【1日目】下関を出発し角島大橋、インスタ映え神社、青海島のキャンプ場へ
毎回、もっとも緊張するのが初日。
特にフェリーからの下船は
「新世界の始まり」
とも言うべき瞬間でドキドキワクワクだ。
到着が早朝5時台だったこともあり、非常に長い一日かつ見所満載の初日となった。
▼日本海沿岸ツーリング1日目<福岡県新門司港~山口県青海島>(12分27秒)
ちなみにここから毎回 ↑ こんな10分前後の動画を掲載していくが、これはヘルメットに装着したアクションカメラ「GoPRO」で撮影したもの。下船シーンだけ普通の動画だが、あとはすべて5秒に1回のコマ撮りした写真をつなぎあわせて動画にしたものだ。
どうやら自分のまわりの車はほとんどが途中の四国・徳島で下船したらしくガラガラ。バイクももっと乗っていたんだけど、四国組がほとんどだったようだ。
船内でお会いしたライダーの方に「どちらまで」と聞かれた。
「北九州です」
「阿蘇方面などまわるんですか?」
「いえ、今回は九州は回らず、関門海峡を越えて(実際はくぐって)本州に」
「すると瀬戸内海とか?」
「日本海側を走るんです」
「どちらまで?」
「えっと・・・最終ゴールは青森なんです。八戸港」
そう答えると驚かれた。
そりゃそうか。
新門司フェリーターミナルから関門海峡までの道は両側に濃い緑の山々が広がり、関東平野で暮らす自分にはまさに別世界。九州に降り立ったんだなあという実感がじわじわ湧いてくる。
まっすぐ下関に行く予定だったが、フェリー内でFB投稿コメントを読んで急きょ立ち寄ることにした和布刈(めかり)神社。
真上に関門大橋が伸びており、関門海峡撮影の人気スポットのひとつだという。
今回は今までの沿岸ツーリングと比べても長めの行程になり、暑さも厳しそうだ。道中の無事を祈願した。
そして昨年秋の四国・瀬戸内海沿岸ツーリングの最終日以来の関門トンネル。前回も思ったけど、トンネル入り口の魚の顔が、昭和の水族館チックでなんともかわいい。
これほどの巨大トンネルがあんなキュートな入り口でいいのだろうかとちょっと思ってしまうけど、そのギャップに萌える。
ちなみに昨年、下関で四国・瀬戸内海沿岸ツーリングを終えた時、「来年はここからスタートしよう」と決めた場所がある。それは関門海峡を見下ろせる火の山公園だ。
関門海峡を見下ろす下関・火の山公園展望台。今回の四国・瀬戸内海沿岸ツーリングはここで終わり。Twitterでもたくさんのコメント、いいねいただきありがとうございました。
— 和田@小型バイクで沿岸ツーリング (@engantouring) 2018年10月18日
そして次回はいよいよ沿岸ツーリングラスト!日本海!来年のいつか、ここからスタートする予定です。
#沿岸ツーリング pic.twitter.com/sSJPJa5KKK
自分がこれから進む道を見下ろしながらスタートを切るというのはきっと気持ちがいいものだろうと思ったのだ。まさか翌年・・・
え・・・道が封鎖!?
朝早すぎて、展望台にのぼる道自体が封鎖されているとは想像すらしなかったよ。
出だしでこれ以上ないほどの目論み外し。
まあ気を取り直して・・・
山から下りてきた海沿いにある壇ノ浦古戦場跡地の公園で、出発の記念写真。
朝食は下関の唐戸市場。
下関はフク(フグ)で有名で、市場内には大きなフグのモニュメントも。
ここの二階にある食堂は観光客で結構にぎわっていた。
注文したのはふぐ唐揚げ定食。
実はフグって美味しいと思ったことがなかったんだけど、この唐揚は美味!!!
小さなフグを丸ごと唐揚げにしているんだけど、身はふっくら甘さも感じる味で、今まで食べたふぐ刺しなどの淡白なイメージが変わった。
骨もするっと取れて食べやすかった。
初日で時間もかなりあったので、関門海峡沿いをもう少し走ることにした。
JR下関駅を過ぎたところで国道を離れ南下。下関市の南の端の彦島に入った。ここは島だけど海峡は狭くいくつもの橋でつながれているので島感は全くない。造船所などが立ち並んでいた。
写真はその南端の田の首町というところ。
関門海峡を挟んですぐ向こう側に九州の街並みが見える。
かなり大きなビルも建ち並んでいるのは、対岸がちょうど門司のあたりで、その少し右側(西側)が小倉だからだ。去年の沿岸ツーリングで、小倉城そしてその一角にある松本清張記念館を訪れたことを思い出した。
そういえば最後の夜はゲストハウス近くの小料理店に行って、若いおかみさんと話をしたっけ。脳内からすでに消失してしまっているかのように思われることも、こんな風景ひとつ目にするだけでちょっとずつ思い出される。人の記憶って本当に不思議なものだ。
それはそうと山口県って・・・
ガードレールやっぱり黄色なのか!
