首里城で瓦磨き体験~人生初の"ビーチ野営"
ゲストハウスあまわり10を出発し、最初に向かったのはゲストハウスすぐ裏手の山の頂上。
オーナーさんから教えてもらわなかったら存在すら知らず終わっていたところだが、実はここ「島添大里城跡」。
大里字西原の北側、標高約150メートルの琉球石灰岩の丘陵台地を利用し、崖を背に堅固な城壁を築くなど、自然の地形を巧みに利用した県内でも有数の規模を誇るグスク。起源は14世紀頃、当時の島尻地域を支配した島添大里按司(しましーおおざとあじ)によって築城されました。
他の城跡と異なり観光客向け施設にはなっておらず、展望台などはあるものの敷地のほとんどはパークゴルフ場。地元の年配男性がこの見事な展望の場所でプレイを楽しんでいた。
中城湾を一望できるミーグスク。
中城や勝連など主要城を見渡せる物見台的役割を担っていたとあるが、ここに立つと納得だ。
御嶽もあり、
木の根がタコの足のように広がった石垣など、フォトジェニックな場所も多数。
入場料もなく、他の観光客もおらず、とにかく見放題だし入り放題なのだが、その中でも最も興奮させられるのがここ降り井形態の井戸チチンガー。
石垣で固められた大きな井戸の一角に43段の階段が設置されており、降りて行った先に水を汲める井戸がある。探検気分も味わえる。
「たくさんの線香を焚いて火を消さずに帰ってしまいボヤ騒ぎに発展」「史跡内において新たに拝所を設置する行為も後を絶たず大変迷惑です」
なんなんだろう。
新興宗教的な何かなのかしらん。
金城ダム。
沿岸ツーリングも時に例外的に内陸に出張る。
今回は首里城。
ここも本当に久しぶり。
前回来たのは、無職で職業訓練学校に通っていた時の友人と一緒だったので30歳前後。ダイビング目的で来て、お月見のため首里城に行った。
その首里城は、2019年10月の大火事で正殿など6棟が全焼している。
正殿があった場所には、黒いフレコンバッグがずらり並んでいる。
木造の建物は完全にも燃え落ち、残ったのは大量の分厚い瓦だった。
警備員の方も説明をしてくれた。
フレコンバッグの中身のほとんどは瓦で、今はボランティアの方々がその修復作業を行っているなんてことも。
こうして跡地だけになると、実は意外と厚みはなかったのだなあと驚いたりも。
龍頭棟飾。
とそこにテントが張られ、長テーブルと椅子がいくつも並べられていた。
5,6人の方がゴーグルにマスクを付け作業を行っている。どうやら先ほど警備員の方が話していたボランティアのようだ。
飛び込みで短時間作業もできるようなので、観光だけ終わったらちょっと覗いてみることに。
石垣に沿って作られた階段をあがり、東の端へ。
先端には物見台「東のアザナ」が作られており、市街地から海まで見渡すことができた。
再び正殿跡地に。
30分でもOKということなので、参加させてもらうことに。
受付でマスクとゴーグル、あと軍手などを渡される。
そして2種類の瓦。
これが交互に重ね合わさって屋根になるのだという。
このボランティアは、実質的には「体験型観光」のようなものらしく、とっても丁寧な説明で始まり、作業途中にもちょいちょいとスタッフの方や職人さんが前にきて、ラミネートされた写真などを見せながらのレクチャーが行われた。
人数が多ければまとめてなのだろうけど、この時はほとんど個人レクチャー。本当に贅沢な体験だ。
道具はこれ。
スクレーパーや金属ブラシ、あと緑色のものも瓦をこするのに使うもの。
高い場所から落ちて、割れてしまった瓦が大半のようだが、中には無傷のモノもたくさん。それらの表面にこびりついたものをはがす作業だ。
それほど力は要らず、3つの道具を順番に使ってきれいにしてゆく。
修復瓦は、いろいろな用途に使われるそう。
これは火災直後の写真。
火の勢いはすごく、熱風が吹き荒れ、カラーコーンもこの通り溶けてしまったのだという。
話をしてくれた人は首里城の管理を担っている人で、公務員の方なのかなと思ったのだが、実はこれらの写真を撮った本人だったことを途中で知った。燃え盛る首里城をなすすべなく見ているしかなかった記憶はとても深く刻まれているようで、その時の風景などを淡々と描写する静かなトークに引き込まれた。
こちらの方は、首里城修復を担う瓦職人の方。
伝統的な沖縄の瓦の特長から、どうやって作っているかなどまで本当に詳しく解説してくれた。
沖縄観光に行って時間がある方は、このボランティア活動にぜひ参加したらいいと思う。無料でこれだけの貴重な話を聞ける機会なんて滅多にない。仮に参加費1000円とかでも、十分価値ある体験になるはず。
作業はこんな感じ。
自転車で日本一周中という、かわいらしい女性にも出会った。
観光客の他、那覇市内から通ってボランティア参加している人達もいたようだ。
貴重なお話をたくさん、ありがとうございました!
