【12日目】真っ青な空のもと「しまなみ海道」で瀬戸内海の島々を渡る!これはもー最高!
四国・瀬戸内海沿岸ツーリング10日目。
遂に・・・遂に・・・遂に突入しますよ
しまなみ海道!!!
▼四国・瀬戸内海沿岸ツーリング12日目動画(11分8秒)
ご存知の方も多いだろうが、しまなみ海道とは、瀬戸内海の島々の間に橋をかけ、本州の広島・尾道から四国の愛媛・今治までを「島々を越えながら渡れるようにした」道のこと。
島内の移動部分も含めるとその距離は60キロ。
海峡を横断する自転車でも渡れる道として日本だけでなく海外からも多くのサイクリストが集まる人気のコースになっているのだが・・・
実は原付ライダーにも大人気!!!
というのも、原付でも自転車道あるいは原付専用道路を走ることができるからだ。
明石大橋も瀬戸大橋も、関門橋だって拒絶される原付二種のクロスカブ乗りにとっては、このしまなみ海道がどれだけ楽しみだったことか(写真は明石海峡大橋とクロスカブ)。
さらに、倉敷市の玉島地区から尾道に向かう道も、ずっと海沿いを走ることができる。
大阪から岡山市あたりまでは、海沿いは埋立て工業地帯が多く、内陸の太い幹線道路を走らざるを得ない区間も非常に多かった。
そんなわけで、大阪以西でやっと沿岸ツーリングらしいツーリングが始まるのが倉敷市なのだ。
倉敷市の国民宿舎良寛荘の展望テラスからの眺め。
災害ボランティアに参加していたため、2日ぶりのツーリングだが、嬉しいことに・・・
これ以上ないくらいの晴天!
遠くに水島地区の工場群も見え、さらに瀬戸内海に浮かぶ島々のシルエットも。倉敷市の南側から四国・坂出市の間には瀬戸大橋がかかっている。
すぐ近くにかかっているのは玉島大橋で、写真では見づらいがその奥には高瀬川の河口がある。
昨夜は総社市からここまで、この高瀬川脇の道をずっと走ってきた。
倉敷市から西に向かう海沿いの道は本当に気持ちがいい!
これは途中で立ち寄った、瀬戸大橋が見えるという内海展望。見えるか見えないかと言ったら見えなかったんだけど・・・
掲示板の写真によると見えるらしい・・・いや見えてないだろこの写真でも!
途中、ヘルメット内のスピーカーで、スマホのGoogleマップナビが「ロータリー2番目の出口を出てください」的なガイドをしてびっくり。
直進のはずなのになぜ?と思ったらここ、「ラウンドアバウト」だったのだ。浅口市内で、県道64号と海沿いの県道47号が交わる地点。
多分これが人生初のラウンドアバウト体験。
さほど交通量もない小規模な交差路だったので、普通の交差点でもまったく問題ないと思うんだけど、きっと実験的に設置したものなのだろう。
入る時にウインカーが必要なのかどうかで一瞬戸惑ったが(左折だすと、入って1個目の出口を出るように後続車に誤解を与えそうだったので)、そのくらいであとはスムーズ。
空も真っ青。
海沿いの道はそれだけでウキウキしてくるから不思議だ。
広島県福山市、沼隈半島の先端にある港町・鞆の浦。観光客も数多く来て賑わっており、走りながらチラチラ見える路地も風情たっぷりだったが、道も混んでいて駐車できる場所も限られているようだったので今回は見送り。
しまなみ海道が後に控えていなければ、ここじっくり回りたかった。
道の駅「アリストぬまくま」にも立ち寄ってみた。地元野菜がいろいろ。シシトウ系が多種売られていた。
そして遂に尾道!
最初にわたる橋がこれ、向島にわたる「尾道大橋」だ。といっても、これは自転車道・原付道がわかれているわけではない普通の一般道が、西瀬戸自動車道と並行して走っている。
一般的に「しまなみ海道を走る」というと、橋と橋の間の島内は最短距離の道を進むルートだが、せっかくなので島も楽しもうと、行きでは島の東側を主にぐるりまわることにした。
車も人もほとんど見かけない島の外周ルート。ガードレールがなく舗装道路のすぐ下が砂浜になっている場所もあった。
ぐるっと半周したところで再び大きな橋が山陰から姿を現した。
向島と因島を連結する因島大橋だ。自動車道は尾道から始まっており、向島の中央を貫く形で道が走っているので、どこかから登ってあの道に合流しなくてはいけない。
バイクだとその看板をつい見落としがちなんだけだ・・・
あった!!!
