ツーリング目的&計画
2013年に40代で普通二輪免許を取得し、2014年3月にホンダの小型バイク「クロスカブ」を購入。その年の9月、初めてのソロツーリング「東北太平洋側沿岸ツーリング」に出かけました。
「沿岸ツーリング面白いかも」
せっかくなら沿岸だけを走って日本一周しちゃおう。最終日に茨城県の沿岸の国道を走りながらそう決意し、翌年から北海道一周沿岸(2015年)、九州一周沿岸(2016年)と、毎年一回夏に沿岸ツーリングを続けてきました。
●東北太平洋側沿岸ツーリング
●北海道一周沿岸ツーリング
●九州一周沿岸ツーリング
4年目の今年は、関東から関西までの太平洋側沿岸。
そのルートには「房総半島」「三浦半島」「伊豆半島」「渥美半島」「知多半島」そして「紀伊半島」と6つの半島と、日本の大動脈ともいえる東海道があり、旧道沿いには江戸時代に栄えた元宿場町の風情ある街並みなども残っています。
クロスカブで東海道&6半島沿岸ツーリング
基本目標は前回まで同様、「クロスカブで日本一周」。
一周というからには外周をということで、走るのは沿岸ルートです。ただ厳密に「海にもっとも近い道」とするとリアス式海岸の入り江集落や河口、埋立地など大変なことになってしまうので、そこは緩やかかつ臨機応変にルート選びをしています。
沿岸ツーリングは「線」のツーリング
ツーリングでは多くの場合、景勝地や絶景ロードなどの目的地が設定されます。そこに至るまでの道を走ることも楽しみではありますが、ツーリング目的としては「サブ」かもしれません。
沿岸ツーリングでも観光スポットや岬などには立ち寄りますが、メインはむしろ沿岸ルートそのものです。
地元の人しか知らない地名の連続。車とすれ違うこともほとんどない道、繰り返される入り江とトンネル、小さな漁港、海水浴場。時折大都市の埋め立て工業地帯や巨大な港湾エリアも。決して派手ではないのですが、視界に次々飛び込んでくる初めて出会う風景群は新鮮です。茨城の端っこの海辺の町で育った自分には、懐かしい記憶も呼び戻してくれる体験でもあります。
沿岸ツーリングは「線」のツーリング。しかも一筆書きなので、その多くは二度と走らない可能性の高い一期一会の道。風景を目に焼き付け、かつヘルメットに装着したアクションカメラで撮影もしながら、日本の外周の今の景色を記憶・記録していきたいと思っています。
東海道53次をふたたび
過去の沿岸ツーリングと違い、関東で生まれ育った自分にとって今回のルートは馴染みのある場所も多数含まれています。千葉育ちなので房総半島は何度も行っていますし、三浦半島や伊豆半島も電車で出かけたことがあります。そんなわけで、実は訪れたことある場所も多く含まれている今回のコースですが、やはり「二度目」でも新鮮さもありますし、忘れかけていた記憶がよみがえってくる懐かしさもあります。
特に東海道。
実は2009年、まだバイクの世界を知る前のこと。東京・日本橋から京都・三条大橋までの東海道53次を通しで歩いたことがあります。距離にして約500キロ、台風に2度遭遇してしまったこともあり28日間かかりました。
今回は神奈川県の相模湾沿い、そして静岡県の駿河湾沿い・遠州灘沿いで、東海道53次と沿岸ツーリングルートが重なる場所がかなりありました。宿場町があった場所は、今でも古い建物が残っているところありますし、そうでない場合でも、驚くほど間口の狭い家がずらり並び、江戸時代の区画割がそのまま継承されていることがわかります。
徒歩旅と比べると、バイク旅はスピードもあり沿道風景をそれほどじっくりとは堪能・観察できないものですが、それでも今回のツーリングでは、ちょっとした風景をトリガーに8年前の体験や感情が呼び戻され、何度も懐かしさでいっぱいになりました。
6半島を走り比べ
「半島」とは「3方位が水(海・川・湖など)に接している陸地」のことだそうです(Wikipedia)。今回は日本最大の半島である紀伊半島をはじめ、6つの半島が含まれています。半島をぐるり回り込むことで、距離はかなり伸びてしまいますが、半島の東側と西側で風景ががらり変化したり、近隣大都市から多くの人を集める巨大リゾートエリアがあったりと、半島ツーリングならではの楽しみもたくさんあります。今回走った半島のうち房総半島・伊豆半島・紀伊半島は山も多く、それゆえ沿岸ルートでは、海ぎりぎりまでせり出す山々の風景、そして断崖絶壁の迫力ある海岸線などを楽しむこともできました。
沿岸ツーリングは時計回り
余談ですが、沿岸を走る際には「時計回り(外回り)」です。
「海」「海岸線の風景」をストレスなく楽しむには、道の左側に海が広がっているほうが都合いいからです。そんなわけで今回は、関東から関西へ、西向きに走りました。
少々悩ましかったのが夕暮れ時です。静岡県内などで「沈む夕日に向かって走る」ということが何度かあり、まぶしくて前がよく見えずということが度々。なるべく朝早く出発し、夕暮れ時にはその日の宿泊地でのんびり夕焼けを見るというスケジュールを今後は心掛けたいところです。