【6日目】本州に戻り鳥取の海を眺めながら砂丘隣接キャンプ場へ
もともと沿岸ツーリング行程には入っていなかった隠岐諸島。西ノ島のキャンプ場で一泊、隠岐の島町の古民家ゲストハウスでもう一泊したが、いつまでも滞在していたら予備日を全部使い切ってしまう。
▼日本海沿岸ツーリング6日目<隠岐の島~鳥取県鳥取砂丘>(9分16秒)
そんなわけで、まだ他の宿泊者が寝ているうちに起きオーナーご夫婦に挨拶もせずチェックアウト。早朝の集落を出発した。
気温は22度で涼しい。
一日中こんなだったらどんなにツーリングは快適か。
昔ながらも木造校舎も残る五箇小学校。
1958年に建てられた木造校舎を耐震改修したものとのこと。
水若酢神社。
ここにも奉納相撲の土俵が作られていた。
そこからは島を斜めに横切る国道485号へ。
西郷港から五箇の集落までは海沿いを時計回りに走ってきたが、そのままぐるり一周してしまうと帰途フェリーに間に合わないので、ショートカットすることにしたのだ。
大きな丸い島だけあり、こんな道を走っていると離島にいることを忘れる。
ただ一か所、ゲストハウスで出会ったフランス人が「絶対に行くべき」と勧めてくれた「岩倉の乳房杉」と「浄土ヶ浦」に立ち寄るため、島の中央部分で国道を離れ、山道をくねくね登っていった。
結構な山道。
あのフランス人男性はここも走ったんだなあ。
そして早朝ゆえの問題に直面した。
恐らくこの道を今日走るのは、自分が1人目なのだろう。
すると何が起こるか。
「クモの糸をキャッチしまくる」
羽目になるのだ。
さすがに幅広いので巣を張るほどではないのだが、道路を横切って伸びる蜘蛛の糸が結構あり、それがヘルメットや風防、バイク本体にどんどん付着してゆく。
しかも・・・
強度が半端ない!!!
サイズが違うのかもしれない。
例えばバイクについた糸を枝に絡めて引っ張れば、普通はすぐに千切れる。ところがこの糸は伸びるのだ。しかも枝をもつ指先に抵抗感を感じるほどに粘り気もある。
そしてやっと切れたと思ったら、ちりちりとなってバイクからぶら下がる。枝で簡単に除去することができないのだ。
そんな蜘蛛の糸キャッチャーとして走行したバイクだが、山を登り切ったあたりで目的地についた。鳥居の奥にある木だ。
宮崎駿アニメに登場しそうな、こぶだらけの岩倉の乳房杉。
なかなかどうして・・・
グロテスクな形状。
地形そして気候ゆえにこんな成長をとげたと案内板には書かれていたが、この木以外でこんなにも奇怪な形状になっているものがないのはなぜなのだろう。
他はすべて朽ち果ててしまったということなのだろうか。
とにかく迫力あった。
そしてくねくね道を今度は下る。
至るところクモの糸だらけだ。
仕方がない、フェリー乗り場で時間があったら拭き掃除しよう。
浄土ヶ浦の海はきれいだった。
濃い青と緑。
この展望台に向かう階段の途中から見下ろした海がなんとも神秘的だった。
ただいわゆる「浄土ヶ浦」までは行かなかった。
途中で気付いたのだ。
「フェリー出航時間ギリギリになってしまう」
ということに。
結構余裕あると思っていたのだが、何か計算ミスをしていたようだ。
焦って走るのは危険なのだが、離島からのフェリーに乗り遅れるというのは非常に致命的だ。車もバイクも全く走っていない島東側の道をいつもより飛ばした。
そんな時に限ってひっかかりまくる工事中箇所の片側通行赤信号。しかも長時間。対向車なんて来ないのに・・・とじりじりしながら待った。
そしてフェリーターミナルに到着したのは8:10。
出航が8:30で、車は既にほとんど乗り込んでおり完全にギリギリだ。
車両乗込口にバイク停めて「間に合ったら乗せてください!」と係員に言ってチケット売り場へダッシュ。なんとか間に合いまったものの迷惑をかけてしまった。反省反省大反省。
フェリーは島前の島々を経由して本州に向かう。
ゲストハウスで会ったフランス人男性も乗り込んでいて、挨拶することができた。
必死に走った興奮もやや落ち着きふと気づくと、腕や横っ腹、至る所にクモの糸。満席の船内で誰かに見られていたかもなあと思うと恥ずかしかった。
船の中は、中国本土からの修学旅行なのだろうか。
引率の先生と思われる大人たちと、数十人の小学生で賑わっていた。
そして自分は、乗船が遅れたため電源スペースを確保できず、二等船室でパソコンのバッテリー使い切った後は通路の電源を拝借して作業。
二等船室空きは十分あるんだけど、小学生集団が賑やかすぎて寝れないのか、通路や階段脇に横たわっている人たちもいた。海遊びや釣りで日焼けしてクタクタな乗客もたくさんの、離島航路らしい船内風景。
