【20日目】青函連絡船「八甲田丸」乗船~夏泊半島を走る
「風の岬」という別名を体感した夜。
台風直撃ではなかったものの、進路のすぐ東側で、風の通り道となった竜飛岬は・・・
ホテルの室内にいても外の暴風状況が大迫力で伝わってきた。
バイクはホテル建物すぐ脇の、風から守ってもらえそうな場所に停めてきたが、倒れてどこかに吹き飛んでいないかもう心配で心配で・・・。
幸いバイクは葉っぱがたくさん張り付いていた以外無事。
台風も完全に通過し、すごい勢いで雲が追いかけてゆくのが見えた。
風はまだ強く、徒歩で散策してみたが、このモニュメントの近くでは突風が吹くと転びそうになるほど。
階段国道の途中にも、折れた木の枝などが散乱していた。
問題はバイク。
なるべく早く出発したい気持ちはやまやまだが、ホテルの駐車場とその前の道の風が強すぎる!!!
せっかく青森県まで無転倒でたどり着いたのに、ここで土をつけるわけにはいかない。部屋の窓から前の通りをしばらくウォッチし、2台ほどのバイクが通過していくのを確認し、私も出発することにした。サイドスタンド外して足でバックさせただけでよろめくほどだったがなんとか出発。
幸い、ホテルのある高台から海沿いの道まで下りてきたらもう、それほど風は強くなく、何も不安なく走行できる状態だった。
これでもう台風を心配する必要もない。
この後は青森市を通って下北半島、そして八戸ゴールまで走り続けられる!
なぜ自撮りしたのか失念。
義経寺は通過し・・・
やってきたのは青函トンネルの本州側入り口。
売店の女性に「もうすぐ来るわよ」と言われ、あわてて高見台に。
早い!長い!
再び海沿いの道を南下。
波が結構たっている。
お昼は袰月(ほろづき)海岸の公園の一角にあるラーメン屋さんで。
とても丁寧に作られている感じの名物ラーメン。
味はまあ・・・割と普通かなあ。
このラーメン屋さんで地元の観光ガイドパンフレットを見ていたら、先端のほうに高野埼灯台と2個の赤い太鼓橋があり、その橋を渡って岩場を歩きながら、水中の生き物の観測などができるのだという。
それは面白そうだ、行ってみようと思い歩いて行ったら・・・
え?あそこ???
岩場に生息する生き物を観察するどころか、あんなところ歩いたら波にさらわれ、海の藻屑となっちゃうんじゃないのか???橋の階段の途中まで波が打ち付けている。
無理だろ!ここ渡るの!!!
台風の影響でなのか、単に満潮と干潮の時があって、歩けるのは干潮の時だけということなのか。
それでも勇気を出して一個目の橋までは行ってみたが、この先はもう絶対に無理。
赤根沢の赤岩。
ほんとうに真っ赤。
小高い丘上のところを切り開いて道路を作っている場所も。
海に続く赤い鳥居。
海を挟んで反対側の下北半島もよく見えた。
かなり高い山々が連なっている。
気になるのは、この後自身が走る海沿いの道だが、おそらく岩肌が剥き出しになっている場所あたりは、道もなかったりするのだろう。・・・険しそうだなあ、下北半島。
突如現れた高い建造物。
結局これがなんだったのか今もわからない。
海と下北半島とバイク@津軽半島。
津軽半島の南のほうは、海沿いに大きな倉庫のような建物が点々と並んでいた。
どうもカキ養殖の関連施設のよう。
半分海にせり出しており、海側にスロープも作られている。
大量のネットも山となっていた。
あと浮き球も。
漁港。
等間隔に並ぶ白い物は・・・船?
