【14日目】佐渡ヶ島をぐるっと一周~島最北端の二ツ亀で眺める日没
新潟市内の古民家ゲストハウスでは、珍しくもうひとり女性一人旅行中の人と同室になった。連続した休みだけど何も予定がなかったので急遽思い立って佐渡島に行くことにしたのだとか。
▼日本海沿岸ツーリング14日目<新潟県佐渡島(両津港~小木~二ツ亀)>(11分7秒)
実は私は前日夜になっても悩んでいた。
佐渡島に渡るべきかどうか。
予備日の大半を隠岐諸島で消化してしまったので、台風がじわじわと近づいてきている今、なるべく先に進んでおいたほうがいい。ただ佐渡島は、数年前に両親とツアー旅行で来た際、「この道をバイクで走れたらどんなに気持ちがいいか」と思った島でもある。なかなかこんなところまで来る機会もない。
結局、超早起きし、朝一番のフェリーに乗って佐渡島へ向かうことにした。
バイクを停めていた建物内の駐車場のゲートがあかないというトラブルが発生し、乗車がぎりぎりになってしまったフェリー。今回はずっとこんな調子だ。
そして世の中はもうお盆休みに入っていた。
ぎりぎりで乗船したら、二等船室はもうイモ洗い状態。無理やり入り込めないことはないが、そんな狭い場所で体育座りして過ごすのもつらいので・・・
新聞紙。
新潟港を出港した佐渡汽船のフェリーは、しばし信濃川の広い河口近くを走行する。
そこに登場して盛り上げてくれるのがカモメたちだ。
餌を放り投げると見事なキャッチを見せてくれる。
自転車にリヤカーを取り付けた旅人もいた。
コネクトするアームが片側だけというところが大きなポイントだ。
船内では佐渡島の地図を見ながら、立ち寄り場所などを予習した。
佐渡島上陸!
まず向かったのがガソリンスタンド。
実はカラカラだった。他の場所ならともかく、佐渡島では港周辺の中心部で給油しておかないとやばいことになる。
佐渡島は歴史古い島なこともあるが、神社が非常に多い。
島をぐるっと一周する幹線道路があるのだが、
「どうせなら徹底的に外周攻めちゃる!」
しかしここは攻めすぎた。
ガードレールすらなく左側はすぐ海。
こんな海ぎりぎりの場所でも、塩の影響受けずに稲作ができるのかという事実に驚かされた。
朱鷺復活のため、コメ作りでも農薬・化学肥料を減らし、環境保全型の農業を推進している佐渡島。
起伏もある地形なのでそれほど広い田んぼはなく、なかなか大変そうだ。
姫埼灯台についてびっくり。
小さな駐車場に停まっていたバイクは、私とまったく同じ赤いクロスカブだったのだ。
この後、灯台に向かっている途中で明らかにバイク乗りだろう男性とすれ違い、思わず「赤いクロスカブの方ですよね」と話しかけてしまった。その男性は私が灯台から戻ってきたらまだ駐車場にいて、驚きの発言をした。
「・・・あの、違ったら失礼なのですが、ブログをやられている方ではありませんか?」と。びっくり!
リアケースとかサイドバックとかを見て既視感を覚えたのだという。
すごいなあ、赤いクロスカブなんて今はあちこちで見かけるようになったのに、ブログにアップしていた写真で特徴を覚えていてくれたなんて。うれしすぎる。
灯台のすぐ下は規模の小さなキャンプ場になっていた。
テントが張れるスペースはわずかしかないが、環境と展望は最高だ。
メッシュをかぶせたコットも見かけた。
テント張らず、ここで寝ているのだろうか。
テント内と違いきっと涼しく快適なのだろう。この寝方ができる男性がうらやましい。
白い姫埼灯台。
佐渡島南部の海沿いの道はこんな感じ。
朝のフェリーに乗っていた大量の観光客たちはいったいどこに吸い込まれていったのだろうと首をかしげたくなるほど、道はガラガラだった。時折、自転車のチームの人たちを追い越すくらい。
観光マップはかごに取り付けた。
いやー!
