<小型バイクでツーリング>日本海沿岸ツーリング

<小型バイクでツーリング>日本海沿岸ツーリング

<小型バイクでツーリング>日本海沿岸ツーリング

沿岸ツーリングもこれがラストステージ!小型バイク「クロスカブ」に乗って山口県下関市を出発し、日本海側の沿岸を東進北上し青森県八戸市まで23日間で3,714キロを走りました。
はじめに目的目的&計画宿泊装備タープ泊●ツーリング記録●総括●動画
トップページツーリング記録

【3日目】出雲大社に参拝~島根半島の海の美しさに絶句!

写真

2日目に宿泊した温泉津温泉(ゆのつおんせん)は、島根県。「石見銀山遺跡とその文化的景観」の一部として世界遺産に登録されており、温泉地としてはじめて国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されたところだそう。

古い温泉宿が多数残っているが、この古民家ゲストハウスも非常によかった。

▼日本海沿岸ツーリング3日目<島根県温泉津温泉~鳥取県境港>(8分55秒)

写真

前夜ビールを買いに行き、そのまま店のご主人に「あがって飲んでいけ」と招待され、買ったビールだけでなく、店主・佐々木さんが漬けた様々な果実・木の実酒までご馳走になってしまった「たぬきや」さん。

明るい中で見たら本当に立派な建物でびっくり。

写真

建物左側の駐車場奥が、佐々木さんがライフワークとして情熱を注いで取り組んでいる「北斗山庭」だ。

写真

山の斜面全体が、景観を楽しむための庭となっている。
真夏でも赤い葉を輝かせる木やこんもり丸く剪定された樹など。

写真

温泉街にある床屋さんの店の前でみつけた「チョンマゲからナウな髪型まで」。思わずくすり。

写真

そして島根県の海沿いの道を北東に向かって走ってゆく。
このあたりの幹線道路は国道9号で、それと並行して山陰本線が走る。

ここは集落におりてゆく道に線路が交差するポイント。
踏切の向こうに海が広がっているという風景は結構新鮮だ。

写真

そしてやってきたのが「鳴き砂」で有名な琴ケ浜。
歩くとキュッキュッと音がするという。

写真

小さな子供を連れた家族1組だけで、他は海鳥だけ。

写真

なので足元を見てもこんな感じだ。

砂浜は、鳴く場所と鳴かない場所がある。
上の動画では、最初の頃特に何の音もせず、10秒くらいからキュッキュッと音がする。

写真

その後、近くにある仁摩サンドミュージアムへ。
外観見るだけで通過しようかなと思っていたんだけど、来てみたらあまりに立派な建物なことに驚き、入ってしまった。

写真

ガラス張りのピラミッド状のところに、巨大な1年計砂時計「砂暦(すなごよみ)」が設置されている。1トンの砂を1年かけて落とすという世界最大の砂時計で、精密さが求められるガラスの器はドイツの職人によるもの。

ふるさと創生資金の1億円が投入されたそうだ。

写真

展示はなかなか面白く、様々な砂時計や鳴き砂の原理、さらに日本全国および世界各国の「砂」の展示まで。

色も様々なことがよくわかる。

写真

体験コーナーもあり、砂を広げてそこに指で絵を描いてディスプレイに映し出すものや、受付で渡されたシール式の紙を使い、色とりどりに染められた砂を使って砂絵しおりを作るものなど。

実は自分が訪れた時間帯、ほとんど来場者おらず貸切状態だったので、遠慮なく体験させてもらった。

写真

さらに北上。
国道9号は海沿いを走ったり少し内陸部に入ったりと蛇行をしているが、車も少なく非常に気持ちよく走れた。

写真

行く手に見えるは

「島根半島」

出雲大社も近付いてきた!

ちなみにここは道の駅もあるキララビーチ。
真っ白な砂浜が本当にキラキラと光っていた。

写真

キララビーチから北上する道はシーサイドロード。
風もやや強く白波が打ち寄せる真っ青な海を見ながらの走行。

山口もそうだったが、島根の海がこんなにもきれいとは。

色に魅せられてしまう。

写真

そして出雲大社。
大学時代に来て以来だ。

ただ参拝する前に・・・

写真

腹ごしらえ。

出雲大社の駐車場すぐ前に並ぶ出雲そば3店舗のうち、一番角にある「八雲」を選んだ。

写真

3種類の蕎麦セットなどいろいろあったが、小豆大好き人間なのでぜんざいとのセットを。ぜんざいは出雲が発祥の地だそうだ。

蕎麦は2つ重ねられていた。

写真

出雲大社といえばここ。

大しめ縄が迫力の神楽殿。

天気が良すぎ、光量が多すぎ、オート撮影のスマホでは建物などどうしても暗くしか映らなくなっていたのだが、この大しめ縄はきれいに写真に収めることができた。

写真

大しめ縄は長さ約13メートル、重さ5.2トンにも及ぶそう。
参拝しながら思い出したのは、「香取神宮のお膝元で育ちながら良縁のひとつにも恵まれないなんて。出雲大社に行きなさい」という昨日出会った島根県民の言葉。

