り場で出会った方が乗っていたのは、カブプロことスーパーカブ110プロ。新聞配達などプロ仕様のスーパーカブだ。
フェリーの中で、カブについていろいろ教えてもらった。
ヘッドライトの交換や、ギアチェンジのことなどずっと知りたかったことについても詳しく説明してもらい、いろいろすっきり。
その後も、Facebookのメッセ等で、チェーンやオイル交換のことなどアドバイスももらい感謝。勝手に「カブ先輩」と呼ばせてもらっている。
それにしても・・・積み込んでいるなあ。
利尻島を17:10に出航したフェリーが稚内に着くのは18:50。
下船したら19時を越えていた。
夜間走行は、日常でもほぼやらないので、稚内市内とは言え暗い道を走るのはちょっと怖い。
それでも何とかノシャップ岬のちょっと手前にあるライダーハウス「漁師の店」に迷わず到着した。建物の前にはたくさんのバイク。しかも大きいのだらけ。
自分のクロスカブを並べて停車すると、何やらちょっと場違いな感じがしてしまい、そうなると自分自身も少々浮いている気がしてしまうから不思議だ。
ちなみにこれは翌朝撮影した写真。
一階が店舗と食堂(左側)になっていて、二階がライダーハウスとして宿泊できるようになっている。
中は広い畳敷きの部屋で、布団も大量に用意されている。
この日はお盆シーズンで、敷いた布団の隙間がほとんどないほどの密集度だった。
その中で女性は自分ひとりだったので、一番奥の、カーテンで仕切れる「女性用」と書かれたスペースをひとりで使わせてもらえた。布団3枚は敷けるだろうスペースなのに申し訳ない気持ち。
壁にも天井にも、このライダーハウスとオーナーさんへの感謝メッセージや北海道ツーリングの感動、旅への思い、人生観などたくさんの書き込みが。
リピーターも多いようなので、自分の過去の書き込みを懐かしく(あるいは赤面しながら)読み直している人も多いんだろう。
このライダーハウスがすごいのは、宿泊費2,500円なのになんと二食付き。
しかも時期と漁の成果次第ではあるが、こんなゴージャスなうに丼が食べられることだ。
惜しげなく盛られた肉厚のウニ。
稚内でも利尻・礼文島でも、他で食べたらこれだけで3,500円はくだらない。
食堂も併設されていて、宿泊しなくても食事ができるのだが、ここは本当に良心的な店で、うに丼は1,700円と書いてあった。これに朝食もついて宿泊費2,500円なので、実質、宿泊にはお金をとっていないという感じなのかもしれない。
さらに夜はオーナーさんが日本酒とおつまみを持ってあがってきて、皆で宴会。何という太っ腹。そんなオーナーさんへの宿泊者の敬意も伝わってくる。この人に会いたくてここに立ち寄るライダーも多そうだ。
ウクレレ持参で自転車でまわっている人もいた。
キャンプ場で夜弾いたりしているそう。
格好いい!!!
翌朝の朝食。
準備を済ませ、発信しようとしたその時、軽トラが一台やってきた。
朝の漁を終えたオーナーさん。
「今晩またたっぷり食ってもらうためのウニ」が荷台に満載されていた。
いやー、こんなの見たら連泊したくなっちゃうよ。
稚内に行ったら、また絶対に泊まりたいライダーハウスです。
▼北海道一周ツーリング<8日目>利尻島(3分19秒)