奇岩の大石林山と最北端辺戸岬~やんばるエリアの海岸線を走る
タープ泊初日は、夜半から風が強まり、薄いタープテントは煽られまくった。ロープでどう固定するか、状況変化に応じてスムーズに高さを変えられるようしておくなどもう少し工夫が必要そうだ。
さらに驚いたのは、タープ内側にびっしりついた水滴。湿度90%なので当然でもあるが、夜中に強風対策で天井を低くしたこともあり、起き上がったら髪の毛や寝袋をびっしょり濡らしてしまった。タープ泊ベテランに至る道はかなり長そうだ。
さらにお湯沸かして朝食でもと思っているうちに霧雨が降り始め、そのまましとしと雨に変わった。天気予報アプリを見る限り雨雲の姿は見えないのだが、高湿度なのでいつ雨になってもおかしくない状態だったのだろう。
タープを張り変えて空間を広げ、しばらく待機することにした。
そんなわけで出発したのは9時ちょっと前。
濡れた状態での撤収というのは難しいもので、荷物も妙に膨らんでしまった。
沖縄旅行期間中ずっと晴天という予報はいったい何だったんだ・・・涙
道の駅に隣接する国頭村観光協会に立ち寄ってみた。
国頭村・東村・大宜見村の3村が連携して観光促進を図っているようだ。
小学生が作った「国頭村のいいところ3つ」という資料を見ていたら「1位 海 キャンプが自由」とあった。ビーチで自由にキャンプしてよかったのだろうか。2500円を払って比地大滝キャンプ場を利用したが、事前にちゃんと調べればよかったかも。
ここを見ると、「キャンプ場」のタグがつけられたビーチが何か所かある。アダンビーチや浜海岸などだ。次にまた行く機会あればここも確認し、キャンプ泊できるなら挑戦してみたい。夜中にテント外に食べ物を置いたままだと、朝方その食べ物に黒山のヤドカリが群がって大変なことになるなんて話も聞いた。
ヤドカリの襲来・・・ちょっと怖いけど見てみたい。
トンネル手前の脇道に入っていったら、突き当りに旧トンネルがあったり。
道は海沿いぎりぎりの場所。
右手はすぐ山。
そして走っている車も本当に少ない。
やんばるエリアでは集落も小さなところばかりで、コンビニはもちろんなく、各集落に一か所、地名を冠した「共同店」という名の雑貨店兼ねたスーパーがあるのみ。ここから内陸部の道に入り・・・
かなり急な坂を頑張ってあがっていくと・・・
のぼりきったところは切通。
いやー、絶景!
わずか半日前に滞在していた古宇利島の白砂ビーチとは別世界が広がっている。
ちょっと路肩にバイクを停めているだけで、車体にかたつむりが乗り移ってくる。
この日だけで2匹見つけ、近くの草むらに移した。
内陸部に入ったのは、本部のゲストハウスで教えてもらった「大石林山」に来るため。まずはガイドさんから敷地内のコースの説明を受ける。
ここは奇岩・巨石・絶景スポットなどをまわれるパワースポット。
入場券を買った建物からシャトルバスで少し高い場所にある「精気小屋」まで運んでもらい散策開始。
4つあるコースの中から、自分は30分くらいで回れる「B 美ら海展望台コース」を選んだ。外周道路をツーリングしているだけでは見ることができない熱帯の森。
観光客がきわめて少ないので、なおさらジャングル探検感がある。途中、何かの撮影だったのか美少女着ぐるみで頭部を外した人に出会い仰天したっけ。
岩も迫力モノ。
高台からの展望も見事。
遠くに突き出しているのが辺戸岬だ。
石につけられたネーミングも面白い。
これは骨盤石。
他に3回くぐると新しく生まれ変わるなんていう岩の割れ目もあった。
まるでピカソが描く男女の顔のようだとこの名を付けた人のセンスに脱帽。
下って辺戸岬へ。
アメリカンなバイクの人たちのマスツーリングがあったようで、大石林山を出ようとしたところで大量のバイクに出会った。かなり豪華なバイクも多く、サイドカーついていたり、後ろに巨大ぬいぐるみを積んでいる人などもいて賑やかだった。
内地からフェリーでバイク運んできた人がこんなにいるとは思えないので県内のバイク好きな人達なのだろう。島でツーリングできる場所が限られる沖縄県。本島の広さは約1200km2で、千葉県の1/4と考えるとやはり狭い。
沖合に与論島が見え、沖縄返還前は祖国復帰拠点だったとのこと。「祖国復帰の碑」や「沖縄・与論島友好の碑」などが作られている。
荒涼とした断崖絶壁。
辺戸岬から南下していると、山の稜線の上に大きな鳥のオブジェがあった。ガイドブックで紹介されていたヤンバルクイナ展望台か!
