古宇利島でハート岩を見て比地大滝で初タープ泊
朝起きたら雨はあがっていて一安心。
ゲストハウスいーさーの壁には、笑顔のじんべいざめやマンタなどが泳いでいる。宿公式サイトによると、オーナーのご友人Dennisさんが描いてくれたイラストだそう。
荷物だけまとめてゲストハウス共有部に置かせてもらい、備瀬のフクギ並木を観光に行くことにした。
想像していた以上に素敵な場所だった。
フクギは、防風林として集落の外側そして家の敷地の周りにびっしり植えられている木だ。
離島の集落ではフクギ並木を見る機会もあるが、沖縄本島でこの規模の並木はまず見ない。
海岸沿いに延びる集落のメインストリートがフクギ並木。
さらに徒歩でだけ通れる道が平行して走り、さらにメインストリートからの脇道にもフクギの木が葉を茂らせている。
強烈な日差しが降り注ぐ初夏から夏にかけての時期であれば、このフクギが作り出す木陰の心地よさがさらに際立つのだろう。
2本の木が根をからませあう夫婦福木も。
赤くて重たい瓦を並べた昔ながらの家屋も。
マスク姿のお茶目なシーサー。
観光客も多いエリアなので、民家の中には旅行者向けの民宿をやっているところやお土産屋さんなどもある。
メインストリートから脇道に入り少し歩くと海に出る。
空は肉厚の雲に覆われているが、それでもエメラルドグリーンの海がきれいに輝いている。晴天だったら海と白砂ビーチのコントラスト、いかばかりか。
天気がよければ泊まろうと考えていたのが、備瀬崎の駐車場の一角にあるキャンプ場だ。
テント1張2,000円。対岸の島は干潮で陸続きになっていた。
備瀬の集落のすぐ南には、「快水浴場百選」にも認定された人工ビーチ「エメラルドビーチ」があり、巨大な建物はホテルオリオン モトブリゾート&スパだ。
ビーチに続く道にはゲートが設置され警備員もいたのでてっきりホテルのプライベートビーチかと思ったら、時間内なら自由に入って利用できるとのこと。遊泳区域にはクラゲ防止のネットも張られており安心。
ただ誰も泳いでいなかった。
まだちょっと早いというのもあったと思うが、やはり来ている人自体がものすごく少ない。
ゲストハウスに戻り、荷物を積み込んで出発。
防風林があるために海が見渡せる道はほとんどなかったが・・・
時折その切れ目から海が見えるとワクワクする。
しかし・・・
天気が微妙すぎる。
走り始めてすぐ到着した、今帰仁城跡。
14世紀に北山の国王の居城として築かれた山城で、2000年にユネスコ世界遺産に登録された。
県内最大の城で、斜面に石垣が縦横無尽に伸びている。
もともと城跡にはさほど興味ないんだけど、ここは別。石垣がしっかり残っているので、城があった時代の様子も想像しやすく、散策しているだけで面白い。
さらに道の両脇にびっしり若葉を茂らせているのは・・・
桜の木。
寒緋桜で、1月下旬から2月中旬が見頃で桜まつりも開催されるという。寒くなると咲く花で、桜前線は北から南に南下してゆくところがソメイヨシノとの大きな違い。
ちょっとすっぱいサクランボを、ちょいちょいつまんではいただいていた。
ここが確か、メインの建物があった主郭。
上から見るとわかるが、実はかなりの厚みがある石垣だ。海まで見渡すことができる。
次に向かったのが、本部半島の付け根北側にある古宇利島。
屋我地島と本島は2本の橋でつながれ、さらに屋我地島と古宇利島が、全長1,960mの古宇利大橋でつながれている。
この古宇利大橋がバイクで走ると気持ちいい!
古宇利島ではなぜか「うに丼」が名物。毎年7月に古宇利島のシラヒゲウニが解禁され、9月まで新鮮なウニが食べられるのだという。
ウニの減少もあり、解禁期間は短くなっているそうなんだけど、それ以外の時期は外からもってきたウニなのかしらん。
古宇利島はまんまるの島でぐるり外周道路が作られているので、時計回りに一周ツーリング。北側では外周道路から外れ未舗装の道も。
このあたりで待望の青空が広がり、風は強いものの急遽肌が焼けるほどの日差しが降り注いできた。
これだよこれ、沖縄で見たかった風景は!!!