現代の名工のひとりだ。
最後に参加証と・・・
割れた瓦に穴をあけて作った記念キーホルダーまでもらってしまった。最高の首里城土産!
石畳の坂道。
ランチに向かったのは、初日夜に魚が美味しい店に連れて行ってくれた那覇在住のグルメブロガーご推薦のここ「きんそば」。
感激の味。
詳しくはこちらで。
●儀保「沖縄そば専門店 きんそば」でドデカイお肉の三枚肉そばとオトクなセット | 沖縄ランチブログZ
●那覇・首里「きんそば」あっさり鰹出汁にもちぷる麺、理想的でおいしい沖縄そば。 - 毎日ビール.jp
再び東岸に戻り、沿岸ツーリングを再開。
斎場御嶽は、今回は時間の関係もありパスすることにした。
券売所の高台から海を眺めると、沖合に見える久高島。
こんな状況でなければ行きたかったんだけど、離島は医療体制もありよそ者が「大丈夫なはず」と気軽に上陸することは許されない。そんなわけで眺めるだけで。
そのかわり、海辺にある奇岩が気になったので、そこまで下りてみることにした。
砂地を走り・・・
行き止まりからあの岩が見えた。
よく「ポキっ」と折れずにあの形のまま残っているよなとふしぎになる。
全長1,200メートルのニライカナイ橋。
やってきたのは海辺のお洒落カフェ。
浜辺の茶屋。
沿岸ツーリングでは、毎回1~2回、こんな感じのお洒落なカフェに立ち寄る。
屋上のテラス席には誰もおらず・・・
店内に。
席の大半が、海側の窓に面して作られたカウンター席で、このご時世なので2席ごとにアクリル板の仕切りもつけられていた。
海風を浴びながら飲むアイスコーヒー。
人気店らしく、観光客やカップルでほぼ満席なんだけど、メニューの価格はいたって標準。ここならすべてのメニュー単価を5割増しにしても席が空くことはないと思うだけに良心的だなあと。
沖縄本島の南側、橋で連結された小さな島・奥武島。
ここの中本鮮魚てんぷら店が人気とのことなので来てみたら、行列ができていた。
観光客も少ないこの時期、店の前に行列を見たのはここが初めてかもしれない。
そして近くを見ると、ここで買った天ぷらを食べる中学生たちの姿も。
子供たちの姿をこんなに見たのも、ここだけだったかも。
ジョン万次郎上陸の地と地図にあり、樹々のトンネルをくぐって海にでたら・・・
人っ子一人いない海。
地図によるとジョン万次郎上陸の地はこの先らしいんだけど・・・
乾燥したあおさの上に砂が積もったトラップが多く、何度も足をずぼっと深みに落としてしまい、途中で引き返すことに。
翌日知ったのだが、公道でもっと先に進み大度浜ビーチまでいけばよかったようだ。
喜屋武埼灯台の近くにある平和の塔。
このあたりは、第二次世界大戦末期に多くの人が命を失った激戦区で、ひめゆりの塔をはじめ戦争遺跡が多数残る場所だ。
こんなにも美しい場所を戦争の最前線にしてしまった歴史を忘れてはいけない。
自殺の名所でもあるらしい。
広がる人参畑。
そしてこの日のゴール、北名城ビーチ。
那覇市内からもすぐの場所にもかかわらず、ビーチで野営でき、かつ浜辺まで車やバイクを進入させてOKな貴重な場所だ。
ネットで情報収集はしていたものの、本当にテント泊できるかどうか不安抱えたまま訪れたのだが、実際にソロキャンパー中心に何組かがテントを張っていてほっとした。
かなり風も強く、不慣れなタープ泊ということもあり、ビーチに入って右端の木がある場所に設営することにした。
まずはポールを3本のロープでしっかり固定。
そしてDDタープでテント接地。
初回かなり悩み試行錯誤した経験があるので、今回は比較的スムーズに形作りことができた。
形もなかなか美しい♪
風が非常に強かったので、夜寝る時にはポールからは外し、ロープだけで釣りあげる形にすることにした。トランスフォーメーションも前提に組むのがタープ泊のポイントなのかもしれない。
DDタープは、中央ラインにもループがありそこにロープを通して吊り上げることができるので、本当に自由度が大だ。
夜はこんな感じ。
今回、「タープ泊」に加え、キャンプ場以外の場所で野営する初体験もここで積むことができた。
この2つの体験は、自分にとって旅の自由度を大きく広げてくれる。
このビーチは、キャンプ場ではないので炊事場やシャワーはないけど、トイレはある。
ハブ・・・いるのか・・・いるよな・・・。
奥武島で買ってきた天ぷらをつまみにひとり晩酌。
一人旅っていいね。