<小型バイクでツーリング>四国・瀬戸内海沿岸ツーリング記

<小型バイクでツーリング>四国・瀬戸内海沿岸ツーリング記

<小型バイクでツーリング>四国・瀬戸内海沿岸ツーリング記

110ccの小型バイク「クロスカブ」で海沿いの道をただひたすら走る「沿岸ツーリング」を続け、気付けば5年目&5回目。今回は四国一周そして瀬戸内の北側・山陽地方の海岸ルートをぐるり走ります!
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【2日目】最高の秋晴れの中、室戸岬をまわり坂本龍馬の桂浜から中土佐まで

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晴天に恵まれるのは初日と2日目だけ。
その後は台風の影響で連日の雨になり週末は台風。

四国をまわるのは一週間だけなのに、着いた早々天気予報はシビアな現実を突きつける。

▼四国・瀬戸内海沿岸ツーリング2日目動画(10分15秒)

まあ残念がっても仕方がない。
今日が四国ツーリング中で一番の天気だというなら、最高の一日にしよう。何しろ今日は、室戸岬に坂本龍馬の桂浜とゴールデンスポットを巡る日なのだから。

写真は宿泊した民宿がある竹ヶ島から四国に戻る橋のたもとで撮ったもの。夜に到着した時には真っ暗な中で渡ったため橋であることすらわからなかったが、確かに島だった。

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走り始めてすぐ「ようこそ高知県へ」の看板。
四国をぐるっと一周した後にまた戻ってくるとはいえ、徳島県滞在は短かった。

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四国東岸の幹線道路「国道55号」は、徳島県海陽町あたりから海沿いの道となり、そのまま室戸岬までまっすぐ伸びている。

別名「土佐東街道」だ。

地図には

「シーサイドを豪快に走り通す」
「交通量少ない快走路」
「豪快な海沿いの道が続く」
「快走路 スピード出し過ぎに注意」
「青い海と空が広がる タンデムにもおススメの快適ルート」

とR55の快走路っぷりをこれでもかと書き連ねているが、実際に走ってみて納得。

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これは気持ちいい!

そして驚くほど車が走っていない!
普段スピード出さない自分までが、ついつい加速したくなってしまう開放感があった。

明日からずっと雨天続きだとしても、貴重な秋晴れの一日を室戸岬に向かう国道55号で迎えられたことは本当に幸運。満足!

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海岸線はほぼまっすぐなのだが、海中には奇岩もそびえたつ。
これは夫婦岩。

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次第に多く見かけるようになったのが巡礼のお遍路さんたち。
室戸岬周辺には空海ゆかりの地が多数ある。ひとりで黙々と歩いている人が多かったが、中には数人で一緒に歩いている人たちも。真っ白な白衣に菅笠の人もいれば、普段着の人もいて服装は様々だ。金剛杖は持っている人のほうが多かったと思う。

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小さな漁港では、コンクリの上に広げられた定置網を、数十人の男性が囲んで直していた。
別の場所では、豪快に水を噴射して洗っている風景も。

●大型定置網漁業 | 高知県庁ホームページ

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国道55号、最高!

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室戸世界ジオパークセンターにも立ち寄ってみた。
入場料無料ということなので、簡単な展示がある程度かなとなめていたけど大間違い。

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すごい!

展示がとにかく凝っていて、面白い。四国の成り立ち、海底のプレート、なぜ四国がこれだけ高い山だらけなのかなど、3D写真や立体模型、来場者が動かすモデルなど使って、本当にわかりやすく解説してくれている。

時間がなかったので駆け足になってしまったが、じっくり見たら1時間以上かかったと思う。室戸岬を訪れる人はここ、絶対に入るべし。

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カフェレストランも併設されており、「青のりの香るアイス」をいただいた。

蓋を開けただけで立ち上ってくる香りは確かに青のり。
アイス自体がとても美味しいせいともいえるが、違和感はなくいける。

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さらに南下した場所にある「高岡集落」。

ここ、写真でもわかると思うが前が海。後ろは山。
室戸岬といえば、台風が頻繁に上陸する場所。歴史に残る1934年の「室戸台風」では実に3,000人の死者・福江不明者がでて、昭和の三大台風のひとつに数えられている。

