40代シェアハウス生活の魅力&メリット

ひと昔前は、「ひとりでアパート借りるお金がないから」という大学生・留学生の利用が多かったシェアハウスですが、最近ではそれに加え「シェアハウス生活ならではの魅力」に惹かれ利用する社会人も増えています。

実際、6~8畳程度の広さの自室以外はキッチンもトイレもすべて共有にもかかわらず、通常の一人暮らし用の賃貸物件を利用するのとあまり変わらない家賃のシェアハウスも結構あります。私が今住んでいる物件も、東京都練馬区で駅徒歩10分以上で、管理費込82,000円/月。

「それなら別に普通のアパートやマンション賃貸できるのでは?」

と友人にも不思議がられます。確かに近隣で同じ家賃で1LDK・1DKを見つけることは難しくないでしょう。ただやはりシェアハウスならではの魅力とメリットがあるんです。

シェアハウスを選ぶ理由は人それぞれだと思いますが、ここでは40代で初めてシェアハウス生活を始めた私が考える「シェアハウスの魅力・メリット」を6つあげてみます。

■都会一人暮らしでも“近所付き合い”のある生活

大学進学で上京した18歳の時から一人暮らしを続けている自分。社会人になって最初の3年だけは社員寮で共同生活していましたが、あとはずっと、賃貸アパートなどでの一人暮らしです。30代でフリーランスになった後は通勤もなくなり、結果一日誰とも話をしないなんてことも当たり前の生活に。

ここ数年はSNSなどオンライン上でのコミュニケーションを頻繁に行っているため、特に孤独ということはないのですが、それでも一週間、声を発することすらない生活をしていると、「これでいいのか」という漠然とした不安感にかられます。かといって、大都会でいきなり近所づきあいなどが始められるわけもなく。

シェアハウスで暮らすようになってからは、「誰とも話をしない一日」というのは基本的になくなりました。 私はそれほど社交的な人間ではないので、積極的にこちらから話しかけて交流し、夜も一緒にラウンジで飲んだりゲームしたりして過ごすタイプではないのですが、それでも廊下で誰かとすれ違えば笑顔であいさつも。洗面所で朝会えば「おはよう」と、夜寝る前なら「おやすみなさい」と言ってから自室に向かいます。キッチンで料理などしていると「美味しそう。何作ってるんですか?」などニコニコ気さくに声をかけてくれる若い方などがいて、料理の話などしたり、おすそ分けしたりもらったりなんてのは楽しいもの。

例えるなら近所付き合いに近いものかもしれません。都市部一人暮らしではなかなかそうした体験はできないだけに、結構新鮮です。

もちろん居住者との交流を積極的にしたい人であれば、夜は夕方から割と遅い時間まで、ラウンジで一緒に夕食をとったり、飲んだりゲームしたりしている人たちがいるので、その輪に入っていけば楽しい時間が過ごせるでしょう。近所の飲み屋などの常連にならなくても、ちょっと飲みたいなと思った時にひとりでも入っていけるそういう場所があるのはいいことだと思います。

■世代や業種、国籍も超えた様々な人たちと知り合える

社会人になった後というのは、意外と交友関係も限られ、どうしても似たような属性・バックグラウンドの人以外とのつきあいというのはもてなくなるものです。

例えば自分であれば、20年近くインターネット業界にいて個人的にもサイト運営をしている関係で、仕事でもプライベートでも、IT系の人やサイト・ブログ運営者との交流がほとんど。

でもこうしてシェアハウスで暮らしてみると、そんな世界とは全く無縁な別業種の人達との接点ができます。私にとっては未知の世界の話をたくさんしてくれますし、また自分がサイト運営に関する話をしても非常に新鮮な視点での反応をもらえたりします。世代も大学生や社会人なりたての人など、普段それほど接点がない人も多く暮らしています。

今いるシェアハウスは半数近くが外国人。国籍も様々です (大半が欧米であと韓国・台湾) 。彼らがキッチンで料理をしている姿を見ているだけでもとても興味深かったりしますし(まったく知らない料理を作っていたり、素材調理方法も違う)、同じ空間で生活してみて初めて理解できる生活習慣の違いというものもあります。