そして海を見ながら気持ちよく走れる「風波のクロスロード」。
沿岸ツーリングらしくなってきた!
風波のクロスロードは沿岸の大きな道だけでなく、山の中にも続いている。ここをずっと走っていき辿り着くのが・・・
毘沙ノ鼻。
本州最西端の岬だ。
単に最西端というだけでなく、かなりの絶景を楽しめる場所。
海ギリギリまで迫る山々のすそ野は、ちょっとこんもりした緑。荒々しさというよりは柔らかさを感じる風景だ。さらに(たぶん)ソテツの木が南国情緒をだしている。
なにより・・・
山口県の海の色がこんなにも美しいとは!
ちなみに
最北端:青森県大間町
最東端:岩手県宮古市
最南端:和歌山県串本町
だが、最東端と最南端はすでに過去の沿岸ツーリングで訪れているので、今回はここ、そして大間だ。
山口県の西岸の山がちなエリアでは、家の前や集落の一角で、こんな荒縄をかけた大きな石をよく見かけた。
かなり古そうなものが多く、数も相当あったと思う。
一体これは何なのだろう。
市街地ではまったく目にすることはなく、古い建物が多く残る山の中がほとんどだった。
ランチは、フェリー内で山口出身の方からおススメされた「瓦そば」に。
川棚温泉エリアの名物だそうで、「たかせ」というお店が元祖だそうなのでそこにした。温泉街の中には本館・別館などいくつもの店舗が作られている。
オープン直後の時間帯でまだ混み合ってもいなかったので、本館に入ることにした。
立派な建物。
老舗で観光客があふれかえっている店は、店員の客対応が高飛車になるところも多いが、ここは全く違った。とても丁寧かつフレンドリーなおもてなし精神を感じる。
そして外の気温はかなり高かったが、中は冷房でかなり冷やされていた。
そして全く予備知識ゼロで入ったので結構驚いた。
これが瓦そば。
写真ではちょっとわかりにくいかもしれないが・・・
そばが瓦の上に乗ってる!!!
さらにトッピングもいろいろ。
自分にとってはかなり新種の食べ物だ。
どっちかというと「そばを使った創作料理」的な感じ。
この瓦が触ったらやけどするほどに熱々に熱せられており、運ばれてきた時にはジュージュー音も。
焼けた瓦に接した部分のソバはカリカリさくさくになっていて、二種類の食感が混じり合い新鮮。
ちょっと沿岸コースからは外れた場所だったけど、来てよかった。
再び沿岸に戻り、海沿いを走る。
日本海沿岸に期待していたのは、「海沿いに幹線道路が走っている」こと。
初日からこんな「THE 海沿い」の道を延々と走れるのはやはりうれしいし幸せだ。
広い路肩があれば停まって記念写真。
台風の影響がまだ残っているのか、空の色が短期間でころころと変わる。毘沙ノ鼻では真っ青だったが、ここではグレイ色の厚い雲が空を覆い始めた。
それでも驚かされるほどの・・・
海の色の美しさ!
