<小型バイクでツーリング>日本海沿岸ツーリング

<小型バイクでツーリング>日本海沿岸ツーリング

<小型バイクでツーリング>日本海沿岸ツーリング

沿岸ツーリングもこれがラストステージ!小型バイク「クロスカブ」に乗って山口県下関市を出発し、日本海側の沿岸を東進北上し青森県八戸市まで23日間で3,714キロを走りました。
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【2日目】暑すぎ!萩を散策して須佐でホルンフェルス大断層、温泉津温泉へ

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初日からテント泊というのもどうかと思ったが、青海島キャンプ村は最高に素晴らしい環境で大満足。静かな入り江。その周りは断崖絶壁、海面近くは浸食された岩が独特の景観を作っている。

▼日本海沿岸ツーリング2日目<山口県青海島~島根県温泉津温泉>(10分12秒)

そんな風景を見ながら歩ける自然散策路の始点がこのキャンプ場だそうなので、テント撤収作業を終えた後、少し歩いてみることにした。

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これがキャンプ場一角にある「青海島自然研究路」の入り口。

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階段をちょっと上ると、入り江のキャンプ場、そしてその両側の断崖絶壁の全体像が見えてくる。キャンプ場からはわからなかったが、なかなかの景観だ。

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浸食してできた複雑な海岸線。
さらに進むとまたまったく異なる岩場が現れた。

地図によると「青海島海上アルプス」という呼称があるようだ。

そして・・・朝だというのに気温はぐんぐんあがり、あっという間に汗だくに。台風一過の猛暑がやってくるのだろうかと少々不安になりながら、日焼け止めを上塗りした。

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キャンプ場から少し歩いて駐車場まで戻ると、昨日夕方には不在だった駐車場の管理人さんがいて別のお客さんと話をしていた。饒舌でとにかく陽気なこの管理人さん、実はすごい多彩な方だった。

自転車曲芸乗り、コマ廻し、さらには猫の「ももちゃん」の見送りという芸まで披露してくれた。そのおかげで出発が30分近く遅くなってしまったが、初日朝からこんなに楽しい人に会えるなんて。

管理人室にはビデオも置かれていて、テレビにご自身が登場した時の映像なども見せてくれた。

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前日とはうってかわって真っ青な空の下、青海島をさらに先まで行くと小さな漁港と集落があり、そこに「くじら資料館」も。くじら漁というと、紀伊半島など太平洋側が中心なのかと思ってしまっていたが、日本海側でも盛んにおこなわれていたようだ。

この日は残念ながら休館日だったが、奥に「くじら墓」なるものがあるのでお参り。

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青海島の漁港で撮影。
湾の奥に見えるのは本州・山口県の山々だ。

まるで湖のようにぐるり陸地で囲まれた水面も穏やかな湾、海岸線からすぐの場所に迫る山々。自分が育った茨城・千葉の下総エリアでは見たこともなかった海景色に、沿岸ツーリングでは頻繁に出会い、毎回とても新鮮な気持ちになる。

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金子みすゞ記念館からも近い場所、仙崎漁港の一角にある「センザキッチン」。

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特に用もなかったが建物の大きさに引き付けられ入ってみたら、高い天井に広い店内。野菜からお土産品まで豊富な品ぞろえでびっくり。

キャンプ場での晩御飯、セブンイレブンではなくここで調達すべきだったと後悔した。お土産アイテムもお洒落で洗練されたパッケージのものが多い。

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さらにこんなテラス席も。
仙崎湾の奥には小さな島もたくさんある。

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ここから萩までは、内陸の国道191号を走った。
確かにスピードは出せるが完全に山の中。

実をいうとちゃんと地図を確認しないまま、さらにナビが指し示すルートも確認不足のまま走ってしまっていたら、萩へのルートとして表示されたこの道に入ってしまっただけ。

国道191号が並列して2本あり、より海岸線に近いほうの国道191号を走るつもりだったが、そっちは実は自動車専用道路で原付二種では走れない道だった。

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そしてたどり着いた城下町・萩。
バイクを停めた瞬間に熱気に包まれるほど、この日の気温は高かった。