●室戸台風 - Wikipedia

この集落の建物の前に作られた石垣は、沖縄の離島の家屋にも通ずるものがあるが、やはり台風対策とのこと。

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さらにすごいのがこれ。

「刑務所?少年院?」

と聞いてしまいそうなコンクリートの塀。
出入口にもかなり頑丈な門扉が作られている。

高知県の本気の台風対策は半端ない。
国道55号線沿いのこの集落では、こんな塀がしばらく続く。

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弘法大師像。
通りにも、傘を背中にくくり白装束の巡礼者が点々と歩いていた。

外国人カップルの姿なども結構見かけた。

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弘法大師が悟りを開いたと言われる御厨人窟(みくろど)。

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●御厨人窟 - Wikipedia

この立体イメージ映像が室戸世界ジオパークセンターにあった。
見てから来るといいだろう。

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これらがある場所は室戸岬の先端にかなり近い場所で、海側には遊歩道が伸びている。

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ビシャゴ岩。
天気が良すぎてハイテンションになったので、スマホをタイマーにしての記念写真もばしばしと。

●ビシャゴ岩の謎 - きまぐれ日記

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室戸岬先端の海岸はこんな感じ。

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近江屋事件で、坂本龍馬とともに暗殺された維新の志士、中岡慎太郎。
20代にして薩長・薩土同盟を成功させ、坂本龍馬とともに明治維新の重要な立役者となるが、その人生はわずか30年だった。短すぎる。

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室戸岬をぐるりと回り、西側から室戸スカイラインを登ってみるとこんな風景が広がる。
霊場もあるので徒歩で登ってきている人もいたが、バイクでよかった・・・

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ランチは「キラメッセ室戸」の「食遊 鯨の郷」で。

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ただし食べたのは鯨肉料理ではなく、限定50食の「キラメッセ弁当」。
税込864円でこの内容!

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古い建物が残る吉良川の街並み。

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あと四国南側の安芸市に入ったあたりから、津波避難タワーが目に付くようになった。
千葉県も、九十九里浜などに多数設置されているが、それと比べても規模の大きなものが多い。

しかも非常に数が多い。視界の中で同時に複数の津波避難タワーが見えるところもあった。

南海トラフ大地震が起これば、東海地方・紀伊半島とともに四国南側も大津波が起こるだろうと言われている。台風上陸頻度も高い四国南部の防災体制はなかなかのものだ。

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そんな安芸市。
入り口に「三菱グループ源流の地 安芸市へようこそ」的な大看板が設置されていてびっくりしたのだが、岩崎弥太郎の出身地とのこと。

その生家への案内看板がまたインパクト大。
全然行くつもりなかったのに、ついつい引き寄せられてしまったよ。

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大型バスでやってくる人たちもいるのだろうか。
安芸市中心部からかなり北に入っていったのどかな田んぼの中に作られた広い駐車場。奥には岩崎弥太郎の像がある。

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分厚いかやぶき屋根の家がそのまま保存されていた。
今は三菱グループで管理しているとのこと。

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倉には三菱マーク。

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そして庭には、日本列島を模して岩崎弥太郎が配したと言われる庭石も。

「(日本列島は)我が庭の内にあり」と言ったとか。
大物は違う。

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安芸市から高知市に向かう道も国道55号。
東西に延びている。

途中、「焼きナスのアイス」で有名な「ふぁーむ」があると地図で知り立ち寄ってみた。

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とても感じのいいご主人。
焼きナス以外にもいろいろな味のアイスがある。午前中に食べた青のりのアイスもここの商品だと知りびっくり。

そう、見落としていたが、実はここまでこなくても室戸世界ジオパークセンターでも同じものが食べられたのだ。
毎年幕張メッセで開催されるFOODEX JAPANにも出店しているそう。

