房総半島素掘りトンネルナビ
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房総半島に数多く残る「素掘りトンネル」。林道にひっそり佇むトンネルはまるで別世界へといざなう入り口のよう。素朴なトンネルの内壁には美しい地層も浮かび上がり、ツーリング目的地としても人気です。主要な素掘りトンネルへの行き方やおススメルートなどをご紹介します。

[茂原] 後呂(うしろ)トンネル

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少し南にある「猪喰トンネル」の西側の出口から少し下り坂を下りていった先、クリーム色の二階建ての建物がでてきたらその手前を右折して北上したところに現れるトンネル。こんなに近い場所に日本もトンネル必要だったのだろうかと不思議な気もするが、後呂トンネルは北に向かって掘られているため反対側の出口は猪喰トンネルからはやや離れた場所となる。北側の開口部は半月型で非常に美しく、トンネル内側から外をみると、右側に竹林が、左側に杉林が広がり絵になる。「もばら風土記」によるとトンネル内部両脇に溝が掘られているのは、滲み出る水で床が滑りやすいためとのこと。地図上で見ると来光寺の池から近いが、つながっている道はない。

概要

住所千葉県茂原市押日
全長48.5メートル
建設時期明治末~大正初期頃?
駐車場
トイレ
マップコード130 708 730*74

アクセス

詳細は下記リンクよりGoogleマップを開き確認のこと。

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動画

準備中

訪問レポート

<訪問日:2020年2月14日>

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新興住宅街の北部、猪喰(ししくい)トンネルからさらに少し進んだところから細い未舗装の道に入る。
ここもやはり「落石注意」の看板がアクセス口探しの手掛かりになった。

思ったより北側で少し探してしまったんド絵、Googleマップを事前に見ておいてほしい。

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緩やかな坂道の上に丸いトンネル。
上はやはりここも竹林。

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左右対称で美しい曲線だ。
トンネルもまっすぐで、その先、西側の開口部も美しい丸い形となっている。

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ここも車での往来があるようで、トンネル内もきれい。

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トンネル内両側に溝が掘られているのは、滲み出る水で床が滑りやすいためと「もばら風土記」に書かれていた。私が訪れた時には特に地面がぐしょぐしょになっているということはなかったが、確かに壁は湿っている感じ。

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西側の出口。
少し先に集落が見える。

実は最初、猪喰トンネルをバイクで抜け、西側からこのトンネル入り口を探していたのだが見つからなかった。来光寺の池の先のはずなので、そのあたりに入り口があるのではと思い、寺の前の広場でゲートボールしている地元の方々にも聞いてみたもののわからず。「この辺りは穴ぐらがたくさんある」と話していたが、トンネル名を言っても通じなかった。

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その中のひとりがクリーム色の外壁の家の方で、裏にトンネルがあると話してくれたのだが、その時には既に訪れた猪喰トンネルのことだけを言っていると勘違いしてしまった。まさかこんな近くに2か所ものトンネルがあったとは。

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クリーム色の外壁の建物から2つのトンネルを見た写真。
右側が猪喰トンネル、左側の先に後呂トンネルがある。

入り口は近いが、伸びている方向が違うので、東側の出口はそれなりに離れている。

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西側の出口。

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トンネル内から東側の出口を撮った写真。

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素掘りトンネル巡りにはまった理由の一つがこの風景だ。
暗いトンネル内から開口部の写真を撮ると、外の世界がトンネルの形に切り取られて映る。

人手ならではの少し歪んだトンネル開口部の形。
その先は緑色に光る世界。
光と影の強いコントラストで、ちょっとした絵画のような作品になる。

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さらにその作品の中に自分のバイクがいたりしたら最高だ。
この写真は茂原の素掘りトンネル群を撮影した中でもお気に入りの一枚になった。

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明治末から大正にかけて掘られたそう。