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バイクを駐車場に長時間停めておく時には、洗濯物を干す。
風はなかったが念のため洗濯ばさみでも固定。ちなみに戻った時にはカラカラ通り越して熱々になっていた。

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まずは萩博物館。
萩城三の丸があった場所で、このあたり一帯が伝統的建造物群保存地区となっている。

博物館自体は新しい建物だが、武家屋敷の特徴にならって作ったとのこと。

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萩といえば明治維新で活躍した長州藩の志士たちを多数輩出した町。
高杉晋作はじめ、そうした英雄たちにまつわる様々な品が展示されており、見ごたえある博物館だった。

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そしてバイクを博物館駐車場に置いたまま、城下町散策へ。

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古い建物が多数残り、そのうちのいくつかは公開されている。
建物内ではボランティアガイドの方々が待機しており、詳しく説明をしてくれる。

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ここは維新三傑のひとり、木戸孝允生誕の地。
そして写真を見てお気付きかもしれないが・・・

人が誰もいない!暑すぎ!

厚手のバイクファッションだったからというのを差し引いても本当に暑く、歩いている観光客たちも「もう無理、車に戻ろう」とUターンしてしまう状況だった。

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私も「このまま城下町散策していたら熱射病になる」と思い、再びバイクで移動。明倫館にやってきた。

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こんな立派な建物だったなんて!!!

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駐車場でネット検索したところ、どうやらこの中のレストランがおススメとのことなので入ってみた。

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萩・明倫学舎内のレストラン「萩暦」にて特製ランチ。
これで税別1580円。作りも丁寧だし、一品一品が凝っていて満足!

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そこから松陰神社へ。

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入口ではネットに張った甘夏が3キロで700円。
キズありなら500円。

あまりの安さに「毎日一個ずつ食べたらビタミン補給にもいいのでは」と一瞬考えてしまったほど。まあ積む場所がどう考えてもなかったんだけど。

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萩から先は、国道191号が海沿いを走る。
やはり沿岸ツーリングはこうでなくちゃ!

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しかも見とれてしまう程の美しい海の色。

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北長門コバルトラインという名前がついている道だそうだが納得だ。

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うれしかったのが、この写真が撮れたこと。
真っ青な日本海と山陰本線の二両編成の車両。

Facebookに「やっと撮れました、日本海と電車」と投稿したら「正確には気動車ですが」とのコメントをもらった。そっか!

山陰本線は本数限られているので、なかなかこのシチュエーションがない。
たまたま駐車できる展望スペースがある場所だったのはラッキーだ。

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須佐駅。
男命いかの街だそうで、主にイカを販売するショップが駅隣に建てられていた。

ここに観光案内所もあり、ホルンフェルス大断層を見るための遊覧船のことを聞いたら、事前予約が必要な上、ひとりで利用できる料金ではなかった(一艘9000円)。

仕方ない、上から見下ろせるかどうかわからないけど、バイクで行ってみよう。

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須佐湾かの漁港から山道をのぼっていったところに駐車場があり、そこから遊歩道が伸びていた。

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これは確かにすごい!

ぽきぽきとひび割れて崩れたかのような崖。

そしてどうやら下まで下りていけるようだ。
正直ちょっと怖さもある道だけど。

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海沿いまで下りてみると、ミルフィーユ状の断層模様がよくわかる。
ちなみにこの写真、GoPROをスマホから遠隔操作して撮ったもの。

つまり「自撮り」なのだが自分が断崖を登っているのわかるだろうか。

撮っていた時には気付かなかったが、この日着ていたシャツの模様が完全に断層に溶け込んでいた。

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非常に気に入っているシャツなんだけど、今後はおそらく、着る度にこのホルンフェルス大断層を思い出すことだろう。

