房総半島素掘りトンネルナビ
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房総半島に数多く残る「素掘りトンネル」。林道にひっそり佇むトンネルはまるで別世界へといざなう入り口のよう。素朴なトンネルの内壁には美しい地層も浮かび上がり、ツーリング目的地としても人気です。主要な素掘りトンネルへの行き方やおススメルートなどをご紹介します。

龍福寺(旭市)境内の素掘りトンネル

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千葉北東部の旭市(銚子市のすぐ南)にあるお寺「龍福寺」境内に掘られた素掘りトンネル。境内マップには「奥の院入口」と書かれ、トンネルを抜けると大師堂がある。トンネルの中には左右に横坑があり、それぞれ二か所ずつあるので中でおそらくつながっていると思われるが、人が入るにはちょっと狭い。大師堂の前の自然散策道のような道を進むと小さな滝があり、龍の像が安置されている。崖に穴もあったが、それがトンネルなのか保管蔵的なものかは未確認。

概要

住所千葉県旭市岩井120
全長
建設時期
駐車場
トイレ
マップコード92 322 388*84

アクセス

東関道・大栄ICから約40分/JR総武本線・飯岡駅から旭市コミュニティバス海上地区ルート「岩井不動下」下車徒歩約5分

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動画

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訪問レポート


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旭市の海上キャンプ場のすぐ北側にある「龍福寺」。近隣は田んぼや畑が広がる平地の中にこんもりとした丘のような山も点在するのどかな場所だ。
市の公式サイトにはこんな紹介文がある。

緑深い木々に抱かれるように佇む龍福寺は、不動明王とその使いである制多迦(せいたか)、矜羯羅(こんから)を本尊とする寺院です。近隣の人々や九十九里の漁師の信仰も厚く、岩井滝不動とも呼ばれる境内には滝が流れ、緑豊かな景観のなか、四季の移ろいを感じられる癒しのスポットとなっています。


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入口に境内マップがあった。
割と大きな真言宗のお寺で、右端の「奥ノ院入口」とあるのがおそらく目指す素掘りトンネルだろう。

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朱塗りの立派な仁王門。

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奥に見えるのが御本堂。
弘法大師が東歴の際、不動明王を彫って安置したのがはじまりとのこと。

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ただ今回は参拝が目的ではないので、素通りして敷地の南側の奥へ。

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すらりと伸びる杉の木の陰に階段があり・・・

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ありましたよ、穴が!!!

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Googleマップの航空写真を見ながら「ここにトンネルが必要な山があるとは思えない・・・ただの雑木林だと思うんだけど」と首を傾げていたのだが、実際山があるというほどではなく、「ちょっと小高い場所」といった感じ。

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入口にあるのは観音像か。

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そして内壁はかなりつるんとした滑らかな表面で、開口部も曲線でなかなかきれい。天井の崩落などもまったくないようだ。

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それほど大きくはないが、とくにかがむ必要もないくらいの天井乞うはあり、道の両脇にも排水溝が掘られている。

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真ん中あたりまできて「あれ?」「これはもしや?」

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左右に穴が掘られていて、そこにも仏像が。
さらにその穴の一画からもう一本、トンネルが掘られていた。

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ヤッケを持参していれば、四つん這いで入ってみたかったんだけどそんな装備はなかったので見るだけ。

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奥は見えなかったが、少し手前にも穴がありおそらく角度的につながっているのだろうと思う。保管庫かなにかなのだろうか。

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反対側にも同様の穴が。

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トンネル途中から振り返った、本堂側の開口部。
こうして見ても、かなり左右対称になった美しい形をしている。

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こちらは反対側の開口部。
場所的には、海上キャンプ場方面のはずなのだが、一体どこにつながっているのだろう。

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出て見たら・・・

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そこには小さな祠が。
これが「奥ノ院」なのだろうか。

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ちなみに広角撮影するとこんな感じ。

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トンネルを出て右側に祠があり、左側には散策路のような道が伸びていた。境内であるのは間違いないと思うけど、この道は一体どこに続くのだろう。

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ちょっと歩くと右側に滝があった。
市の紹介サイトや千葉県の観光サイトに書かれていた滝だろう。

通称「滝山」と呼ばれるように、社寺林には湧水が非常に多く、本堂裏には独鈷の滝があります。滝の真下には、昇り竜と不動明王立像が置かれています。

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どうやらこれが独鈷の滝のようで、登り龍らしき像もあった。そしてお供え物らしきペットボトルも。

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驚いたことにラミネートされたこんなタイ語の案内があった。
なんと書かれているのかは全く分からないが、「おいしい牛乳をお供えしましょう」と書いてあるとは思えないので、こうしたものを置かないようにという禁止事項なんじゃないかなと。

タイからの観光客がここまで足を伸ばすとは思えないので、隣接する銚子で今増えている在日タイ人がお参りにくるのかもしれない。

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さらに遊歩道は続き、もはや境内というより林の中。
ちょい前まで見慣れた旭市内だったので(実家が隣接する香取市なので地元みたいなもの)、異空間にワープしたような気持ちだ。

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またしても右に折れる細い道があり、その先に小さな滝?湧き水?があった。

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ここにはお花とペットボトルが多数備えられていた。

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龍?

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木で作られた道は他にもあるんだけど、どこを訪れるためのものかはわからず。

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竹林の先にもうひとつ、素掘りトンネルもしくは防空壕的な穴があった。
ただちょっと、あまりに人がいなすぎて(境内に入る前から誰一人とも会っていない)、こんな場所でうっかり足を滑らせて動けなくなると誰にも発見されなくなりそうな不安があり、遠くから見るだけにとどめた。

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龍福寺の森として、県の天然記念物に指定されているそう。

ちなみに奥ノ院のトンネルを出た後、左側の散策路をずっと歩いていったが、整備された道になってきたなあと思ったら、最初にトンネルに入る前にのぼった階段の前に出た。どうやらぐるっと半円を描いて歩いていたようだ。