<小型バイクでツーリング>日本海沿岸ツーリング

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<小型バイクでツーリング>日本海沿岸ツーリング

沿岸ツーリングもこれがラストステージ!小型バイク「クロスカブ」に乗って山口県下関市を出発し、日本海側の沿岸を東進北上し青森県八戸市まで23日間で3,714キロを走りました。
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【9日目】小浜で蘇洞門めぐり~若狭湾を走る

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福井県小浜市。
オバマ大統領が選挙戦に出馬した後のテレビ報道で一躍全国にその名を知られるようになったが、正直自分は「若狭湾に面した自治体」程度の知識しかなかった。

▼日本海沿岸ツーリング9日目<鳥取県鳥取砂丘~福井県福井市>(7分51秒)

今回も舞鶴で宿がとれていたら、小浜宿泊はなかったかもしれない。
ただ古民家ゲストハウスに宿泊し、若いオーナーさんから前夜いろいろお話など聞いて小浜に興味を持ち少し観光していくことに。

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まずは蘇洞門(そとも)めぐり。
遊覧船が発着するのは、ゲストハウスからも近い若狭フィッシャーマンズワーフ前だ。

1時間ごとにでていて約50分、料金は2,000円だ。

「蘇洞門(そとも)めぐり」遊覧船は、日本海の荒波がつくりあげたダイナミックな景観をご覧いただく、約50分のクルージングです。 当館前から始まるこの旅は、長さ6キロの断崖美と奇岩・洞門が織りなす歴史ロマンを満喫する旅。 押し寄せる波がつくりあげた海の芸術とともに、クルージングの醍醐味をたっぷりとお楽しみ下さい。

●蘇洞門めぐりについて | 若狭観光、福井観光は若狭フィッシャーマンズワーフへ

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「鎌の腰」に始まり「大門・小門」まで、奇岩や洞門、そして滝に名前がつけられており、遊覧船の船内ではその音声ガイドが流れる。

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花崗岩の柱状節理にはたくさんのまっすぐな亀裂が入り、浸食され、様々な景観を作り出している。

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江戸時代からの景観地だそうで、もともとは「外面」「背面」だったものに、中国の景観地っぽい漢字があてられたのだとか。

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若狭フィッシャーマンズワーフは、巨大な物産ショップとなっている。
お土産に手頃でパッケージもお洒落なものが多く、観光バスもきて賑わっていた。

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昨日ゲストハウスでご馳走になった若さの梅酒もここで販売されている。
もちろん地酒なども。

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蘇洞門めぐりの後、荷物をとりにゲストハウスにバイクで戻ってきた。
これはゲストハウス向かいの建物。

夜到着した時は全くわからなかったが、このあたり一帯は古い建物が多数残っているエリアだった。

荷物を積んでいると近所の男性が「香取ってどこ?」と私のナンバープレートを見て話しかけてきた。

「千葉県にあって、成田空港と銚子港の間あたりなんです。香取神宮という大きな神社があるところで」

いつも通りの回答をすると、「あ、香取神宮なら知ってる」と。「ここ旧市街なんだけど、少し先に香取って地区があってな」と。

なんでもこのあたり一帯、区画整理をした際に全国の大きな神社の名前をつけたそう。

「ここは鹿島なんや」

えええっ!鹿島は私が子供時代に10年住んでいたところですよ!!!
そして観光客も多く訪れる少し先の古い街並みが残っているエリアは「香取区」というのだそう。

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びっくり。
実際に訪れたらこんな看板まであった。区画整理は明治時代に行われたそう。「千葉県香取神宮にちなんで」という説明まである。香取ナンバーの自分が訪れたのは運命だったのか。

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まるで京都の路地を歩いているような、古い街並みがそのまま残っていた。宿泊施設やカフェなどもある。
もともと料亭や旅館が多く立ち並んでいたエリアで、「三丁目」という呼び名もあるそう。

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そして小浜を出発。
ここからは、若狭湾ならではの複雑な海岸線が続くエリアだ。

