鹿児島在住の知人たちとランチ&開聞岳ぐるり一周
桜島の西岸からは、鹿児島市中心部がよく見える。桜島と鹿児島市をつなぐ桜島フェリーは24時間運航&日中は15分毎にでているので、それに乗るという方法もあったんだけど、そこは沿岸ツーリング。
やはりショートカットせず、ぐるっと鹿児島湾をまわることにした。
桜島北側の災害遺構
桜島北側の道を走り再び大隅半島へ。途中、なにやらうっそうと茂った木でトンネル状になっている場所が何か所かあった。
なんの木なのか後で調べようと思い、通り過ぎてパシャリ。
これだ!
藤野アコウ群は、桜島の北西部に位置する。高さ10メートル級のアコウの木々が、約200メートルにわたり県道に覆いかぶさるように並んでいる。まさに「緑のトンネル」のよう。日かげの気持ち良いスポットだ。
ここは1946年の昭和噴火の際に溶岩が流れ、黒神地区の集落を丸ごと飲み込んだ場所。溶岩は海まで達し、今も殺伐とした風景が広がる。噴出物総量は約1億立方mという、まったく想像もつかない量。
この下には今も70年前の建物や人が生活していた痕跡が残っているのだろうか。
その少し先にあるのが埋没鳥居。
大正大噴火で埋もれる前は3メートルの高さがあったそう。
溶岩と火山灰でどれだけ地面の高さが変わったかわかる。
次にまた大きな噴火があれば、今ある集落や道も同様に地中に埋没してしまう可能性があるのだ。
その前提で火山の島に暮らすという感覚は、外部の人間にはきっと最後までわからないんだろうなと思う。
黒酢の壺が整然と並ぶ「壺畑」を見学
再び鹿児島湾沿いの気持ちのいい佐多街道こと国道220号を北上する。
・・・と、道沿いにずらり壺が並ぶ風景を目にするようになった。
そう、黒酢。
観光名所としてよく写真では見ていたが、本当に街中至る所で目にすることができるとは知らなかった。びっくり。
その元祖ともいえる坂元醸造がミュージアム的な施設を運営しているということで、行ってみた。
●坂元のくろず 壺畑 情報館 & レストラン | 黒酢・鹿児島黒酢のことならくろず情報館&レストラン「壺畑」へ
ここでは間近で、黒酢を仕込み中の壺がずらり並ぶ風景を見ることができる。
確かに「壺畑」だ。
館内にはいろいろな展示もあり、黒酢の歴史から製法まで学ぶことができる。
試飲も♪
牛乳で割ったりんご黒酢は、まるでカルピスやヤクルトのよう。
11時過ぎならレストランも開き、黒酢を使ったお料理を、壺畑眺めながらいただくことができる。
残念ながらレストラン開店前だったので、それはまたの機会に。
クロスカブと黒酢。
鹿児島市内で豚肉の蒸籠蒸しランチ
鹿児島湾の北側から道は日向街道こと国道10号に。
この道が大渋滞!
走っていれば気にならない外気温も、道がちょっと詰まるとまるで熱波。鹿児島市内でランチの約束もしていたので、灼熱の太陽の下、身も心もじりじり。試練の道だった。
なんとか数分遅刻で済んだ。
鹿児島市内在住の知人2人とのランチは、黒豚しゃぶしゃぶの名店。
美味しい豚肉の蒸籠蒸しランチをいただきながらの女子会。
どちらもご主人のお仕事の関係で鹿児島市内に移り住んだ人で、その暮らしぶりや離島旅行の話などなど。
料理も美味しく楽しい時間を過ごすことができた。
バイクとのツーショット写真も撮ってもらった。
気のせいか、身体がぱんぱんだなあ・・・こんな太ってたっけ?
そして、ガソリン携行缶とバックミラー固定するための工具を買いに、教えてもらった市内のホームセンターに行ったんだけど・・・
でかっ!
園芸用品・・・というか植木うってる一角だけでちょっとしたホームセンター1個分ある。
そしてさっそくガソリンスタンドへ。
買ったばかりの携行缶を、年配の店長さんに渡す。
「さてさて、どこまで入るかな」
「600mlです」
なにやら楽しそうに入れていた店長さん、そのままスタッフを大声で呼ぶ。
「フタ閉めて」と渡されたスタッフ、困惑の表情。それもそのはず、いっぱいいっぱいまで入っていたからだ。
案の定、フタ閉める前に溢れてこぼれた。
それでもフタを閉めようとするので、流石に我慢できなくなり口出しした。
「無理です、溢れてまわりびしょびしょになります!」
「とりあえずカバー外して、ガソリン少しバイクに入れましょう」
店長さん、笑顔は素敵だけど笑ってる場合じゃないから。
カバーをとる作業をしただけで、私も手がガソリンまみれに。カバーはスタッフさんが洗ってくれたけど、ガソリン臭さは全く消えず。
買っていきなり使う羽目になった注入用のホースとともにビニールに入れ、サイドバックに突っ込んだら、夕方キャンプ場着くまでに他のものまでガソリン臭くなってしまった。
くそー。
開聞岳ドキドキのトンネル、実は心霊スポット
そして鹿児島市内を抜け、薩摩半島を南下。
指宿(いぶすき)は、去年両親と一緒に九州南部旅行ツアーに参加した際に泊まり、砂風呂も体験しているので、今回はスルー。
そこから開聞岳のふもとにある、日本最南端のJR駅に。
辿り着いてから気付いたが、ツアーバスで来ていた場所だった。
ということは、まるで富士山のようなきれいな形をした開聞岳も何度も見ていたはずなのだが、なぜ完全に記憶から消えていたんだろう。
この開聞岳一周するのが楽しいという情報をもらったので、まわってみることに。
・・・したのだが、走り始めてすぐに遭遇したのが、入口が小さくて真っ暗なトンネル。右側の道は入場料必要な公園に向かう道なのでこれしかないはず。
しかし・・・
まるで防空壕。
そもそもなんでこんな場所にトンネルが?
