大分なのに愛媛街道・佐賀関?~入り江連なる日豊リアスラインを走る
大分市内の小さなビジネス宿で破損したGoPROケースを直し、ヘルメットのシールドも新品に交換し、懸念事項もなくなりすっきり!
朝いちで、大分市内在住の、Facebook通じて長らく交流をさせてもらっていた方とホテルロビーでお会いした。実はこれが初対面。1時間ほどだったけどいろいろお話もでき、本当によかった。こういう機会でもなければ大分まで来ることは滅多にないので。
大分なのに"愛媛"街道・"佐賀"関?~佐賀関漁港で関あじ定食
そこから西に向かい、関さば・関あじで有名な「佐賀関」へ。
別府から大分市までの日向街道も太くて高速並みのスピードの車がびゅんびゅん走る道だったけど、大分市から南下する産業道路もなかなか。そして愛媛街道に。
「なんで愛媛街道っていうと思います?」
ホテルロビーでお会いした大分市内在住の方に教えてもらって初めて知ったんだけど、この愛媛街道こと国道197号は、大分県大分市と高知県高知市をつなぐ、海上ルートも含む国道。大学時代に夏合宿で歩いた佐多岬の道もその一部だそう。
しかし冷静に考えて、なんで航路までを含めて一本の国道扱いにしようと考えたかなあ。一番最初の案件ではきっと、「そんなことしたらいろいろややこしくなる」と反対した人がいた気もするんだけど。
そんな海上国道は、2009年時点で27路線あるんだとか。
もっとも有名なところでは、鹿児島から奄美諸島を経て沖縄へ至る国道58号だろう。
海沿いに建つ「道の駅さがのせき」でも、関あじ・関さばが食べられる。道の駅としてはこぶりだが食事メニューは充実。
でもせっかくなので、ツーリングマップでも紹介されている「関の漁場」まで行くことにした。
それにしてものどかな風景。
波もなく、海の色が本当にきれい。
遠浅で、かなり先まで歩いていけそうだ。
「関の漁場」は佐賀関漁港に隣接したお店。
店内はカウンター席と窓際のお座敷席。
窓からは漁港と湾内が見渡せる。人気店らしいし1人なのでカウンター席座ろうとしたら、お店の方が非常に愛想よく、どうぞ広いところにお座りくださいというのでお言葉に甘え。
ただし関あじも関さばも、お値段がなかなか・・・。
(これでも他と比べるとリーズナブルらしい)
さすがにランチで2,300円は高すぎるなと、一番安い「関あじ焼定食」を指さして注文したつもりだったが、よく考えたら口では「関あじ定食」と言ってしまったようだ。その後復唱されたのもそうだったので。
ツーリング中のランチとしては最高金額だろう関あじ定食。
写真を撮っていたら、料理長さんがカウンターの中からそれを見て
「お客さんちょっと待った!」
もしや写真撮影禁止?とか思ったらそうではなく、「関の一本釣り関あじ」シールを持ってきてくれた。これが本物の関あじの証拠なんだとか。確かにこれだけ値段が違うものだと、本物か偽物かというところが問われるわけだな。
こりっと身もしまって、美味しゅうございました。
ちょっとというか、かなり予算オーバーだったけどまあ、しょっちゅう来れるところじゃないしね。
海にダイブ!?スリルのある道~関崎・海星館
そんな贅沢ランチの直前、実はちょっと面白い道を走っていた。
お店に着いたのが10時半頃だったため、開店までの時間つぶしに先端の関崎灯台まで行ってみることにしたのだ。
ツーリングマップに「海にダイブ!?ちょっとスリルのある道」とあったのが気になったが、走って納得。
わお!!!
