<小型バイクでツーリング>日本海沿岸ツーリング

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沿岸ツーリングもこれがラストステージ!小型バイク「クロスカブ」に乗って山口県下関市を出発し、日本海側の沿岸を東進北上し青森県八戸市まで23日間で3,714キロを走りました。
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【10日目】東尋坊で"がけっぷち"Tシャツ、そして千里浜なぎさドライブウェイ!

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キャンプで好きな時間帯は朝。特に目覚めた直後。
鳥や虫の鳴き声が薄いテント越しに四方八方から聞こえてきて、海辺なら波の音も。

今日の空模様はどうなんだろう、暑くなるのかしらんとか思いながらテントのジッパーをあけると飛び込んでくる緑と青、そしてちょっとひんやりした風。

この鮎川園地キャンプ場はバイクをテント脇に停めてOKだったので、なおさら気分があがる。

ちなみにバイク越しに見える茶色い山並は・・・


▼日本海沿岸ツーリング10日目<福井県福井市~石川県羽咋市>(7分52秒)

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キャンプ場目の前の海にまっすぐ伸びる、ぎざぎざの奇岩の岩場だった。

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鮎川園地キャンプ場を出発して最初に向かったのは「道の駅みくに」。
今回初めて知ったのだが、「花らっきょ」がこのあたりの特産らしい。レストランでは「らっきょうラーメン」「らっきょう炒飯」も食べられる。らっきょう好きとしては非常に気になる。

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ここで手に入れたのが「三国探索マップ」。
福井県の三国町といえば・・・

「東尋坊」

今回の沿岸ツーリングの中でも、期待の訪問地のひとつだ。
そして三津七湊のひとつ「三国湊」は、北前船の寄港地として栄えたところでもある。

●三国観光協会公式サイト | 東尋坊・越前がに・三国温泉 見どころ、遊びどころ満載

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地図を見ながら、古い街並みが残っている通りをバイクで散策してみた。

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豪商・森田家が創業した森田銀行の本店として1920年に建てられたもの。建物内部の見学もできるそうだが、今回は外から見るだけで。

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細い路地に昔ながらの趣ある木造の家が立ち並ぶ、なんとも風情ある街だった。

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特に観光スポットということではないのかもしれないが、えちぜん鉄道の終点「三国港駅」も時間があれば立ち寄る価値ありだ。

昭和初期が舞台の映画にも登場しそうなレトロ駅舎。

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反対側に目を転じるとアーチ型の橋。
なぜあんな場所に唐突に橋が?と思ったが、後でGoogleマップで確認したところ「眼鏡橋」という名前で、その上には車も通れる道が走っていた。

ああ、あの橋の上もバイクで走っておけばよかった・・・

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そして遂にやってきました・・・

東尋坊!!!

子供のころからその名は何度も聞いていたが、実はどのあたりにあるのかすらつい最近まで知らなかった。

自殺の名所とか、いのちの電話があるとか、土曜ワイド劇場とか火曜サスペンスとか。「東尋坊」といえば、それらサスペンスもの2時間ドラマに登場する俳優・女優さんの顔もぽんぽん浮かんでくるほどだ。

で、この正面の看板に導かれるように向かったのが・・・

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東尋坊タワー。

なんというか、下の建物から上部展望台部分に至るまで漂ってくる限りない

昭和感。

よく生き残っていたなあ。

位置関係的に疑問だったのでネットで口コミを調べたところ、「ここから東尋坊は見えない」とのことだったので、有料の展望タワーには登らず。

ただ駐車場料金は払ってしまっていたので、ここにバイクを置いたまま東尋坊観光に向かうことに。

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そしてこの東尋坊までの参道的な商店街もまた、タイムスリップしたかのような懐かしさを覚えるところ。

たくさんのお店がずらり並び、とても活気がある。
関東の人なら、湘南・江の島の橋を渡った後のお土産物屋さんストリートを思い浮かべてほしい。

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そしてどの店も、半端ない気合の入り方だ。
思わず目が点になってしまうほどに。

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途中から少し下に下がり、商店街もそこで終わりという崖ぎりぎりのところに目指す店があった。

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知人から事前にFacebookで店長さんを紹介してもらっていたお土産屋さん「ギャラリーあしや」だ。

●ギャラリーあしや | 東尋坊・越前がに・三国温泉 見どころ、遊びどころ満載

まさかこんな一等立地の店とは思っていなかった。

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人気商品はこれ。
ここでしか買えない東尋坊限定の・・・

「がけっぷち」Tシャツだ。

実はこれを買おうと事前に決めていて、ツーリング荷物からTシャツを除外していたほど。

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店長の佐原さんと。
ちなみにこうした面白Tシャツ好きの自分。