念のため書いておきますが香取神宮のせいではありませぬ。

写真

しかし・・・焼ける・・・。

写真

そして今回の沿岸ツーリングのハイライトのひとつでもある島根半島へ。
右側は切り立った崖、左側は真っ青な海。自衛隊の艦船も沖合にずっと停泊していた。

写真

出雲大社から日御碕に向かう道は、山と海両方が目の前に広がる絶景ロードだった。

写真

日御碕神社。

写真

真っ白な日御碕燈台。

写真

ここの断崖絶壁もすごかった。
崖に向かって地面が傾斜しているのも怖く、近付いて写真撮ろうと思ったけどその勇気なく、結局腰を下ろしてじりじり近付きながら撮った一枚がこれだ。

写真

日御碕の後の西へと進む道は、車もほとんど走っていない。

このあたりのメインルートは、出雲大社から宍道湖の北岸を進んで松江市へと至る国道431号なんだけど、そうではなく、なるべく日本海側を走ることに。

写真

ただ日本海側は崖崩れで通行止めとなっているところが2か所程あり、こんな感じで蛇行しながら行くしかなかった。林道の箇所も多いが舗装はされている。

写真

地図で見ている時にはよくわからなかったが、小さな漁港も点在していた。

写真

真っ赤な屋根の木造の家屋が密集するように建つ小さな集落。

写真

内壁をコンクリ吹付しただけの、素掘りトンネルも通った。

写真

千葉県の房総半島に数多く残っているが、それ以外の地域では次第に珍しくなっているそう。

写真

島根半島で何より感動したのが、やはりこの海の色だ。

透明度も非常に高いエメラルドグリーン。

周囲には大きな町もなければ、もちろん工業地帯もない。
こんなにも素晴らしい入り江なのに、交通が不便すぎて遠方から来る人もさほどいないのだろう。

地元の子どもたちが真っ黒になって泳いでいた。
あまりにのどかな風景に、遠い離島にやってきたかのような錯覚に陥る。

写真

前後を走る車もほとんど・・・というか、まったくと言っていいほどなく、きれいな風景を見ると路肩に停車してスマホでパシャリ。

写真

稜線にずらり並ぶのは風力発電施設。

写真

海と山が接したなかなか険しい地形に作られた道が多いこともあり、通行止めとなっているところも。基本的には、各集落と宍道湖をつなぐ縦の道さえ確保できていればそれほど不便はないのだろうが、他に道がない場所なので、集落間の横の移動はできなくなる。

写真

ちょっと意外に感じたのは、これら日本海側の小さな集落に、比較的新しい家も数多く見かけたことだ。もしかしたら屋根や外壁をリニューアルしただけかもしれないが、他の地域だったら年配者だけとなり、建物もどんどん老朽化していくだけなので、ちょっと不思議に感じた。

ここは島根原発もある場所なので、その施設関係者などが新たに移住してきているというのもあるのかもしれない。

写真

そして山道はくねくね道。
アップダウンもかなりあった。

写真

通行止めの道を回避するため、松江市の少し手前で一度宍道湖まででてきた。

写真

ふたたび日本海側に。

写真

送電線が目立つエリアには中国電力唯一の島根原子力発電所がある。
市町村合併で日本初の県庁所在地にある原発となったそう。1号機はすでに廃炉が決まっており、2号機および新たに建設された3号機も稼働していない。

写真

洗濯板のような岩場が海面に顔をだす入り江。

島根半島は本当に美しかった。

機会あればまた走りたい。

写真

そしてやっと平らな場所にでてきた。
少し先に見える大きな町が鳥取県の境港だ。

その手前に大きな橋があるなあと思っていたら・・・

写真

写真ではわかりにくと思うがなかなかの傾斜!
この時は気付いていなかったのだが。

写真

ネットでも話題になる「ベタ踏み坂」こと江島大橋だ。

●鳥取県観光案内 とっとり旅の生情報

島根県側の勾配は6.1%。
山道ならもっと急傾斜な場所はたくさんあるのでそれほどではない。下り坂で両側に広がる展望は本当によかった。

写真

境港市に到着!
港で写真を撮っていると、街中から聞こえてきたのは・・・

「ゲゲゲの鬼太郎」

そっか、境港と言えばゲゲゲの鬼太郎だ!!!