こういうのが本当の「沿岸ルート」だよね。
カーブも多く幅も狭いので、わき見運転なんかしていたら簡単にダイブできちゃいそうだ。
山側はネットなどで落石防止した急な崖。
崖沿いを道路幅分だけ埋め立てて道を作ったということなのだろう。
写真撮っていたら、波しぶきが車体にかかってしまった。灯りもなく夜は確実に真っ暗で"ハンドル切りそびれたら危険"な道だと思うけど、この先にも普通に集落があったので、きっと地元の人は夜もここを走るのだろう。
その後は急なアップダウン道。
関崎までの道はなにげに楽しい。
海に面した天文台。
なぜこんなアクセスしにくい場所に作られたのかはちょっと不思議。
沖合に見える島影は、実は島ではなく四国の佐多岬先端。
九州の大分と四国の間の海峡は豊後水道で、その中でももっとも狭い場所がここ、関崎と佐多岬の間でわずか14キロだそう。
1989年、大学一年生だった自分はサークルの夏合宿で佐多岬を確か5日間歩き、最後に到達したゴールからは九州が見えた。九州は訪れたこともない場所だったので「いつか行ってみたいなあ」と眺めていたっけ。40代半ばになりまさかバイクで対岸をひとり走っているとは想像もしなかったよ。
帰途も同じ道を。
対向車きたら左側によけなきゃいけないんだよな・・・と思うとちょっと緊張。
もちろん大部分の道はちゃんとガードレールがある。
あるといっても、ガードレール側にぶつかったらきっと、乗ってる人の身体だけは海にダイブすると思うけど(笑)
臼杵の武家屋敷通りに佐伯「海の市場まる」
関あじを堪能した後は、ひたすら海沿いを南下。
他の車もほとんど走っておらず、海岸線に沿った走りやすい道で快適!臼杵湾ごしにこれから向かう先まで見渡せる。
そして臼杵へ。
地図でここに武家屋敷群があることは知っていたものの、それ以上の知識がゼロだったので、まずは観光案内所にバイクを停めた。
と、バイクを停めた隣でタバコを吸っていた男性と旅の雑談に。なんでも単身赴任で大分の日田にきていて、今回復興クーポンを使ってあちこちお得に旅しているんだとか。私も別府で美味しい思いをしたばかりだったので、その話で盛り上がった。
「ここもすごいよ。有料の博物館とかに一か所でも行けばもれなく2,000円分のお食事クーポンもらえるって」
「まぢですか!!!」
「うん、まぢ」
観光案内所に入るとまさにそのポスター。
条件は街の中にある有料の観光スポットをどこか一か所訪れることだけど、その入場料は安いところなら200円台。それで2,000円分のお食事クーポンがもらえてしまうなんて、これまた大盤振るいすぎ。通常の観光促進キャンペーンではありえないので、これも復興支援資金なのだろう。利用した人にとってはラッキーだが、税金投入としてこれでいいのかなあとやはり思ってしまう。
武家屋敷群エリアは期待以上に風情ある街並みが広範囲にわたって残っている。
容赦ない暑さだったため、歩いて回っている旅行者は少なかったが(数分で汗だくになる)、石畳の両脇には古い建物が並び塀ぶ。明治維新の後、政府軍と薩摩軍の戦いの舞台にもなった場所だそう。幸い軍需工場などがなかったため、第二次世界大戦の際には一部地域を除いて空爆被害からは免れたとのこと。
そこから山越え山越え。
トンネルもたくさん!