なので海沿いの道でもトンネルが次々と現れ・・・

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トンネルを抜ければ山道だ。

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そして海が見える場所まで出てきても水平線はわずかで、ぎざぎざの陸地が海に突き出ている。

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ゲストハウスのオーナーさんが「三方五湖の周辺は梅が特産」という話をしており、自分も梅酒をご馳走になったが、そんな話を聞いていなかったらこれも見落としていたかもしれない。

梅の畑が一面に広がっていた。

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三方五湖。
その名の通り5つの水路でつながった湖だ。

若狭湾一帯が沈降してできたものとのこと。

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三方五湖の先に、常神半島(つねがみはんとう)という細長い半島がある。
西側にしか道がなく、行っても折り返すことになるのでどうしようか悩んだが、せっかくなので行ってみた。

海沿いだけを走れる。
途中に小さな集落もあった。

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ここまで。

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わかって来てるけど、やはり同じ道を戻るというのはちょっとかったるい。

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前日ランチを食べそびれて午後少しばててしまったので、今日はしっかり食事をとることにした。行きに見かけていた三方五湖の水月湖畔にあるドライブインよしだ。

大きな窓ガラスから穏やかな湖とその奥の山々を見ながら食事できるレストランだ。

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店内にはたくさんの梅干しも売られていた。

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いただいたのは冷やし梅うどん。
うどんにも梅なのか赤紫蘇なのかが練り込まれていてピンク。さらにトッピングされていた梅干しが柔らかくてふっくらしていて本当に美味しい!

思わず会計時に近くに置かれていた小袋の梅干しを買ってしまったほどだ。

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このドライブインのすぐ前から、「三方五湖レインボーライン」という有料道路が始まっている。

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ドライブインの奥さんの話によると「走りやすい道」ということなので、物は試しで。

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観光客以外にはあまりこの道を使うメリットがないのだろう、道はガラガラだった。
この景色が眺められるのなら利用して正解。

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下り道もなかなか楽しかった。

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続いて敦賀半島へ。

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ここの西岸にある「水晶浜海水浴場」は、遠浅で透明度も高く、非常に美しいビーチとして高い人気を誇っているのだとか。

この日は久々、雲がでていて日差しはやや遮られていたが、それでも確かにキラキラ輝く海だった。そして海水浴にきている人もたくさん!

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その少し先には関西電力の美浜原発がある。
既に1、2号機は廃止が決まっており、解体作業も進んでいる。海沿いの道にはひっきりなしに大型トラックが走っていたが、その多くはこの発電所関連なのだろう。

ちなみに敦賀半島は、反対側にも別の原発施設があり「原発半島」とも呼ばれている。

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せっかくなので、発電所にのびる橋のすぐ手前に作られたPRセンターにも立ち寄ってみた。

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周辺設備解体から原子炉の解体、放射性廃棄物の処理、そして最終的な建屋解体に至るまでの行程なども展示されていた。既に解体工事中なのかと思ったら準備段階で、最終的には30年かかるそう。社会人生活の大半をこれに投じる人もたくさんいるのだろうなあと。

ちなみに駐車場で交通整理をしていた男性に「香取ってどこ?」と声をかけられ、しばし雑談することに。小型バイクでそんなに走るのはすごいと何度も言われた後、でもこの先もずっとそれじゃ大変すぎる。いい方法があると。何かと思ったら・・・

「敦賀まで行ってフェリーに乗れ」

そうすれば北海道まで行けるぞと。何もこんな暑い時に暑いところを走るより、北海道のほうがいいだろうと。

いやいや、今回の目的は日本海沿岸なんですよと笑って答えたが、そういえば北海道一周沿岸ツーリングの時、関西から来ていた人の多くが敦賀からのフェリーだったなと思い出した。

「ここ(敦賀)は、北海道にも九州にも行きやすいんだ」とのこと。確かに。

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敦賀の気比松原。
三大松原のひとつで赤松がニョロニョロ。

かなり広く、まっすぐな道もきれいで気持ちがよかった。

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敦賀にも赤レンガ倉庫街がある。
といっても舞鶴と比べると小規模でここくらい。