スポーツサイクルの人たちが何人か吸い込まれていっている場所がそうだった(実は最初わからず通り過ぎてしまった)。
この細い道に入ると・・・
自転車道の入り口だ。
125cc以下の原付バイクは50円、自転車と人は無料の有料道路だ。時速制限は30キロで左側通行とのこと。
初めての経験でかなりドキドキ。
自転車と同じ道を自転車に混じって走るというのはなかなか新鮮な経験。対向車線は橋から長い坂道をひたすら下ってくる自転車で、かつスポーツバイクの人が多いので結構なスピード(時速30キロどころではない)。とは言ってもうっかりぶつかればバイクの非は免れなくなるので低速でそろそろと慎重に。
そしていよいよ橋!
自転車と原付バイクが左側の広い道を左側通行で。歩行者は緑色にカラーリングされたところを歩く。
とりあえず、歩行者とは違うラインだと知りちょっと安心した。
自動車道とこの自転車道は、どうやら上下関係らしい。鉄筋と柱と金網で決して見通し良くはないけど、左右に広がる瀬戸内海とその上に浮かぶ島々が合間から見える。
さほど交通量もなくガラガラなので、短時間であれば停めて風景を楽しむことも。
記念撮影している自転車グループもいた。
海の色もきれい!晴れた日でよかった!
かなり長い距離を走った後、橋のラストに投函式の料金所があった。そして気付いた。50円玉を用意しておかなくちゃいけなかったんだ!!!
無人とは言え無賃通行するわけにはいかないので、太っ腹に倍額の100円をチャリンと投げ込む。
次の橋までの間に自販機で飲み物買おう。
そして因島。
その大部分を山で覆われた、瀬戸内海では比較的大きな島で、中世では村上水軍の拠点が置かれていた。造船業が歴史的に盛んな島でもある。
ただ市街地や工業地帯を抜ければ、あとはこんな感じの山と海にはさまれた道。
展望台を兼ねた休憩所もあり、島々が密集するしまなみ海道周辺の風景を堪能できる。
ここから見えている島々との間には橋は架かっていないが、因島からのフェリー路線があるので行くことは可能だ。
造船所も。
自分の中では、小さな島に工業地帯があるというイメージがなく、ましてや大規模な造船が行われているなんて考えたこともなかった。なにで青空にクレーンが突き出し、轟音を発しながら島と島の間の狭い海峡のようなところで船が作られている風景にはびっくりした。
5階建ての集合住宅も見える。
たくさんの雇用も生み出しているのだろう。
コンビニに立ち寄ると「造船鉄工祭」なんてポスターも。
そして再びの有料道路。
こちらは因島と生口島を結ぶ生口橋。自動車道の西側に原付バイク道が設置され、自転車・歩行者のための専用道は自動車道の東側と分離されている。。
結果どんな感じかと言うと・・・
「車道の右側の歩道をバイクで走ってる」
という、なにやらいけないことをしている罪悪感、自分の左側を対向車が走っているという落ち着かなさ・気持ち悪さで一杯だ。
そして渡り切ったところに料金所。
生口島の西側には、パームツリーが立ち並ぶ南国情緒あふれるビーチも。
美しい多々羅大橋。
橋に向かってのぼる道の途中には、ちょっとした休憩スペースが作られているところもあり、バイクの人は全く見なかったが、自転車の人達が足を休めたり、給水したり、あと記念撮影したりなどしていた。
バイクだから問題ないけど、自転車だと結構なアップダウンがある道だ。橋までは長い長い傾斜道になっているし、島内もそれなりアップダウンある。
ただ同時に、こんなにも目まぐるしく変化する瀬戸内海と島々の風景を見続けられる場所も他にはない。自転車ならもっとじっくり楽しめるだろう。
次回はここ、自転車で渡ってみたいなあ。
そしてどうしても慣れない「歩道を走っちゃってる感」。
ふと気づくと、正面には四国が迫ってきていた。
先週までぐるっと一周していたところで、瀬戸内海南岸で海を眺めながら走っていたものつい最近のような気がするし、遠い昔のような気もするしで不思議な気分。
多々羅大橋を降りてすぐの場所にある大三島の「多々羅しまなみ公園」。ここはちょうど中間地点あたりなこともあり、たくさんの人でにぎわっていた。
