房総半島素掘りトンネルナビ
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房総半島に数多く残る「素掘りトンネル」。林道にひっそり佇むトンネルはまるで別世界へといざなう入り口のよう。素朴なトンネルの内壁には美しい地層も浮かび上がり、ツーリング目的地としても人気です。主要な素掘りトンネルへの行き方やおススメルートなどをご紹介します。

[茂原] 野本トンネル

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茂原市の素掘りトンネル群を回る時、押日地区の東端にある富士見中学校からスタートすると一番最初に登場するのがこの野本トンネルになる。富士見中学校の西側の道を、新興住宅地「緑園台」に向かって北上する道のすぐ左側にある。公道からトンネル開口部もよく見える場所なのですぐ見つけられるはず。「もばら風土記」によると、作られたのは戦後すぐ。小学校も新興住宅地もなかった当時は、田んぼと畑が山裾に点在する風景が広がっていたそう。両側の壁も垂直でかなり整った形のトンネルで、開口部のあたりには落ち葉堆積もあるが、トンネル内は非常にきれいだった。西側の先は竹やぶで、折れて斜めに倒れているものも何本かあったものの、徒歩や自転車で通る分には全く問題がなく、すぐに押日地区南西側の集落の公道に出ることができる。

概要

住所千葉県茂原市押日
全長27メートル
建設時期1945~55年(昭和20年代)
駐車場
トイレ
マップコード130 678 828*81

アクセス

詳細は下記リンクよりGoogleマップを開き確認のこと。

茂原市立富士見中学校の西側の道からトンネル開口部が見える。反対側からもアクセスできるが、中学校側からのほうが迷わない。

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動画

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訪問レポート

<訪問日:2020年2月13日>

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茂原市の押日地区の素掘りトンネル群の中で、もっとも容易にアクセスできるのがこの野本トンネル。
富士見中学校の西側の道からすぐ近くにトンネル開口部があるので、見落とすことがない。

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今も地元の方の往来に使われているようで、トンネルまでの道もトンネル内もきれい。

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開口部は整った長方形で、トンネルもまっすぐ。

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トンネル内から見た西側の開口部。

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ここは落下物などもあり少し地面部分が狭くなっている。
トンネルの先は竹林だが、何本かの竹が倒れて斜めになっていた。

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トンネルから少し先に進んだところ。
実はこの時には気づいていなかったのだが、ここで道が3つ又になっていて、まっすぐ緩やかな坂を下っていくと山並み西側の集落がある公道にでて、左側に進むともうひとつの素掘りトンネル「木生坊(きしょうぼう)トンネル」にたどり着く。

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こちらが公道へ続く道。

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トンネル西側には落ち葉が積もっていた。

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トンネルの手前は、壁面が剥落していた。

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見た目は岩のようだが、実は固くはなく、爪でこするとぽろぽろと崩れる。

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作られたのは昭和20年代とのことで、二回目にここを訪れた際、すぐ近くの民家に住む高齢の女性にお会いして少し立ち話をしたのだが、その方がここに嫁いできた少し前に作られ、「三毛猫ホームズ」シリーズのテレビドラマ撮影もあったとのこと(撮影に使われたのが野本トンネルなのか木生坊トンネルなのかは確認し忘れた)。

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富士見中学校側の道沿いには、山を登る階段もいくつか設置されていた。
今は使われていないらしく、どこも草ぼうぼう。

房総半島の素掘りトンネルを見るといつも「それほど低い山でもないのに、わざわざトンネルを掘る必要があったのだろうか」という素朴な疑問がわいたが、確かにこの階段を毎日上り下りすると思うと(しかも農作業の道具など抱えて)、確かに嫌になるかもしれないなと思った。