店内の展示を見たら、出店しているだけでなく、焼きナスと青のりで入賞もしている。

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浦戸湾の入り口にかかる浦戸大橋を越え・・・

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高知市桂浜に到着。
このガラス張りで前衛的な建物は、坂本龍馬記念館。

内部は撮影禁止なので写真はないが、ここの展示もすごかった。
たった一人の人物に関する資料だけでよくこれだけの建物が作れると驚いたが、考えてみたらわずか31歳でこの世を去っている人物なのだ。中岡慎太郎もそうだが、どれだけ濃密な人生だったのか。

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有名な桂浜の坂本龍馬像。

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とりあえず右手を突っ込んでの記念撮影。
ちょっと恥ずかしいので、人がいない像の裏手でこっそりと。

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時間の関係で高知城は飛ばしたが、飛ばせなかったものがあった。
それは、無料で乗れる渡船だ。

●長浜種崎間県営渡船のご案内 | 高知県庁ホームページ

先程バイクで渡ってきたばかりの浦戸大橋は高さ50メートル。
巨大な船も湾に入ってくるためこの高さが必要だったそうなのだが、歩行者がここを渡るのはちょっと大変。

そんなわけで、両岸の自転車や歩行者、あと原付バイクの行き来にはこの無料渡船が使われているという。もちろん巡礼者も。

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渡船の人が「10月は朝来ると橋の間から日が昇って見事」と話し、スマホで写真を見せてくれた。

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それがこれ。
毎日撮っているらしく、いくつもの日の出写真が並んでいた。

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短い時間だが、貴重な体験。

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下から眺める浦戸大橋。

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そして高知市内をでて、夜の宿をとっている中土佐へ。
太陽がかなり低い位置まで下りてきてしまっており、気持ちも焦る。

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内陸を通る太い幹線道路を走っていくこともできたのだが、せっかくならと橋で横浪半島の先端に渡り、そこから海沿いのくねくね道・横浪黒潮ラインを走ることに。細長い半島なのに地形は険しく、ガードレール越しに見える海ははるか下。

なのにどうやら波乗りスポットがあるらしく、路肩に車が停まっていると思ったら、獣道のようなところから大きなボードを抱えたサーファーがあがってきて驚かされる。

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夕焼けに染まる横浪半島。

昨日と同じパターンだ。
急がねばと思いつつ、空と海を黄金色に染める夕焼けの美しさに魅せられ、ついついバイクを停めて写真撮影してしまう葛藤。

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いやいや、こんな写真撮ってる場合じゃないのに。
一分でも早く地上に下りなくちゃ。
街灯もないしカーブだらけだし、真っ暗になったら本当ここやばいよ。

・・・だけど撮影優先してしまうこの悲しいサガ。

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そして最後も大変だった。
もう真っ暗すぎて、どこをどう走ったのか皆目見当つかないが、こんな道だったことだけはわかる。

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そしてやっとたどり着いたライダーズイン中土佐では、オーナーご夫婦がバイクの音を聞きつけてふたりで外まで出迎えてくれた。とっても暖かくフレンドリーな方。そしてバリバリのバイク乗りご夫婦だった。

素泊まり一泊3,240円というので、雑魚寝の大部屋的なところかと思ったら、この蒲鉾型の部屋を1人で独占していいのだと。

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入り口の屋根がある場所にバイクを停めていいというのもすごくありがたかったし・・・

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部屋も広い!

4人家族が余裕で泊れる広さ!

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さらに部屋の一角に作られたこの円柱状の中はトイレとシャワー。
まさか独占シャワー&トイレがついた部屋でこの料金とはびっくり。

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広い共有スペースがあり、夜はそこでご夫婦とツーリングの話などもさせてもらった。
一角にはトライアルのバイクもあった。トライアル体験もさせてもらえるとのこと。

昼間に坂本龍馬記念館から電話して飛び込みでやってきた宿なんだけど、本当によかった!!!

●ライダーズイン中土佐(Facebook)

>3日目「台風中継のメッカ、四国最南端の足摺岬は波の花が咲き散る」に続く

▼四国・瀬戸内海沿岸ツーリング2日目動画(10分15秒)