実は多々羅大橋の間に広島県と愛媛県の県境があるので、ここはもう愛媛県今治市だ。
渡ってきたばかりの橋を眺めながらお茶できるデッキテラスもある。
車でドライブに来ている人もたくさんいた。
大三島橋。
橋によって方式いろいろで、ここはかなり手前から原付道と歩行者・自転車道がわかれている。
ラストは来島海峡大橋。
他は50円か100円だが、ここは非常に長く、橋の途中で"途中下車"することもでき(馬島という小さな島がある)、通しで走る場合は200円。
ちょうど日没時間だったため、進行方向真正面にちょうど太陽が来てしまい、向こうがまったく見えない状態に。しかもなぜか結構飛ばしてくる地元の方と思われる原付バイクが多かったので、こちらは超のろのろ慎重運転になった。
海面を見ると、かなり複雑な潮の流れになっていて、場所によっては渦を巻いているところも。
少し遠くに見えるのは、西条市や新居浜市だろうか。
今治で焼豚と目玉焼きを乗せたご飯を食べて満腹になった後、湧き水の名所に立ち寄って冷たい地下水をたっぷり飲んだっけ。
とても暑く日差しも強かったので、バイクのシールド上部に養生テープを貼りつけたことなど思い出した。
そして今回の沿岸ツーリングで二度目の今治市に到着!
今治と言えば今治造船。
艤装中の「長卓~EVER BOARD」は、今治造船が台湾のコンテナ会社「エバーグリーン」から受注した11隻のうちの1隻なんだそう。
大角海浜公園に夕陽の綺麗な無料キャンプ場があるというのでそこまで向かうつもりだったが、残念ながら日没時間に間に合わなかったので、それよりずっと手前の波方という地区にある、「なみかた海の交流センター」に泊まることにした。
実はこの中に「みなとトなみ」というサイクリストのためのゲストハウスが作られているのだ。後で地元の人に聞いた話だと、もともとフェリー乗り場だったところだそう。
とってもフレンドリーな若い女性スタッフが迎え入れてくれた。ラウンジからは海が目の前。
ここでも食事できるが、地元の人がたくさん集まる美味しい焼き鳥屋さんがあるので是非そこに行ってほしいと強く勧められた。
小さなキッチンも。
ここは女性ドミトリー部屋で、6つベッドがある。
かなり新しいところのようで、設備すべてがとってもきれい。
他に個室もあり、自転車でまわっている2,3のグループが利用していた。
自転車の展示も。
そしておススメされた焼き鳥屋さん「十味鳥」。
造船所のほうまで少し戻らないといけなくて、徒歩では難しかったため・・・
せっかくの焼き鳥屋さんなのにノンアルコールビール。
注文したら小瓶ではなくジョッキで出てきたので、本当にアルコール入っていないよねと恐る恐る口を付けた。
ゲストハウスの女性スタッフが絶対に食べてほしいと話していた「親鳥」。若鳥とは違い硬めの肉質でこりっとした食感だが、これはこれで違う美味しさ。
キノコ類も。
カウンターで一人飲んでいた地元常連の方。
飲んでいる時にはまったく会話することもなかったんだけど、先に会計をして一度出て行った後、「お店の前に停めているバイク、お姉さんの?」と話しかけてくれた。
箱も積み、サイドバックもつけ大量積載のツーリング仕様になっていたので興味をもってくれたとのこと。
リハビリ兼ねて始めた自転車に夢中になったとのことで、一日200キロ走ったりもするそう。すごすぎる!!!
もっと早くに話しかけていればよかったなとちょっと後悔。
カウンターで飲んでいたやはり常連の方々もバイクを見にでてきてくれた。奥はひとりで次々舞い込んでくる注文を巧みにこなすマスター。ふらり舞い込んできたよそ者の自分にも本当に愛想よく接してくれ、美味しく居心地のいいお店だった。
他の常連さんたちもみなとっても暖かいし。
よく見たら奥にはたくさんの写真。
また機会あったら行きたい。
今度はちゃんと飲める時に。
>13日目「コンビニでの偶然の出会いから「愛媛カブ主ミーティング」に飛び込み参加~尾道の高台からの夜景」に続く
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