野本トンネルの前の道を少し北上し、新興住宅地「緑園台」から少し西に入る細い道を進んだ先にあるトンネル。舗装道路から見える場所にトンネル開口部があるため、野本トンネル同様見つけやすく訪れやすい。房総半島南部の月崎エリアにある「永昌寺トンネル」など同様、天井部分が三角形・全体が五角形の将棋の駒のような形をしている。「観音掘り」といい古来からのトンネルの掘り方なのだそう。トンネル内は堀跡もしっかり残っており、特にくぼみが作られた場所でそれをくっきり見ることができる。また点灯はしていなかったがトンネル中央部の天井には照明が据え付けられていた。西側の開口部は五角形ではなくややゆがんだ形になっており、やはりくぼみが作られている。西側はちょっとした広場になっていて、梅の花なども咲きのどかな景色。トンネルが作られた当時はこちら側が集落だったはずなので、時代の移り変わりによる変化を感じる。
概要
住所 | 千葉県茂原市押日 |
全長 | 36.5メートル |
建設時期 | 明治末~大正初期頃? |
駐車場 | ─ |
トイレ | ─ |
マップコード | 130 708 228*22 |
アクセス
詳細は下記リンクよりGoogleマップを開き確認のこと。
富士見小学校の西側の道を北上し、新興住宅地「緑園台」西側のカーブ地点から西に延びる畑の間の細い道を入っていくとトンネル開口部が見える。
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訪問レポート
<訪問日:2020年2月14日>
新興住宅地「緑園台」西側の外周路のカーブ地点を北側から撮った写真。
Googleマップには載っていないが、外壁が茶色い建物の手前(北側)に、西に延びる細い道がある。
畑の間を伸びる道を奥まで進むと、トンネル開口部がでてくる。
直前まで舗装された道なので入っていきやすい。
トンネル開口部。
こちら側が、「もばら風土記」にも写真が掲載されている開口部だ。
「観音掘りだ!」
房総半島の素掘りトンネルをいくつか既に回っている人ならすぐにそう思うだろう。
房総半島中央部の素掘りトンネル群の中では「永昌寺トンネル」やその並びにある「柿木台第一トンネル」が有名だが、将棋の駒のような縦長五角形に掘られたトンネルだ。これは古来の伝統的なトンネル掘削スタイルなのだそう。
トンネル前面も崩れなどはなく五角形の形も美しくくっきり。
内壁には掘った時の跡と思われる文様もしっかりと残っており、わくわくさせられる。
開口部からちょっと入ったところの右側にくぼみがつくられていた。
こちらもノミの跡のようなもおが無数に。
何かが安置されていた場所なのだろうか。
トンネルはほぼまっすぐで、出口まで見渡すことができる。
地元の方の往来にも使われているようで、堆積物などもなかった。
そして入り口から天井に電気ケーブルが通されていた。
私が訪れた時には点灯していなかったが、トンネル中央部あたりに照明が設置されていた。
次第に五角形の形はやわらぎ、反対側・西側の開口部はご覧の通りの形。
入ってきた側は新興住宅地だったが、トンネルを抜けると人家ひとつ見えない、静かな広場。
鳥のさえずりだけが響き渡る。
短いトンネルなのに、なんともいえないトリップ感。
梅の木も咲いている。
写真左奥にトンネルの開口部がある。
トンネルの上部は斜面になっており、その上にはうっそうと生い茂る竹林が空間を緑色に輝かせている。
あれ、こちらにも・・・
はやりくぼみが。
何が置かれていたのだろう。
西側の開口部あたりから反対側を撮影してみた。
外界が将棋の駒の形に切り取られて輝いている。
東側の開口部上部には、ビロードのようなコケもびっしりとついていた。
もちろんバイクで走ることもできる。
試してはいないが車でもおそらく。