ちょっと悩んだけど、やっぱり佐渡島に来てよかった!
キャンプ場の数も半端ない。
合宿などで来ている人たちもいそうだ。
佐渡島の有名な蔵元、北雪。
赤泊港。
すぐ近くを大きなカーフェリーが航行していた。
私が乗ってきたのと同じ佐渡汽船だが、カタマラン型のこのフェリーは直江津港と小木港の航路を走るあかねだ。
復元された千石船が見れるということでやってきたのは、佐渡国小木民俗博物館。
この大きな建物は、併設された千石船白山丸展示館だ。
迫力の大きさ。
佐渡ヶ島小木地区の船大工のほか、陸前高田や大船渡の船大工も加わって建造されたそうで、全長は23.75メートルの船。
年に一度だけ、この船を展示館から引き出して帆を張って展示するお祭りが開催されるそう。
この白山丸、船に乗り込むことができ、階段を下りて船内を見学することもできる。
中にも入れる。
佐渡国小木民俗博物館は、廃校になった宿根木小学校の校舎をそのまま活用したところ。
木造のレトロな校舎は、これ自体に大きな価値がある。
3年生の教室はそのままの状態で残されている。
映画の世界に飛び込んできたかのよう。
それ以外の部屋には、昔からこの地区で使われていた日常生活や漁業の道具などが、所狭しと陳列されていた。
たくさんありすぎて、収納しておくところもなく、全部並べちゃえという感じなのかもしれない。
前回両親と乗ったたらい船。今回は遠くから写真を撮って終わり。
入り江の小さな集落。
真っ黒な瓦屋根の立派な家が立ち並んでいた。
海の色も本当にきれい。
自分はバイクで走り去るだけのせわしない旅だが、テント持参して数日のんびり過ごしたら素敵だろうなあ。
南端を回り込んで西側の海沿いに出ると、アップダウンのある道も増えてきた。
立ち寄ったのは、海沿いの高台に建つベーカリー&カフェしまふうみ。
建物の海側には広いテラスと芝生エリアがあり、そこで海風に吹かれながらランチをいただける。
朝から走りっぱなしで疲れていたのと、芝生エリアの風があまりに気持ちよく、カレーが出てくる前に寝ちゃいそうになった。
島の南半分を回り終え、再び中心部のくびれた市街地にやってきたので給油。
さらに買い出し。
島最北端のキャンプ場を予約したのだが、ここで食材を買っておかないとおそらくお店はこの後どんどんなくなっていくはずなので。
ここからは、佐渡島北部西岸の風景だ。
最北端は非常に険しい山で、ここの道はかなり急な崖に作られたヘアピンカーブの道。白い構造物は道を支えているものだ。
それがここ。
道も非常にきれいなので、おそらく比較的最近作られたところなのだろう。
前回バスツアーで訪れた際、島北部の西側は大型バスでは走れないという話をガイドさんがしていたが、来てみて納得だった。
最後は、奇岩もにょきにょき生えている海岸線を走り・・・
素掘りのトンネルを潜り抜け・・・
日没前にSADO二ツ亀ビューホテルに到着。
といっても泊まるのはこのホテルに併設されたキャンプ場だ。
ホテル敷地から海側に少し降りていった傾斜地で、芝生もきれいでとっても快適なキャンプ場。
すぐ目の前に浮かぶのが佐渡島北部最大のというか唯一の観光スポット、二つ亀だ。
キャンパーはかなり来ていたが、敷地も広いので場所確保は問題なし。
最北端なので・・・
夕日と朝日、両方が拝める立地だ。
家族でカップルで、芝生に座りながら、日本海に沈む夕日を静かに眺める人たち。
私も缶ビールを飲みながらクールダウン。
今日もよく走った!
▼日本海沿岸ツーリング14日目<新潟県佐渡島(両津港~小木~二ツ亀)>(11分7秒)