「がけっぷち」だけでなく、「大丈夫」Tシャツまで買ってしまった。背中には「根拠のない大丈夫」と、前面には「なんとかなる」と書かれている。

そしていよいよ、楽しみにしていた東尋坊。
34度という暑さで、10分程歩いてここまで来ただけで汗だくになったが、本番はここからだ。

岩場に生えた草木が吹き飛びそうな強風。
厚くたちこめた灰色の雲。
日本海の荒々しい海と、波しぶき。

これぞ「ザ・火曜サスペンス劇場の世界」

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・・・は、あまりに天気よすぎ、片鱗すらなかったが。

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崖下を覗き込むと、足から腰にかけて電流が走る。
これは怖い。

東尋坊は波の浸食によって荒々しくカットされた断崖絶壁が続く奇勝地。 そんな大迫力の東尋坊が、三国町の海岸線約1kmにわたり続きます。 「輝石安山岩の柱状節理」という、地質学的にも珍しい奇岩は 世界にも東尋坊を含め3ヶ所しかないと言われ、国の天然記念物に指定されています。

●東尋坊|国の天然記念物 東尋坊を堪能する | 東尋坊・越前がに・三国温泉 見どころ、遊びどころ満載

本当はあともう一歩前に出て手をいっぱい伸ばして写真を撮ればさらにスリリングなものができるとわかりつつ、その"あと一歩"が無理。

それでも念願の東尋坊に来たのだから、最高の記念写真が撮りたいと、崖の岩場を慎重に上り下りしながら、誰もいない崖の先端の上まで登って撮った写真がこれ。

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我ながら頑張った!

ちなみに右手に持っているのはスマホで、それでアクションカメラ「GoPRO」をリモート操作して撮った写真だ。

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ちなみに下りてきた岩場はこれ。
こちらを見ている人たちの目は「よくあそこまで行ったなあ」というもの。

下りるのはいいとして、上ってあそこまで戻れるのだろうか???と不安になったが、実はこの写真の左側のほうに、なんなく登れる草地があった。

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予定していなかった遊覧船にも乗ることにした。

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断崖絶壁はやはり海から見上げたほうが面白い。

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最後は、さっき自分が記念写真を撮った崖下の狭い入り江に船を突っ込んでくれた。中でUターンできる幅は全くないので、そのまま後進で脱出。風も波もある冬の時期もこれやるんだろうか。だとしたらすごい操船テクニックだ。

柱状節理の絶壁は迫力があった。

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一角に、海面とさほど高さ変わらない「千畳敷」がある(右側の屏風のような岩の裏側)。

なぜここだけ?というと、砕石が行われ防波堤などの基礎石として運び出されたからだそう。確かに程よい大きさと形に切り出しやすそう。

火サスの女王と帝王、片平なぎさや船越英一郎が最後犯人を追い詰め、犯人が崩れ落ちて自白をする場所がここ。

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命の電話もちゃんとあった。

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いやほんと。

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さきほどギャラリーあしやが商店街の一番崖よりという話をしたが、実はそこから階段を下りた場所にもう一軒、とってもお洒落なカフェがある。

その名も「IWABA CAFE」。
鳥取は「すなば」そして福井は「岩場」ということらしい。

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単なるダジャレ店ではなく、お洒落で洗練されたビーチサイドカフェだ。

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バイクで少し走り雄島へも。
朱塗りの橋をわたっていった先には大湊神社がある。歩いて散策できる島だそうだが、これ以上歩くと日射病になりそうなほどの暑さだったので断念。

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そして県境を越え石川県に。

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ツーリングマップルを見てなんとなく立ち寄った加賀市橋立の「北前船の里資料館」。それほど大きな期待をせずに訪れただけに、非常に面白かった。

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資料館の建物は明治9(1876)年、橋立の北前船主酒谷長兵衛(さかやちょうべえ)が建てたものです。 酒谷家は江戸時代から明治時代にかけて6隻の船を所有し、巨額の富を築きました。 敷地面積は約1,000坪、オエと呼ばれる30畳の大広間には8寸(約24cm)角のケヤキの柱、巨大な松の梁、秋田杉の一枚板の大戸など、最高級の建材を使った建物からは、船主の豪勢な暮らしぶりをうかがい知ることができます。

●加賀市 橋立 北前船の里資料館

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建物自体はもちろん、陳列されているものがとても興味深い。
これは昔の為替手形。とってもいい状態で残っている。

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真剣に見てしまったのがこれ。
実は初めて聞く単語なのだが「引札(ひきふだ)」というものだそう。

建物ひとつが、引札のギャラリーになっていた。

「引札(ひきふだ)」とは現在の広告チラシにあたるもので、当資料館で所蔵している引札は大阪から瀬戸内を経て、日本海の各港に寄港して北海道に至る北前船の特徴がよく表れています。 引札の発行された地域は大阪、瀬戸内の諸港、山陰、北陸から東北までの日本海側の諸港、北海道のものがほとんどで、発行者は船問屋をはじめ、茶・藁製品・塩・紙などの商店などのものです。