てっきり「ヤンバルクイナを観測できる展望台」かと思っていたが、展望台の形がヤンバルクイナということらしい。
かなりえげつない傾斜の坂を上って向かってみる。
これが徒歩や自転車だったら躊躇するし、車でもちょっと悩むところだが、気になるところがあればアグレッシブに直行できるのは機動力あるバイクのよさだ。
駐車場にバイクを止め、最後は階段。
「オートバイ止」なんて書いてあるが、普通登らないだろ・・・
沖縄本島北部だけに生息する国の天然記念物ヤンバルクイナ。
まさか爪の先までこんなリアルとは思わなかった。
ヤンバルクイナの中から見た辺戸岬。
そして再びツーリング。
カメもいるのか。
飛べない絶滅危惧種をはねちゃったら大変だ。
北部東岸は、海沿いには道がなく深い森になっているところが多かった。海近くに道があったのはアダンビーチのあたりくらいかも。
沖縄にお茶畑があるのは知らなかった。
やんばるエリアでの茶栽培の歴史はこの記事で解説されている。
●沖縄本島北端、ヤンバルの自然と歴史が育んだ奥の茶、特に紅茶が美味しい
中部に近付いてきてやっと海。
そして相変わらずの曇天。
途中ぱらぱらと小雨にも降られた。
思わず立ち寄ってしまった親亀子亀の休憩所。
亀がかなり重そうなんですが・・・
北部はツーリングの名所なのか、ソロあるいは2台くらいで走っているバイクとよくすれ違った。
日曜日で集落に1軒程度しかないお店も締まっていることが多かった。
やっと開いている所があっても、既にバイクが何台も。
新型コロナでただでさえよそ者はなるべく控えたほうがいいところ、密になっちゃってもいけないしなと遠慮したりしていたら、お腹もすいてしまった。
森の中には米軍の訓練所もあるので、そんな車ともすれ違う。
この曇り空にもかかわらず海の色がきれい。青空の下だったらどれほど輝くのだろうか。
東村の特産品を売っている道の駅サンライズひがし。
ここでやっとランチにありつけた。
豚肉丼だ。
その駐輪場で目が合った観光客の男性。
見覚えのあるバイクに乗っていたので聞いてみたらビンゴ。この黄色いズーマーは、本部のゲストハウスいーさーのオーナーさんが、「熊本で買った奥様のバイク」と紹介してくれたものだ。
「沖縄本島では黄色いズーマーはほとんど走っていない」
と話していたので覚えていた。
駐車場でスマホ検索しその日の宿泊先を探したものの、辺野古あたりに民宿が数軒ある程度で手頃な宿があまりなく、結局横断道路を走って再び西岸に戻ることにした。
この日のお宿は名護市内の「オールフレンズ」。
ビルの2階と3階を使ったゲストハウスで、広い吹き抜けの共有ラウンジとダイニングがあるきれいな宿。部屋数も多いが泊まっている人はそれほどいなかった。
ドミトリーは12畳にベッド4台だったが、新型コロナ対策で定員は2名に。もうひとりは日本で英語を教えている山梨在住の外国人女性だった。長期の春休みを利用して沖縄に滞在していると言っていた。
このゲストハウスから徒歩2分程のところに人気のヤギ料理店があったんだけど、残念ながらお休み。
仕方がないので餃子専門店のランボーで・・・
カウンター飲み。
ピーマンだけのスティックサラダはなかなか斬新。