5時間ほどの航海を終え、境港に戻ってきたのは13時過ぎ。
最初に向かったのが米子のファミマだ。
Amazonで注文しておいた、ヘルメットのシールドを受け取るためだ。
ちなみに何度もリピート購入しているのがこれ。
バブルシールドで色はグラデーション。
傷も結構ついていたのと、新しいほうがUV効果もちゃんとあるのかなと思い。
琴浦町菊港の「波しぐれ三度笠」。
ツーリングマップルで地図に書き込まれていたので、なんだかわからずに行ってみたのだが、予想していたのと違い現代芸術作品だった。
琴浦町菊港に、世界的に有名な彫刻家流政之氏の三体の石像の彫刻が、荒波の日本海を向いて立っています。 この彫刻は白のみかげ石を用いたもので、高さが4.33メートルあり、昔の「旅姿」を象徴し、見る人それぞれに深い想いをいだかせ、晴れた日、雨の日、嵐の日、四季それぞれに表情を変えて我々に生きる希望と勇気を与えてくれます。
なかなかかわいい。
このアート作品が置かれているのは、陸地から細長く伸びた・・・防波堤なのだろうか?その突端で、舗装されているので直前までバイクでも入っていける。
そんなわけで海を背景に記念写真。
昔は北前船で栄えた港でもあったそう。
家が密集する通りにその名残を感じる。どの家も道路に面したところは狭いが奥行きは非常にあり、街道の宿場町と一緒。古い建物もたくさん残っていた。
次にやってきたのは道の駅大栄。
道の駅として登録された第一号なんだそう。
さらに名探偵コナン。
実は自分、今回の沿岸ツーリングに出発し、ゲゲゲの鬼太郎一色の境港市での投稿にコメントもらうまで知らなかったのだが、鳥取県の北栄町は
「名探偵コナンの聖地」
なのだそう。
原作者の青山剛昌がこの町の出身なんだとか。
そしてこのあたりはスイカの産地。
試食用スイカをひときれいただいて食べたけど甘くてびっくり。
そんなわけで、決して安くはないのだが、スイカを物色する人でいっぱいだった。
この道の駅とそれに隣接して作られている「青山剛昌ふるさと館」からJR由良駅までがコナン通りとのことで、バイクで走って行ってみた。
水木しげるロードほどの濃度ではないが、さりげなく像が点在し、外国人を含む観光客が歩きながら写真を撮っていた。
JR由良駅は「コナン駅」という名前になっていた。
知らずに下りた人はびっくりするだろうなあ。
北栄町ではこんな畑を見かけた。
地面は砂だ。
見たことのない植物の形で、何を作っているのだが全く想像すらつかなかったのだが、今検索してやっとわかった。
●ねばりっこができるまで~その3~(2016年11月)/北栄町農業ポータルサイト
これだ!
北栄町特産の長芋「ねばりっこ」。
こんな仕立てをするのか。
砂地だったことも納得だ。
そしてさらに鳥取の海岸沿いの国道9号線を東へと進む。
少し前から、道に溜まった砂に注意的な看板を見かけるようになった。そして目の前に伸びる道が、見た目ちょっと砂っぽい感じに。
特にタイヤをとられるようなほどではないが、精神的になんとも落ち着かない。過去の沿岸ツーリングでは何度も、砂丘近くの道のカーブの砂だまりにうっかりタイヤを入れてしまいバランス崩したことがあるので。
時折だが海が見えるところにも。
高台の展望台から。
霞んでしまってよくは見えないが、奥のほうに鳥取砂丘と思われる砂色のエリアも見えてきた。
この後はトンネルをいくつもくぐって・・・
白兎神社。
神社隣接の道の駅から、歩道橋を渡って海側にくると、そこは因幡の白兎の話の舞台となった白兎海岸がある。
人を安易に信じちゃいけないという話。
赤裸になった身体を海水で洗えばよくなるとか、最初から信じちゃダメだって。
しかも2人目にあったのが善良な大国主命だったからいいようなものの、懲りずにまた素直に従っちゃう脇の甘さたるや。
道の駅には兎がいた。
駅長さん。
白兎海岸まで辿り着けば、鳥取砂丘まではすぐ。
なんとか陽が落ちる前に鳥取砂丘隣接の「柳茶屋キャンプ場」に到着した。ここは無料キャンプ場だ。
家族連れで結構賑わっていたが、場所は十分にありテント設営も完了。
その後、歩いて鳥取砂丘へ。
砂に大勢が座っているなと思ったら、どうもサンセットコンサート的なことをやっていたようだ。
残念ながら雲がでてしまっていて日没は見れなかったが、赤く染まった空と砂浜でしばしまったり過ごすことができた。
小さな子供たちがはしゃぎながら走り回っていて、平和そのものの景色。
▼日本海沿岸ツーリング6日目<隠岐の島~鳥取県鳥取砂丘>(9分16秒)