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ちなみに国道191号を走っていてちょっと不思議な気がしたのが、途中から「広島まで○○キロ」という標識が現れ始めたこと。

日本海側の海沿いの道を走っているのに、進行方向として指し示す先が瀬戸内海の広島というのがちょっと違和感なのだが、後で調べたら、国道191号は山口県下関→島根県益田市→広島県広島市で、終点が広島市なので、当然の書き方だったんだなと。

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そうして日没どんぴしゃで辿り着いた「温泉津温泉」。
お恥ずかしながら告白すると、この看板を見る瞬間まで当然のように・・・

「おんせんつおんせん」

って読んでました。
そりゃそうでしょ、西日本の人にはとっても有名な人気温泉だそうなんだけど、知らなかったらこれを「ゆのつ」とは読めないって。

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二日目の宿は、そんな温泉津温泉の温泉街の入り口にある古民家ゲストハウス。

●島根県大田市温泉津町のゲストハウス&カフェ|メグルヤ【廻屋】

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建物内に一歩入るとこんな感じで広い共有スペース。
更に奥にキッチンがあり、テーブルとイスが並べられたラウンジ的なスペースが。

この日の宿泊者は自分ともう一人、車で伊勢神宮など回っていた男性の二人だけ。

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そんなわけで、本来は相部屋前提の宿泊料金にもかかわらず、こんな和室を独占利用できてしまうという贅沢な状況。

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この部屋は冷房がないんだけど、簾の外は温泉街の通りへと続く道。
ほどよく涼しい風が吹き込んできて、まさに「日本の夏」ワンシーン。

もちろん蚊取り線香も炊いて。

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ゲストハウスには温泉はないので、荷物を置いた後、温泉街を散策しながら、日帰り利用できる「薬師湯」へ。

この薬師湯の旧館は大正8年に建造された洋館。
現在はカフェとなっている。

そして薬師湯のすぐ後ろに源泉があり、そこから注がれている温泉の浴槽には温泉成分がびっしり固着して風情たっぷり。

温泉浸かった感を味わえる湯。

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さらに少し奥に行ったところにある酒店兼お土産屋さんの「たぬきや」。
翌朝明るいところで見たら、近隣の温泉旅館と比べても引けを取らないくらい立派な古い建物だったのだが、ここに向かった。

ゲストハウスのオーナーさんが、風呂上りに飲むビールを買うならここ、さらに店主が面白い方だという話をしていたので。

で、ビール2本とつまみを買って「廻屋の方に紹介されて」と話すと、

「だったら上がって飲んでいけ」

と。友人が来て今飲んでいるからと。

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遠慮しつつもカウンタ奥から建物内にあがらせてもらい、店主さんお手製の料理をいただきながらビールで乾杯。

マメをピリ辛に炒めたものや銀杏など、ビールが進むものが次々と。そして温泉津温泉の話や、観光地における「景観」の話、地域おこしなどなどいろいろな話を伺うことができた。

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特に興味深かったのが、山の一角を庭園のように仕上げた「北斗山庭」。
そこにかける店主の情熱は本当に並大抵ではなく、リスペクト。

●温泉津温泉・北斗山庭|リメンバーしまね

大田市・温泉津温泉街にある北斗山庭です。 佐々木商店「たぬきや」の店主・佐々木孝久さんが、 町の活性化にと山の斜面の手入れをされ、景観づくりに力を入れておられます。

●たぬきや|大田発掘キャンペーン

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山でとってきた様々な木の実などをつけたお酒もずらり並んでいて、それも味見させてもらった。すべてが初めて聞く名前、そして飲む味。

特に不思議な甘さがある「ケンボナシ」が美味しかった。

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そんな「たぬきや」店主の佐々木さんとツーショット。
沿岸ツーリング2日目で得た素敵な出会いに感謝!

▼日本海沿岸ツーリング2日目<山口県青海島~島根県温泉津温泉>(10分12秒)