ここは山口県の中でも人気上位の美しいビーチ、土井ヶ浜。
白い砂に遠浅の海。
泳いでいる人もたくさんだ。ああ、やっぱり水着を持ってくればよかったなあ。
そして本日のハイライトはここ。
インスタでも話題となったフォトジェニックな橋、角島大橋だ。
しかし残念かな。
青空に映える海の色と橋が見所なのだが、空は完全に曇り空。
それどころか、この写真を撮っている間にぽつぽつと降り始めてしまった。
しかも走り出した直後から・・・
いきなりの大粒の強い雨。
びしばしヘルメットのシールドにあたり、視界不良になりそうなほど。
しかも風も強くてハンドルをとられそうになる。
ああ、写真撮影している間に走り始めていれば、こうなる前に対岸の島に渡れたのに・・・と後悔しても遅い。
雨が降っている時間はそれほど長くはなく、東西に長く伸びた島を横切り、最西端の角島灯台公園まできて、有料駐車場の一角のカフェに駆け込んだら数分後にはもうやんだ。
そして再び雲の合間から見え始める青空。
ああ、何も一番いいところで雨にならなくても・・・
角島にも実に美しいビーチが広がっていて、たくさんの人が泳ぎに来ていた。
角島大橋は帰途でもう一度通ったが、本州上空は先程の激しい雨を降らせた雲に覆われて、海の色もエメラルドグリーンからは程遠い。
こんなところまでもう一度来る機会があるかどうかもわからないのでもう一往復しちゃうかとも考えたけど、風は依然として強く、初日から橋の途中でこけてもいけないので諦めた。
雨はやんだものの、上空の大気は不安定なようで、断続的に聞こえてくる雷鳴。
不安になって雨雲レーダーを見ると、かなり強い雨を降らせる雲がじりじりと北上中だった。これに追いつかれたくない。雨はともかく、あの雷の中を走るのは嫌だ。
一度は脱いだレインスーツを再着用。
今回もワークマンのストレッチ上下、そしてグローブの上には同じくワークマンで買ったゴム手袋だ。
防水グローブを用意するという方法もあるが、普段履きなれたグローブの上に薄い密着型のゴム手袋というのが操作性では一番いい。見た目はちょっと格好悪いんだけどね。
そこからは、幹線道路から外れ、少しでっぱった半島のようなエリアの複雑な海岸線。
道も山の中のくねくね道で、雨だとスリップがちょっと怖い。
そして驚くほど車とも人とも会わなくなった。
開けた場所で突如目の前に現れる棚田。
それも何か所もで見かけた。
田んぼは今がもっとも緑輝く時期。
実りの時に来たらまた全く違う光景になっているのだろう。
縦に長い巨大な岩「立石観音」が湾内にそびえる集落も。
山道と小さな集落、そして時々開けた場所で見る棚田を眺めながら走って向かった元乃隅神社(もとのすみじんじゃ)。
坂を下り切ったらいきなり、何台もの大型バス、道を横断するたくさんの観光客、そして車が見えてびっくり。
こんなにも人気のスポットなの!?
というか突如一体どこから???
どうやらここに至るメインルートはまた別にあったようだ。
駐車場で大型観光バスの運転手さんと話をしたが、ここ最近で急激に人気がでた場所なのだという。特に外国人に。そういえばたくさんの赤い鳥居が連なる神社がフォトジェニックだと海外でブレイクしたというのはここのことだったか。
残念ながら天気がこんななので写真は今一つだが。
お賽銭箱が鳥居の上にあるというのもここの特徴。
結構多くの人が挑戦していたが、見事入れるのは至難の業なようだ。
赤い鳥居とごつごつした岩場、そして海。
この組み合わせは確かに絵になる。
岩場も壮観。
龍宮の潮吹という名前がつけられており、ツーリングマップルによると「絶壁の下で30mもの高さに海水が吹きあがる光景は迫力満点」とのことだったが、この時はその風景は拝めなかった。
ただ絶壁は迫力満点。
というか、柵も何もない場所なので足を滑らせたら本当に危険。
そこに国内外からたくさんの観光客が集まり、さらに写真に夢中になっている人多数というシチュエーションが本当にリスキーすぎ。絶壁に近付いて海を撮っていたら、スマホで自撮りしようとベストポジションを探っているカップルに背中どんされかねない。背後に注意しながらさっくり撮影して早々に退散した。
スタートが早かったので時間もたっぷりあるだろうと油断したら、かなり見所の多いコースで気付いたら日没時間が迫っていた。
長門市の金子みすゞ記念館は、閉館ぎりぎりに到着。
それでも30分程は見学ができた。
こんな才能の人が、わずか26歳で自殺に追い込まれるなんて・・・悲しすぎる。
そこから橋を渡り、青海島へ。
一日目はここでキャンプ泊だ。
入り江のキャンプ場は芝生もきれい。何より透明な海が本当にきれい!
テント泊は他に2グループほどしかおらず、ゆったり。管理人の男性も本当に面倒見のいい方で、受付時間すぎているだろうに「問題ないよ」と充電できるよう建物開けておいてくれたり、いろいろ話しかけてくれた。初日からいい場所に泊まれてラッキーだ。
初日からよく走った!
テントを張り終えて、シャワー浴びて着替えて、ビールでひとり乾杯!
日没にも間に合った。
スマホで撮った写真などを見返しながら、朝からの一日を振り返る。
至福のひと時。
▼日本海沿岸ツーリング1日目<福岡県新門司港~山口県青海島>(12分27秒)