外国人が多いシェアハウスでは、そうした生活習慣の違いなどでトラブルになるケースも多々あるようですが、管理会社がしっかりしていれば、張り紙での告知や管理体制の改善など行って課題があってもすぐに解決します。自分も特に不満に感じることはありません。

「ここに住むようになってから、英語で話すことがまったく苦にはならなくなった」という人もいました。実際ラウンジで過ごす外国人居住者が多いので、日本人同士以外の時は英語も混ぜて話をすることが多いようで、外国語のいい訓練になるのは間違いないでしょう。日本語・フランス語の相互学習をしている人もいました。

■充実した施設を利用できる

ここはシェアハウス物件によりますが、大型シェアハウスの場合、共有施設としてジムやシアタールームなどを完備しているところがあります。他にもいろいろな施設がありますが、過去に住んだところだと・・・

  • ジム(エアロバイクや筋トレマシンなど)
  • スタジオ(ヨガやダンスなど可能)
  • 音楽練習用の防音ルーム(キーボードやドラムなども置いてある)
  • シアタールーム(プロジェクタと大型スクリーンでDVDなど見れる)
  • ライブラリー(区切られたデスクがあり仕事や読書などに)
  • ジャグジー付きの浴室
  • セミナールーム

こんな部屋が建物内にありました。私自身も借りてきた映画DVDをシアタールームで大画面鑑賞したり、部屋での仕事に行き詰ったら、ライブラリーにパソコンを持ち込んで集中作業したりということをよくしています。

ジムでは、平日夜に時間を決めて一緒にトレーニングをしている人たちもいて、そのためのLINEグループなども作られています。

居住空間の中にジムやシアタールームがあるというのは、ハイクラスマンションでないとなかなか難しいもの。それらが居住空間内にある利便性はおそらく想像以上です。わざわざ外出したりロッカールームで着替えたりする必要もなく運動ができ、終わったらそのままシャワールームに行って、寝巻に着替えて自室に戻ってすぐ寝ることができるのです。

料理好きな人にとってはキッチンまわりの設備も魅力のひとつになるでしょう。キッチン設備が充実しているシェアハウスでは、高機能オーブンを何台も備えていたり、ハンドミキサーや蒸し器、その他さまざまな調理器具が完備されています。ひとりで全部揃えようとしたら結構な費用もかかりますし、買っても滅多に使わないものだってあります。そうしたものを共同で利用できるシェアハウスという生活形態はエコでスマートだなと思います。

■身ひとつ(+α)で気軽に引越しし好きな場所を開拓できる

個人的にシェアハウス生活の大きな魅力として感じているのがここです。私はこれまで、東京での仕事が忙しい時期にシェアハウスを数か月借りて住み、それが一段落すると千葉で両親が住む自宅に戻っていました。そしてシェアハウスは毎回違う物件にしています。

新しい街の開拓というのは結構楽しいもの。
住んでみて初めて知ることのできる素敵な公園や穴場の観光スポット、レストランやカフェなどたくさんあります。住み始めた当初は、空き時間の多くを周辺散策に使っていました。

シェアハウスは

  • ベッドやクローゼットなど部屋の家具は備え付け
  • 家電製品も共有のものが用意されている
  • キッチンの調理器具や食器なども共有
  • トイレ・バス用品もシェアハウス側で完備・補充

ということで、自分で用意するのは

  • 洋服や靴
  • 文房具などの日用品
  • 仕事や趣味に必要なもの
  • シーツやタオルなど

程度。それほど洋服持ちではない自分の場合、140㎝段ボールが3~4個分+布団一組で引越しが完了してしまいます。人によってはスーツケース一個で入居してくる人もいます。住んでいれば次第にモノが増えていきますが、大部分のものは共有で済み、収納豊富な1LDKに住んでいるわけでもないので、持ち物増殖といっても限度があります。なので自然と・・・