多色刷りで、レイアウトも凝っているし、どれもがとても個性的。きっと今の商業デザイン同様、その時々での流行りなんかもあったのだろう。船問屋や商店が、全国の北前船の船主に毎年の挨拶を兼ねて配っていたのだという。

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時間があったらこの資料館、もっとゆっくり見ていたかった。

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冷房のない建物内も暑かったが、やはり外にでてくると日差しが痛いほど。この炎天下にバイクを停めたら、10分でも熱々になって触るのも大変なほどになってしまうので、必死に日蔭を探す。

写真は駐車場だが、車を停めるスペースには一切日影がなかったので、建物左側に停めさせてもらった。

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謎の石の木塚。

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さらに進むと、車やバイクで入っていける砂浜「内灘ビーチ」に。
実際何台もの車が波打ち際に停められており、タイヤ痕もたくさんついていたので、あまり何も考えず入ってしまったら

さあ大変!

最初の細い入り口部分はよかったのだが、次第に本格的な砂浜エリアに突入し、暴れ馬のようなバイクを必死に操るも、最後はハンドルをとられてまっすぐ進めなくなり・・・

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ここまで。
その後もしばらく粘ったが、結果は・・・

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押して歩くことに(涙)。

タイヤがかなり砂に沈んでいることがわかるだろう。正直、砂にタイヤが食い込んで押すのも大変。アクセルを開けて進んだので、時折バイクが暴れ、右足の脛や足首をしこたまバーにぶつけてしまい、青あざ作ってしまった。

なぜこんな思いまでして砂場に突入したのかというと、この日東尋坊と共にもうひとつのハイライトがあり、それに向け「ちょっと事前練習」しておこうと思ったからだ。

それは・・・

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「千里浜なぎさドライブウェイ」

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日本で唯一、砂浜を車やバイクで走ることができる道として、バイク乗りにも大人気の道だ。
まっすぐな砂浜の道は、まるで舗装されているように真っ平で非常に走りやすく、先程苦戦した「内灘ビーチ」とは全くの別物。

本当に気持ちがよかった!

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最初にこの話を聞いたのは、クロスカブを買ってまだまもないころ、青山のホンダ本社前で開催されたカブ乗りのためのイベント「カフェカブミーティング」でだ。

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スーパーカブに乗って全国をソロツーリングしている人達から、「砂浜を走れる道がある」と聞いて、いつか絶対に走ってみたいと思っていた。

何しろ自分は6年間もの間「沿岸ツーリング」を続けてきた人間だ。
沿岸も沿岸、砂浜を走れるなんてまさに・・・

「沿岸ツーリングの聖地」

ともいえる場所じゃないか。

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晴天続きだったからこの日はなかったが、日によっては細い川が道を横切っていることもあるようで、そんな看板も設置されていた。

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ここ、「SSTR(サンライズ・サンセット・ツーリング・ラリー)」のゴール地点としても有名な場所だ。日の出とともに太平洋岸など日本の東側を出発し、日没までに日本海側であるここ千里浜なぎさドライブウェイに辿り着かなくてはいけない(ルートは自由)というもので、昨年末からカブの集まりにちょこちょこ顔をだすようになり、参加経験のある人達からよく話を聞くようになった。

●SSTR(サンライズ・サンセット・ツーリング・ラリー)

今年5月に開催されたSSTR2019では、Facebookでつながっている人たちの感動のゴール写真が次々アップされてきた。

あとで動画をYouTubeにアップロードしてここにも貼り付ける予定だが、360度カメラ「THETA S」も取り付けて走行した。

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何より日没時。

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真っ赤に染まった水平線を見ながら走れたのが最高だった。

▼千里浜渚ドライブウェイ(2分3秒)

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千里浜なぎさドライブウェイがなぜ誕生したかその経緯が刻まれている。
観光バスの運転手さん・・・やんちゃすぎだろw

まさかそれがこんな、全国から人が集まってくる観光名所を生み出すとは。

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この日の旅館は、その千里浜なぎさドライブウェイの北端からも近い石黒旅館。ここまでゲストハウスとキャンプ場にしか泊まっていないので、初めての「普通の旅館」だ。単に安くて直前でも空きがあったからここにしただけなんだけど・・・

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「自分、宿泊料金を見間違えてないか?」

と心配になるほど立派な旅館。

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素泊まりとは言え、なぜこの部屋が3,900円なんだ?!
うれしいけど、とっても。

東尋坊に千里浜なぎさハイウェイ。
出発前からワクワクしっぱなしだった二か所を同日体験するという充実の一日だった。

そして舞台はいよいよ能登半島。
日本海沿岸ツーリングの中間地点でもある。

残り半分!!!
(ってまだそんなにあるのかよ)

▼日本海沿岸ツーリング10日目<福井県福井市~石川県羽咋市>(7分52秒)