写真

港からもすぐのゲストハウス「縁」。
ここは島根半島から電話して予約をしておいた。

建物前にはゲゲゲの鬼太郎モニュメントや宿泊者の記念写真がびっしり。

写真

そしてここ、なかなか個性的で面白いゲストハウスだった。
「旅宿」を掲げ「旅」をテーマにしているということなのだが、共有スペースに入ってびっくり。

旅人でもあるオーナーさんが、これまでの旅行で集めてきた各地の観光パンフレットやガイドブックがびっしり。エリアも中部だけではなく、東北・北海道のものも非常に多い。

この後東北に向かうのに情報収集が不足していることが心配だったので、ここに泊まれたのはラッキーだった。

写真

部屋には二段ベッドが2台。
ただこの日はドミトリー利用が他にいなかったので、ひとりで独占。

ちなみにここは女性か家族での宿泊限定となっている。
詳しい条件などは公式サイトで。

●「旅の宿家」鳥取境港"縁"(コミュニティ重視型ゲストハウス様式の宿) - 「旅の宿家」鳥取境港"縁"(コミュニティ重視型ゲストハウス様式の宿)

写真

暗くなる前にということで、水木しげるロードへ。
ゲストハウスからも徒歩30秒とすぐの場所だ。

写真

想像していたよりずっと質感もあって立派な芸術作品。
親子連れの姿もたくさん見かけた。

写真

そしてここ、日没少し前から来て夕方から夜にかけても歩いてみるのがおススメだ。

写真

というのも、昨年大規模なリニューアルをし、夜も楽しめる展示になったからだ。ライトアップされると、妖怪の妖怪感がぐんとアップ。

●リニューアルした水木しげるロードは夜がおすすめ - ITS

写真

朝の連続テレビ小説の主人公にもなった水木しげる夫妻。

写真

さらにこんな演出も。

写真

境港駅。
よく見ると街灯が

目玉おやじ!!!

細部に至るまでの演出がすごい。
というか、歴史もある境港市が、ここまで「ゲゲゲの鬼太郎」推しで町全体を変えてしまっているということに驚いた。

写真

最初はふるさと創生資金の1億円がきっかけだったそうだが、それにより多くの観光客が訪れるようになり、さらなる投資を続け今日に至っている。

創生大成功した数少ない事例だろう。

写真

ゲストハウスオーナーさんに教えてもらったスーパーまるごうに。

写真

写真

さらに「地元グルメ」としてオーナーさんに教えてもらった食材を買い込む。ゲストハウス宿泊ならではのメリットだと思う。

写真

すなば珈琲!

写真

お総菜もほぼすべて半額になっていたので、とってもリーズナブルな夕食。刺身も美味しかった。

写真

豆腐竹輪とのどぐろ天ぷらは、そのまま食べようとしていたらオーナーさんが切ってさっくり焼いてくれた。このほうが美味しい。

出身は三重県というオーナーさんがここでゲストハウスを開くことにした理由や、宿泊予約サイトの話なども伺った。

写真

さらにこれから自分が訪れる東北のおススメの場所情報なども。

もちろん、境港や近隣エリアの情報にも周知している方なので、水木しげるロードを訪れたいならここを拠点にするのはおススメ。ゲストハウスは子連れでは利用しにくいところが多いが、むしろここは「小さなお子さん連れ大歓迎」の宿なので(ドミトリー以外に個室がある)。

最後にひとつ。

●島根半島 - Wikipedia

実は今回初めて、島根県の北東部が「島根半島」という半島なことを知った。
ただその後も、「確かに海と宍戸湖に挟まれた細長い土地だけど、いったいどこからどこまでが半島なんだ?」と不思議に思っていたのだが、ちゃんとよく見たら、本州とつながっている部分は西側だけなことを知った。宍戸湖の東側はもともと陸続きだったけど、江戸時代に人口運河が作られたとのこと。

日本海側はやっぱり、無知だったことがたくさん。

▼日本海沿岸ツーリング3日目<島根県温泉津温泉~鳥取県境港>(8分55秒)