「ミニマムな生活」

となります。それはそれでもちろん不便なこともあります。例えばズボンの裾上げをしたいなあと思ってもミシンがなく、手縫いを強いられるなど。

一方で、持ち物が少ないというのは非常に便利でストレスがなく、時間とお金の浪費を防ぐ効果もあります。まず片付けが簡単ですし、必要なものを探し出すのもラクチン。置き場の事を考えると買い物も自然と抑制され節約にもなります。

「何かあればいつでも好きな場所に移動できる」

と思うと、心理的な自由度も違います。

もちろん、長い間通常の賃貸物件で一人暮らししている人にとっては、シェアハウスに新たに入居となると「今持っているものをどう処分するか・どこに保管するか」という課題がまずあがってきますが、今はメルカリなども利用できるので、利用頻度が低く、自ら保有していなくてもさほど不便ではないものは、どんどん換金処分してしまうというのもひとつの手です。

■大型物件の場合、清掃等の手間も不要

小規模のシェアハウスの場合、交代でキッチンやトイレの清掃をする必要がある場所がほとんどですが、大型シェアハウスの場合は、自室以外の清掃は、すべて管理会社のほうでやってくれます。中規模の場合でもそういうところが増えているようです。

シェアハウスで暮らすようになって快適なのは、自室以外、一切掃除する必要がない事です。週に三回、清掃スタッフが1~2名入ってトイレにバスルーム、キッチン、廊下に至るまできれいに清掃してくれます。トイレットペーパーの補充もやってくれますし、キッチンの食器拭きや台拭きなども、すべて洗濯・乾燥して折り畳んで積まれています。

自分が管理し、片付け・清掃しなくてはいけないのは6畳ちょっとの自室だけ。そもそもモノもそれほど置いていないので、散らかることもなく、本当にストレスがなくなりました。

「片付けなくちゃ」

が生活の上で大きなストレスになっているという人は、一度シェアハウスでの生活をしてみてもいいかもしれません。都市部では仕事が多忙で「家はほとんど寝に帰っているだけ」なんて方もいると思いますが、そんな人なら掃除をほとんどやってくれ管理の手間が要らないシェアハウスは住みやすい場所かもしれません。

■セキュリティ面での安心

都市部で暮らしていると、平日夜や週末などに突然ピンポンとチャイムが鳴り、なにやら怪しげな勧誘やセールスなどが飛び込んでくることもあります。一人暮らしの家を狙った強盗などの話を聞くと不安にもなります。

シェアハウスでももちろん同様のことは起こりうるのですが、他の居住者もいるということでそこは少し安心。私の住んでいる物件は建物のチャイムを鳴らしても管理人室にしかそれが聞こえないので、自分が営業や宗教勧誘を受けることは皆無となりました。

自分に何かあった時に、大声をあげれば誰かが気付いてくれる範囲にいるという安心感もあります。私は重度のギックリ腰もちで、それで身動きがとれなくなったことが過去何度かあります。携帯電話が置かれている場所まで移動することもできず、まわりに助けを求めることができず、リビングで何時間も倒れていました。

そんな緊急事態を考えると、ごく近くに人がいるというのは安心です。そんなに大きな特別の支援はいりません、119番してもらうだけでも非常に助かります。タクシー呼んで玄関までサポートするくらいなら、自分ももちろん喜んでやりますし、他の人もそうでしょう。
シェアハウスから救急搬送されていった外国人の居住者を見たことがありますが、もし通常の一人暮らしだったら、言葉があまり通じないこの日本で大変だったかもしれません。

自然災害などでも共同対処が可能ですし、いざという時に身近に人がいてお互いに助け合えるというのは心強いものだと思います。

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以上は私が感じるシェアハウス生活の魅力・メリットですが、おそらく人によってさまざまだと思います。後日、自分以外の同世代シェアハウス利用者にもヒアリングして、それぞれどんな点が気に入ってシェアハウス生活を送っているのか、探ってみたいと思います。