人気の観光スポットがここ。
ハート岩だ。
ふたつの岩がそれぞれハートの形をしており、さらにどこかの角度から見ると、この2つの岩の重ね合わさったところもハートになるとかいう話を読んだ。
美ら海水族館以外ではほとんど見かけない観光客の姿もここにはあった。パウダー状のきめ細かい砂浜が気持ちいい。
せっかくならと、スマホで自撮りをしていたら・・・
数回に一回の大波が来て靴も足もびっしょり。
もちろんその後は砂もびっしり。
自撮りは危険だ・・・
一周して再び古宇利大橋。
古宇利大橋とDio110。
いつも赤いクロスカブがパートナーなので、真っ黒なスクーターというのは最初違和感あったけど、3日目になると愛着も湧いてくる。
いよいよここからは、沖縄本島北部の「やんばる」エリアに突入だ。
海のすぐ近くまで山がせり出している風景は、南部・中部とは全く異なる。
この日のゴールはちょっと早目の14時。
辺戸岬までも余裕で走れたが、1日目に予定より長く走り日程に余裕もあったので、公式サイトを見てよさそげだった「比地大滝キャンプ場」に泊まることにした。
沖縄での初キャンプ。
はぶ対策で、すべてのテントサイトに木製のキャンプ台が作られており、この上にしかテントを張ってはいけないというルールになっていた。
ここはキャンプやBBQ目的で訪れている人の他、比地大滝までの自然散策トレッキングに来ている人も多かった。入場料も払っているし時間も早いから、ちょっと滝でも見てくるかと軽い気持ちで歩きだしたら・・・
思いのほかハードだった。
片道40分コースで、道はきれいに整備されているんだけど、アップダウンが非常に多い。
渓流沿いなので始点・終点間の高低差はそれほどじゃないはずなんだけど、延々と階段を上がったかと思うと、同じだけまた下がるという繰り返しだった。
炭焼き窯。
同じようなものを以前、青ヶ島でも見たっけ。
沖縄本島最大という高さ25.7メートルの大滝は水量も多く迫力モノだった。
汗だくで戻ってきて、いよいよタープテントの設営。
ただでさえ不慣れなタープテントが、キャンプ台の上で直接ペグ打ちができないため、さらに難易度アップ。
何度も向きを変えたり、角位置をずらしたりし、やっと完成した。
ありがたいことに、ポールを押さえるのにちょうどいい切り込みが入った石も見つかった。
角はロープで引っ張るだけだと風でスキマができてしまうので、ここにも石を乗せて浮きを押さえる。未経験の初心者なりに、どうしたらなるべくスキマを潰し、風に煽られてもバタバタせずに済むか工夫した。
中はこんな感じで、一人が寝るには十分な広さだ。
そこにグラウンドシートを敷き、エアマットを膨らませてベッドに。
中央のポールは持参したアルミ製のものだが、右側の竹竿はキャンプ場入り口に「ご自由にお使いください」と置かれていたトレッキング用の杖。これで天井の一部を吊り上げることで、中の空間がさらに広がった。
買い物は国頭スーパーに。
スーパーと言っても、生活用品に文具までいろいろ置いてあるところ。沖縄ならではの先祖供養の打ち紙なども売られている。ただ残念ながら自分が探していた固形燃料は見つからず。那覇からの途中の100円ショップで買おうと思って忘れていたものだ。
仕方なくお弁当だけ買ってでてきたら・・・
キャンプ場から近い沖縄本島最北端のファミリーマートに・・・
燃料としても使える着火剤が売られていた。
ちなみに国頭スーパーで買ったお弁当はこれ。
100円って値札の貼り間違えじゃないかとお店の女性に行ったら「早く売っちゃいたいのよ」と笑っていた。沖縄あるある。
寝るまではオープンスタイルで。
竹とロープを追加するだけで自由自在にトランスフォーメーションできる。
タープ楽しいかも。
ポールにランタンを吊るし、100円のお弁当をつまみにオリオンで晩酌。
人生初タープ泊、思いの他うまくいってうれしい。
寝る時はクローズスタイルで。
夜ちょっと風が強まって倒されないか心配になったので、ポールを一本外し全体を低くした。
タープ泊だと地面とのスキマができ落ち着かないのではと思っていたが、3×3メートルのタープなら下に折り込むことができるし、その上にグランドシートを乗せればスキマはほとんどできない。実際に体験してみて、一般的なテントと大差なく過ごせることを知った。
このスタイルに慣れれば、テント持参せず最小限の荷物でツーリングとキャンプが楽しめる。つまり離島でレンタルバイクでキャンプツーリングということが可能になる。格段に自由度が増す。