<小型バイクでツーリング>九州一周沿岸ツーリング記

<小型バイクでツーリング>九州一周沿岸ツーリング記

<小型バイクでツーリング>九州一周沿岸ツーリング記

バイク歴2年半の初心者ライダー(♀46歳)が、赤いクロスカブ(110㏄)に乗って九州へ!総距離3,000キロ以上。2016年4月の大震災&豪雨で被害を受けた熊本・南阿蘇へも足を伸ばし、海岸線を時計回りにぐるり一周してきました。
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猛暑の熊本入り!水俣の今・未来〜天草パールライン

出水駅前のビジネスホテルでアイロンも借り、それまで縫いとめていただけの敗れたパンツに裏から当て布も。ポケットの右側がびりびりと5センチ以上破れてしまっていたのだがこれで安心。ポケット自体の破れも裏側から当て布を接着してつなぎとめた。

単に手頃なビジネスホテルがあるというだけで立ち寄った出水だったが、実は武家屋敷跡が残っているということで行ってみた。いわゆる観光地的な武家屋敷跡ではなく、かなりの広さの住宅地だった。その路地や塀、門構えなどが昔のまま残っているところが多いのだ。そしていくつかは古い建物も残っている。写真見て気づいた方もいるかもしれないが、メインストリートは景観保持のためなのだろう、電線も地中に埋められている。

出水麓の武家屋敷群は、歩いているだけでタイムトリップしたかのような一帯。気品と格を感じさせる。
住んでいる人にはきっと、市の条例などでいろいろ縛りもありそうだなあ。一般の人がこんな生垣や庭木などを維持し続けるのは相当大変だと思うんだけど。

中を見学できる建物もいくつかある。
入場料がなにもかかわらず、ボランティアガイドの方が丁寧に説明をしてくれた。

西南の役の際に会合が行われただろう大きな部屋、奥座敷の天井裏の隠し部屋なども。

庭なのか畳部屋の隅なのか、どこかから鈴虫が鳴く声も聞こえてきた。まだまだ外気温は高いが、その涼し気な音色は秋が近いことを感じさせてくれる。風も心地よい。

そして遂に九州ツーリングのハイライトでもある熊本に到達!!!
まずは水俣市。

水俣市立水俣病資料館。
私が子供の頃の最大の公害で、裁判のニュースもたくさんテレビで見た水俣病。

もちろん概要は知っているのだが、実際に資料館にきてたくさんのパネルや写真、映像などを見ると「知らないことだらけだった」と気付かされる。

公害が発生するまでののどかな漁港風景、豊かな海とともに生きてきた人々の暮らし。

企業城下町ならではの住民対立やその後もずっと続いた水俣病患者、そして市民への偏見も。

そして今回初めて知ったのは水俣の「今」。

ヘドロで汚染された海は埋め立てられエコパークになっており、水銀に関する水俣条約や環境都市など、過去を踏まえ未来と世界に向けた取組みがたくさん行われている。

「人は未来のために過去を振り返る」
「犠牲を無駄にしない社会づくり」

その辺りのこと学ぶことができ、非常に考えさせられる内容の資料館。来てよかった。
ちなみに写真は、入口でスタッフの方に聞いたところ、他の人の著作物の写真を大写しにするなどしなければ「まあいいですよ」ということなので、撮らせてもらった。

ちなみにこの資料館があるのも埋立地。
海を望む広々とした公園になっている。

ところで。

熊本は鹿児島より北にあるのだが、その程度では気温は下がらない。
どころか、お盆直前の熊本は日中37度という高気温。ここまで台風直撃どころか雨にすら降られていないのは幸いなのだが、こうなってくるとむしろ、ざーっと大雨降って地面を少しは冷やしてくれないかと思ってしまう。

コンビニでペットボトルのお茶を一日何回も買い、がぶ飲みしてはどっと汗をかいて体温調整するという日々だ。おかげで熱中症などにはまったくならないものの体力は消耗する。

御立岬の展望台。

ここもデートスポット狙いの「愛のカギ」仕掛けなのだが、ベルにまでくっつけちゃだめでしょう。重たくなって鳴らすのがちと大変な状態に。

波ひとつない湾内にたくさんの島。向かいにあるのは明日向かう天草諸島。

八千代市出身の人に「パワースポット」と教えてもらい、球磨川河口近くの水島、そしてそこに建つ龍神社へ。
川の上に小さな島ができており、そこに神社が。

小さな神社なのだがここ、案内看板を見ると「国指定名勝」とのこと。
万葉集にも登場し、歌枕の地ともなっているのだとか。自分以外誰もおらず、静かでそして神秘的な場所だった。

そうして辿り着いたのは、天草諸島の付け根あたりにある小さな島・野釜島にある八福キャンプ場。昔ながらの大きな海の家が、民宿とキャンプ場も併設している。昭和ポップもかかっていて、なにやら懐かしさも感じる場所だ。

テント設営完了。
ライダーハウスもあるのだが、別の男性ライダー1人が既に入っているということでテントにした。2人だけだと相手に気を遣わせちゃうしね。

ここはなんといっても、オーナーさんがよかった。
仕事やドライブで日本全国至る所いっており、私が住んでいる千葉の地名もよくご存じだった。

「温泉いくけどどうする?」

そういって、軽トラで先導して別の島にあるホテルの温泉にも連れて行ってくれた。
民宿や海の家の仕事は年齢的にもなかなかきついが、毎年来てくれるお客さんもいて、また何十年も前、大学生の頃に夏のイベントで来てくれた人が子連れで遊びに来てくれたりすると「まだまだ続けないと」と思うのだとか。

隣の島のホテル温泉はここ。
露天風呂も開放的でお湯の泉質もよかった。

夜は生ビールに枝豆とポテト。
オーナーの娘さん夫婦が夏の間手伝いにきていて、とてもチャーミングで賢そうなお孫さんと花火もさせてもらった。手持ち花火なんて何年振りだろう。いい思い出だ。

鹿児島で、自分以外誰もいない無人キャンプ場も体験していたので、ここは天と地の差。本当に居心地いい場所だった。