中にはお洒落なカフェとレストランがあった。

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雲が出ている分日差しは和らぎ、風もあって少しは過ごしやすくなっていた。
それでも34度!17時過ぎで海沿いだというのに。

バイクで走っている分には風もあり問題ないのだが、バイクを停め街歩きを始めるとどっと汗が噴き出す気温だ。湿度も高いし。

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敦賀は、日本海沿岸ツーリングにとってひとつのターニングポイントでもある。
若狭湾がその最たるものだったが、ここまでの海岸線は非常に入り組んだリアス式海岸が多かった。

敦賀から先はがらり変わり、能登半島の一部を除くとまっすぐな海岸線で、道も海岸線すぐの場所で比較的まっすぐ伸びている。

上の写真の道は、漁火街道と呼ばれる国道305号線。
敦賀から越前岬、東尋坊までをカバーする越前海岸を見ながら走れる非常に快適な道だ。

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越前岬の少し手前には温泉地もあり、旅館が多数並んでいた。

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気付けば日も傾いてきた。
サンセット風景の中を走れるのはうれしいが、一方で軽い焦りもある。
今夜はキャンプ場に宿泊なので、なんとか暗くなる前に到着してテント設営したい。

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巨大な岩が突如目の前に立ちはだかる。
このあたりがおそらく越前岬。

道沿いに何か「越前岬」モニュメントなどがあるだろうと思い込んでいたのだが、見つけられないまま通過してしまった。

写真に写っている崖の一番左端のところは「鳥糞岩(とりくそいわ)」という酷い名前がついており、約100mの断崖の先端が海鳥の生息地になっていて、糞で真っ白に染まっている。

●鳥糞岩|観光スポット|観光したい|えちぜん観光ナビ

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崖崩れの工事で片側通行になっているところも何か所かあり、ここはそれでは対処できなかったようで、海上に臨時の迂回する道が作られていた。

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弁慶の洗濯岩。
ここで日没を迎えた。

キャンプ場はここからさほど遠くない「鮎川園地キャンプ場」というところ。
事前に電話して最終受付時間を聞いたのだが、陽気さが伝わってくるような女性が「それよりも安全運転できてちょうだいね」と言ってくれたのがとても暖かかった。

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そして何とかまだ明るさが残っているうちに到着。
この辺りには他にもいくつものキャンプ場があるが、Googleの口コミではダントツにここがよかった。

実際、管理人の女性の方は本当に明るい気持ちのいい方で、ニコニコしながら炊事場の掃除などし、私にもいろいろ話しかけてくれた。

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テントエリアにバイクも持ち込んでいいというのもうれしい。

福井はやはり夕陽がきれいだ。
そしてキャンプ場のすぐ前の海も、洗濯岩同様、ぎざぎざの不思議な形の岩場が広がっていた。

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その後、割引券をもらった日帰り温泉施設「波の華」へ。
ここの休憩室で写真をパソコンに取り込む作業をしようと思った・・・のだが、なぜか満充電だったはずのパソコンは30分でバッテリー切れ。どうも日中勝手に起動しちゃっているようだ。

仕方ないので予定切り上げキャンプ場に戻ることに。

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キャンプ場まで戻ってきて、毎日恒例の一分間腕立て伏せして、温泉で買ってきた缶ビールで軽く晩酌。目の前の海は、三日月に照らされたラインだけが細かく輝いていて幻想的。ソロでの利用が多いようで、キャンプ場はとっても静か。さざ波の音と虫の音だけがこだまする。

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ツーリング途中にAmazon注文し京丹後で受け取ったエアーマットは今夜が初利用。
球体の部分を手で押すと空気を入れることができるということだったが、口で吹き込んだほうがはるかに速かった。

空気量は少なくてもしっかり膨らみ、そして地面の凹凸が一切響かず、寝心地はもともと持参したインフレーターマットよりずっといい。ただこれだけだと落ち着かないので、結局このエアーマットの上にインフレーターマットを重ねて寝ることにした。

明日は遂に・・・東尋坊だ!そして千里浜なぎさドライブウェイだ!!!

▼日本海沿岸ツーリング9日目<鳥取県鳥取砂丘~福井県福井市>(7分51秒)