津久見市と佐伯市にまたがる細長い四浦半島の道はツーリングマップによると「入り江をつなぐ豪快な起伏路」とあったが・・・
豪快どころか喉からから。
それでも、木々の間からちょこちょこ顔をのぞかせる入り江の海の色を見るとテンションがあがった。
バイクも自分もちとヒートアップしすぎたので、海水浴場でかき氷など。
夏してます♪
佐伯では、「さいき海の市場○」という巨大な物産館に。
洗濯物干しに吊るされたイカ。
細い竹串で横に広げられている。
海産物だけでなく、野菜なども売られていた。
夜はキャンプ場だったので、つまみ替わりにこんなものを。
ちりめんまぶしたクッキー的なものも。
海産物を使った甘いお菓子というのはなかなか新鮮で、食べてみたら結構いけた。
入江を走る日豊リアスライン(国道388号)~波頭津海水浴場キャンプ場
佐伯からはちょっと内陸部をショートカットし日豊リアスラインへ。
日豊リアスラインこと国道388号は、大分県佐伯市から宮崎を経て熊本に至る200キロ超の道で、走ってみるとなかなかどうして「国道といってもいろいろなんだなあ」と思わせてくれる道だ。でもWikipediaの記述を読むと、このあたりの道の状況はむしろいいようだ。
上の写真は入り江で睡魔に襲われ、「このまま走るとまずいなあ」と自販機を見つけてそこで休憩した時のもの。
リアスラインという名前からもわかるように、海岸線は複雑に入り組んでいて、漁港周辺をのぞけばほとんど山の中の細い道だ。馬力のないクロスカブでは息切れしそうな傾斜の場所も。
それでも上がり切った後や木々の合間から海が見え、美しい海岸線が顔を覗かせる。
目まぐるしく変化する風景の連続で、走っているだけでうれしくなり、テンションもあがる。
やっぱり沿岸ツーリングは楽しい!
そして見えてきた白砂ビーチ。
ここが今回のツーリングで最初のキャンプをする、白砂青松100選にも選ばれた波当津海岸のキャンプ場がある場所。
ビーチには何組かの家族連れ。
白砂ビーチからは松並木で隔てられた細長いキャンプ場が今夜の宿。九州一周ツーリングで最初の野営地だ。
さっそく設営。
テントはモンベルのクロノスドームII型。東日本大震災のボランティア参加時に購入したものだが、昨年からツーリングに持参するようになった。1~2人用だけど、実際は2人だと厳しい。2.4キロと軽く、女性ひとりでも簡単に設営でき早ければ所要時間5分ほど。細部まで作り込まれていて非常に使い勝手いい。
自分以外で宿泊したのは複数家族キャンパー1組で、他は夕方には撤収となった。
ソロキャンプだと、たとえ1組でも他にいてくれると安心だ。
波当津海岸のキャンプ場は、公営でキャンプ場自体は無料だが、日中地元の人がここを管理しており、その人に駐車場利用料を支払う必要がある。バイクの場合500円の2日分(宿泊の場合)で1,000円。これが実質的なキャンプ場利用料ということなのだろう。
トイレの一角にはシャワーもあり、炊事場もある。
海水浴客向けの小さな売店があったが、聞くとまもなく閉まってしまうとのこと。近くにはお店もないので、とりあえず缶ビールを3本買うことに。
すると売店の年配女性、「ぬるくなってしまうといけないし」と、氷入りの容器を用意して貸してくれた。こちらからお願いしたわけでもないのに親切すぎる。さらに・・・
「つまみも欲しかろう」
そう言って、ありもののタコと貝で刺身も用意してくれた(200円)。ありがたすぎる!!!(なんで冷蔵庫にタコだけ入ってるんだろう?と不思議だったけど、よく考えたらタコ焼き用のタコだったんだな)
そんなわけで、波の音を聞きながら贅沢なひとり晩酌。
うーん、いやほんと。
至福のひと時!!!
ゴージャスなリゾートホテルに泊まるより価値ある時間と体験に思えてくる。
夜はちょっと波の音が賑やかすぎたのと、深夜になってもなかなか気温が下がらずかなり寝苦しかったが。
朝は日の出とともに目覚める。
浜を見るとびっくり。既に多くの人がいた。
波も結構あるビーチで、どうやらサーファーが集まってきているようだ。
キャンプ泊していた子供たちも元気に駆け回っている。
テントから見る日の出。
暑い一日になりそうだ!
今日も元気よく走るぞっと♪