そして海越しに見えてきたのは青森市中心部。
白い建物が多いようだ。
前回訪れたのは確か、東日本大震災があった2011年の年末。駅前の自転車置き場が放置自転車ごと雪で覆われていてびっくりした記憶がある。
ここからはなるべく海沿いの道を行くことにした。
おそらく漁業関係者しか通らないのだろう。両側には網と浮き球が山積みで、建物も漁業関連のものばかり。
津軽海峡フェリーターミナル。
あまりに近代的で驚いてしまった。
駐車場に車を停め、建物内でチケットを買って・・・というスタイルしか知らなかったが、ここは高速道路のインターのように、ゲートでチケットを買えばいいらしい。しかも無人ゲートまである。びっくり。
美しい青森ベイブリッジ。
最初に訪れたのは、三角形の建物が遠くからでも非常に目立っていた青森県観光物産館アスパム。
お土産屋さんがぎっしり入っていて、リンゴ100%ジュースが美味しかった。ドイツビールイベントも開催されていた。
名前にやられてつい買っちゃったのが「いかを干して造ったいか塩辛」。ブドウを干して造った赤ワイン的な濃厚さを期待して。
そこから青森駅の周辺エリアに。
青森駅はもともと、奥羽本線の終点であるとともに鉄道連絡船である「青函連絡船」の始点でもあったので、海ギリギリのところにある。
地図で見るとそれがよくわかる。
かつて本州と北海道を往復した青函連絡船「八甲田丸」が停泊しており、中を見学できるようにもなっている。
そしてもうひとつ、Facebookで教えてもらって知ったのだが、青森駅前にとってもお洒落なカフェにレストラン、お土産屋さんなどの複合施設「A-FACTORY」ができていた。
ここだ。
ここが本当にすごかった。期待値以上。
売っているお土産がどれもとってもお洒落。
そして300円前後のプチプラものが多いのもうれしい。
ツーリングもあと少しなので、ここで細かいお土産をいくつか購入した。
あと国際的な賞も受賞したというシードルが販売されており、そのスタッフの方に説明も受けて同じくお買い上げ。
青森に行くなら、ここは絶対立ち寄るべえきスポットだ。
滅多にここまで来れないので、青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸にも乗船した。単に船内が見れて、当時のパネルなどが展示されているくらいかなと思っていたら・・・
なんともリアルで愛嬌のある等身大の人形がいっぱい。
昭和の懐かし風景がたくさん作られていた。
もちろん青函連絡船の一般的な展示も。
飾り毛布。
ひつじ、富士山などいろいろ。
航行距離が短いから(片道4時間弱)、ベッド付の個室があるというイメージがなかった。
操舵室。
見学客かと思ったらここにいたのも人形だった。
車両甲板。
青森駅から専用のレールの上を走って乗船するので、床には線路が。
実は中国の海南島にいた時に一度、電車に乗ったまま船に乗り、島から大陸へと渡ったことがある。なかなか不思議な感覚だ。
電気系統の部屋。
船へと続く線路。
展望台はこちらみたいなことが書かれた階段があったので、暑い中ぜーぜー言いながら一生懸命登ってきたら、なんのことはない、青森ベイブリッジの橋の歩道にでた。
さっきここバイクで走ったよ!!!
まあバイクではこんな写真も撮れなかったのでいいんだけど。
そして青森市を出発し東へ。
片側三車線のこんな太い道を走るのは久しぶりかもしれない。
って、これ国道4号線だったのか!!!
東京・日本橋が起点で、埼玉を経由して東北をずっと北上する道ということは知っていたが、そのほとんどが内陸なので沿岸ツーリングでも走ったことはほとんどなく、終点が青森市内なことも実は今回初めて知った。
「国道4号=日光街道」で覚えちゃっていたからなんだろうなあ。
大きな弧を描いて伸びる湾。
大型ホテルが立ち並んでいるのは浅虫温泉。
そして夏泊半島もずっと海沿いの道。
実は夏泊半島の先端にあるキャンプ場に泊まる予定で、途中のコンビニかスーパーで食料を買おうと思っていたのだが、夏泊半島・・・
「なにもない!!!」
いくつか集落があるのだが、コンビニはもちろん食料品店もほとんどないのだ。失敗した・・・
そしてキャンプ場に到着。
海沿いの松林の中で、とてもきれいで広い。
日中ここでイベントが開催されていたようで、人も結構いた。
システムが全く分からなかったので、イベント関係者らしい人達が集まって楽しく飲んでいた場所にいって聞いてみたら、受付なども一切ないので、好きな場所にテント張って大丈夫とのこと。
その中の一人の女性が、なんと自分が子どもの頃住んでいた茨城・鹿島出身ということでびっくり。いろいろ親切に教えてくれた。下北半島ではとにかくガソリン早めにいれとけなんて話も。
暗くなる前になんとかテント設営。
そしてビール買いそびれちゃったので、A-FACTORYで買ったばかりのシードルを。これのための氷も欲しかったのだが仕方ない。
食料は、台風到来直前に買ったものがかなり残っていて助かった。
いかの塩辛も冷蔵必要なものなのでここで全部いただく。
塩分取り過ぎだが、まあ汗もたっぷりかいているのでいいだろう。
明日はいよいよ沿岸ツーリング最後のハイライト「下北半島」だ!