入っちゃっていいのか?
入ってびっくり。
車一台分の幅しかない。
照明はなく、ところどころ天井に空いた明かり取りの窓から外の光が差し込んでいる程度。
前方もよく見えないので、
「そもそもここ、バイクで入ってよかったのか」
「いきなり下り階段とかになったらどうしよう」
超びびり状態。
後でツーリングマップを見たら「公園ゲート前のトンネル道に入る/真っ暗なトンネルは少し怖い」とちゃんと書いてあった。「少し怖い」どころじゃなかったよ。
これがトンネル出たところ。
トンネルというより、シールドという感じなのだろうか。
やっと出口と思っても、ふたたび次のトンネル。
そもそも、こんななだらかな山の裾野にトンネルあるいはシールドを作る意味もよくわからない。土砂崩れ防止?噴火の時の避難場所?一体どういう場所なのだろう。
あとでネットで調べたらこんな情報も。
事前に読んでなくて本当によかった!
いやまじめな話、こんな情報知らなくても、なんだか背筋がひやりとする怖い場所だった。
開聞岳の南側から西側にかけてはこんな山道。
木々のトンネルが日差しを遮ってくれ、他に走っている車もなく、気持ちのいいコースだった。
伊能忠敬が称賛した風景
開聞岳を後にし西に向かって走っていると、道沿いの看板に突如「伊能忠敬」の文字。私の地元すぐ隣の佐原出身で、数少ない郷土の偉人だ。
その伊能忠敬が称賛した風景が見れるということで、番所鼻に立ち寄った。
50歳過ぎてから測量と天文学を学び始め、全国測量の旅にでた、いわば
シニアの星。
当時の50代なんて今で言うと70歳以上だろう。すごいことだ。
「けだし天下の絶景なり」
そう称賛したのだとか。
実は私のバイクのご当地ナンバープレートは、
測量道具を手にした伊能忠敬のシルエット。
海岸線ツーリングも、伊能忠敬へのオマージュが含まれているので、せっかくならとその風景をバックに記念写真ぱしゃり。
かつおの街・枕崎市で孤独なキャンプ場体験
宿泊予定のキャンプ場がある枕崎市内に入ると、ふんわり漂ってくる香りがあった。それはかつお節の香り。
枕崎市はかつおの街。
かつお節生産量は日本一だ。
●かつお漁業について350年以上の歴史のある漁協|枕崎市漁業組合
そこで何か晩御飯になるものでもあるかなと立ち寄ったのが「枕崎市かつお公社」。
残念ながら晩御飯替わりになるものはなかった(なまり節はいいおつまみになりそうだけど)。
かつお節もごろごろ。
ちゃんとかつお節削り器も販売されていた。
美味しそうな物だらけだったので、急きょ大人買いして段ボールに詰め込んで実家に発送してもらうことに。
かつお公社の女性スタッフに教えてもらったスーパーで夕食を買って、日没前になんとか辿り着いたキャンプ場。
昼間、市の担当部署に電話した際には「夏休みは混み合うので、空いてるとこ探して設営してください」との回答だった。
けど、あれです。
空いてないところが見つからない。
こんな海辺の公園のキャンプ場で自分ひとりか?
急遽宿をとることも考えたが、目の前に海と開聞岳が展開する芝生キャンプ場はなかなかどうして魅力的。悩んだ末ここに泊まることにした。
しかしやはり怖かった。
というのも、市街地からも離れたこんな海沿いのキャンプ場。日も沈みどんどん暗くなってゆくというのに、ときおり車で人がやってくるのだ。男性1人の場合もあれば、2~3人組のことも。
見晴らしもいい芝生エリアにあるのは、私のテント一張りだけ。なのに何かを必死に探してうろうろ歩き回っているのだ。
いやまあ、わかってるんだけどね。
彼らがやっているのが・・・
「ポケモンGO」
だということは。
でもあの動きは怪しいし、自分のほうに近づいてきそうになって何度もドキドキさせられた。
駐車場の一角にあるトイレにはコインシャワーも設置されていた。朝から滝のような汗をかいて身体べたべただったので、これはありがたい。
・・・と思ったんだけど、天井照明を自動点灯させるセンサーがトイレの入り口にしかなかったようで、途中で消えてしまうという悲劇も。
結論から言うと、夕方からでも宿を探すべきだった。
夜中はちょっと物音するとびくっと目が覚めてしまい、かつ暑くて仕方ないのに、外から中が見えてしまうのが心配で空気が通るメッシュにすることもできなかった。
寝不足で翌日のツーリングはばてばて。やはりキャンプは人がいるところでにしようと思った。